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心にざっくり刻まれる「沼」が深い韓国ドラマ18本

いろいろと韓国ドラマを観ていて、特に最近の作品は平均値が高いというか、ものすごいスピードでたくさん制作されているにも関わらず、いずれも基本的に面白いなというのが驚きでもあるのですが、中でも特に「ハマったなぁ〜」という実感の深かったドラマを、今後の自分の振り返りのためにリストアップします。

恋はチーズ・イン・ザ・トラップ(パク・へジン、キム・ゴウン、ソ・ガンジュン)

ある意味、最初にハマったのはこの作品でした。パク・へジンとキム・ゴウンの演技による魅力、キャラクターや人間関係のリアリティと複雑さ、ヒロインの恋する相手が人間性に問題アリでこんなに拗らせた性格、というのも斬新な面白さ。単なる恋愛モノではなく、広く人間関係というものが抱える問題や人への信頼の意味を問われ、心えぐられる一本です。

「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」 - 相手を変えるのではなく、自分が変わる

ホテルデルーナ~月明かりの恋人~(IU、ヨ・ジング)

これは特に後半の加速度が圧巻。愛する人を亡くすこと、生と死を取り巻く哀しみや切なさとともに、それらを踏まえて生きることの良さを味わえる良質な人間(幽霊?)ドラマです。恋の展開も本当に素敵。IUに深く共感し、ヨ・ジングにすっかり心奪われます。

「ホテルデルーナ~月明かりの恋人~」 - 生と死と愛を軽やかに丁寧に美しく

刑務所のルールブック(パク・ヘス、クリスタル、チョン・ギョンホ)

この独特の世界観は他の追随を許さないところアリ。実にまとまりのある群像劇で、とにかく人と人の交わりに癒されて仕方ない作品です。笑いと涙のバランスも秀逸。感動というのはこんなにもじんわり滲みるように訪れるのかと思わされました。

「刑務所のルールブック(賢い監房生活)」 - アスリートの本分を思う

太陽の末裔(ソン・ジュンギ、ソン・ヘギョ)

恋愛ドラマとしては本当に最強の部類。女子が夢見るのはこういう恋なんです、と声を大にして言いたくなる(ちょっと試練は多すぎるけれど)。現代劇でありながら舞台は壮大、男性陣が突き抜けて男前で一途、ヒロインふたりも芯があってカッコ良くて…ドラマに求めるものをまとめて供給してくれる贅沢感と仕上げの爽快さに感嘆します。

「太陽の末裔 Love Under The Sun」 - ラブストーリーの絶対正義

サイコだけど大丈夫(キム・スヒョン、ソ・イェジ、オ・ジョンセ)

予告から受けた印象も、1話を観終えたときの鳥肌が立つような予感も正しかった。これは本当に完成されていると感じた作品。シナリオもキャストも映像も音楽も、クオリティでこれを超えるドラマを作るのはなかなか難しいのではと思うほど。突き詰めて美しい世界観にも関わらず、凄みすら感じさせるリアリティで「人間」を深く強く描いてくるドラマです。

「サイコだけど大丈夫」 - 人は人なしで成長できないという事実

ストーブリーグ(ナム・グンミン、パク・ウンビン、オ・ジョンセ、ユン・ソヌ) 

半沢直樹的な成功物語や組織を描くドラマとしての側面もありつつ、人と人の関わりに実に深みがあって、敵役まで含めてキャラクターが満遍なく魅力的。心から面白かったドラマ。ナムグン・ミンの演技のどハマりっぷりも凄い。スポーツが与えてくれる感動や勇気の理由をひとつひとつ紐解いていってくれるような秀逸な作品です。

「ストーブリーグ」 - 9回裏ツーアウトなら逆転ホームランを打てばいい

九尾狐伝(イ・ドンウク、チョ・ボア、キム・ボム)

「そう、SFはこうあって欲しい!」と感じた作品。イ・ドンウク演じる九尾の狐がとにもかくにもカッコ良い。質の高いアクションと密度の濃いラブストーリーが間隙なく続くので一切飽きさせません。イ・ドンウク×チョ・ボアの組合せが時代を行き来する大恋愛を描くのにぴったりで実にロマンティックです。映像もスタイリッシュで作品としてのエネルギーが抜群。

「九尾狐伝」 - 細部まで美しい理想の御伽ばなし

悪の花(イ・ジュンギ、ムン・チェウォン)

設定、展開が鮮やかでとても美しいサスペンス。サスペンスでありながら、信じることと愛することの本質を問いかけるような物語の奥深さに心を打たれました。視聴者も幾度となく惑わされ、その中で誰を信じるのか考えていくことになります。滲み出る赤ん坊のような無垢な心を持つサイコパスをイ・ジュンギが完璧に演じている必見の一本。

「悪の花」 - 何が真実かは自分の目で見て決める

ザ・キング: 永遠の君主(イ・ミンホ、キム・ゴウン)

毎週の配信を追っていたからというのもあるかもしれませんが、びっくりするほどハマった作品。平行世界を行き来しながら繰り広げられる、片方の世界の皇帝ともう片方の世界の女刑事の恋という設定があまりに面白く、ミステリーとSFとラブストーリーのパワフルな融合にどっぷり浸かってしまう超意欲作(製作費も物語に見合う規模)。毎回毎回、次回が気になって仕方ない終わり方をするところが脚本家キム・ウンスクの凄みに思えました。ドラマの性質上2役をこなす役者が多く、俳優陣の演技力も際立っていました。

「ザ・キング: 永遠の君主」 - 圧倒的な世界観に散りばめられた極上のエピソード群

悪霊狩猟団: カウンターズ(チョ・ビョンギュ)

特殊能力を与えられたメンバーたちが悪霊を対峙していくという設定自体は正義の味方もの、チームものとしてもたっぷり楽しめます。映像のクオリティは当然のように高く、アクションシーンは見応え抜群。ですがそれ以上に、各キャラクターの抱える大切な人々との物語がどれも素敵で、最終回に至るともう全てに愛を感じて号泣してしまう、そんな作品でした。役者陣も文句なしの実力派揃い。すごく仕上がりのいい全16話です。

「悪霊狩猟団: カウンターズ(驚異的な噂)」 - 痛快なのに愛が満ちて泣けるSF

ナビレラ -それでも蝶は舞う-(パク・イナン、ソン・ガン)

本当に美しいと感じたドラマ。一見すると才能あふれる青年が主人公のようにも見えますが、物語の軸は決して天才が成功していく姿にはなく、もっと普遍的でありふれた人々の日常にもたらされる素朴な幸せと、夢や努力という誰もが触れることのできる輝きなのです。バレエという題材がまた絶妙な人生の陽と陰のコントラストを深い共感をもって描き出してくれており、何よりこんなにも心に残るラストシーンは、なかなかありません。

「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」 - 夢を追う美しさ、誰かの支えになる意味

ヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ、チョン・ヨビン)

「こんなにも人間味があって爽やかなヒーローなのに、ひとつの躊躇いもなく悪党」という斬新な主人公像に知らぬ間に魅せられてしまう作品。"悪党"を描くことに徹した、何か覚悟のようなものも伝わってくるドラマでした。バッタバタと登場人物が命を落としていくにも関わらず、リズムがよく非常に観やすいというのもなかなか他にない個性極まる一本。

「ヴィンチェンツォ」 - 視聴者にも媚びずに容赦なし!新感覚のダークヒーロー

ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(ソ・イングク、パク・ボヨン)

涙も笑いもときめきもあって、ひたすらキャラクターが愛しい秀逸なラブファンタジー。物語の構成こそ鉄板を踏襲した感じになっていますが、「死」がどうやってくるのか、「神」とはどういう存在なのか。それらの設定が独特で、単純な童話ではありません。何よりソ・イングクという役者の魅力がフルフルに活かされており、パク・ボヨンは圧倒的にヒロイン。

「ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた」 - "死"が人を愛するとき

海街チャチャチャ(キム・ソノ、シン・ミナ)

どこまでも広い海と空と眩しい太陽。優しくて強い街の人々と過ごす日々。乗り越えていく人生の苦難、育まれていく深い愛情。全てが最高にあたたかくて、日常をキラキラさせてくれる笑いと涙に満ち溢れた作品です。ドラマを観ることで感じたい気分のうちのひとつを極めている気がしました。キム・ソノとシン・ミナというふたりにそれぞれハマってしまいます。

「海街チャチャチャ」 - 人生の苦しさを解いてくれる陽差しと海の物語

赤い袖先(イ・ジュノ、イ・セヨン)

一途に愛を伝え続ける王と、王を愛すれど自分の生き方を守りたい女官が繰り広げるあまりに切ない歴史ロマンス。実在のカップルが主人公ですが、時代劇としての完成度の高さと登場人物たちの人間味の味わい深さが絶妙な共存を見せている抜群に仕上がった作品です。何よりも主役ふたりの演技の素晴らしさが際立っていて溜息が出る名シーンの連続。明るく軽やかに始まる序盤、王位を継ぐ争いに苦しむ中盤、ふたりの運命を目を逸らさず描ききる終盤まで、噛み締めるほどに深く気づいたら沼のど真ん中。夢中にならずにおれない全17話です。

「赤い袖先(袖先赤いクットン)」 - ジュノ×イ・セヨン、役を生きるふたりが織りなす世紀の大恋愛

二十五、二十一(キム・テリ、ナム・ジュヒョク)

1998年から始まる物語。IMF通貨危機という時代の大きな潮目に飲み込まれた若者たちがそれでも自分たちの夢と意志で成長を果たしていく強烈に眩しくて、切なさも喜びも全てを焼き付けるような作品です。これ以上に見事に青春を描けるドラマはなかなかない気さえしました。2013年にリリースされた同名の楽曲がモチーフなのか(劇中曲にもなっています)、歌詞の持つ青春時代にしか存在しない特別な香りを見事に物語に昇華させています。主人公ヒドの放つ輝きと秀逸なセリフたち、恋人となるイジンのヒドに対する海よりも深い慈愛に触れるだけで幸せの手触りが分かる、そんな一本です。

「二十五、二十一」 - 眩しくて切ない、何のために青春が存在するかを知る傑作

ユミの細胞たち2(キム・ゴウン、ジニョン)

恋をすれば誰もが経験するような感情の動きを、恋愛の春夏秋冬を、かつてなかったほど丁寧に愛しく描き出すドラマ。シーズン1も秀作でしたが、個人的にシーズン2のときめきや切なさの表現があまりに素晴らしく、役者たちの演技がどんどん研ぎ澄まされていく様子にすっかり心を持っていかれてしまいました。

「ユミの細胞たち2」 - 酸いも甘いも!分かりみが深すぎて沼な恋愛の春夏秋冬

D.P.2 -脱走兵追跡官-(チョン・ヘイン、ク・ギョファン)

実によくできていたシーズン1あってこそですが、このシーズン2は想像以上に素晴らしかったです。1で残した痛みを丁寧に解いてゆき、新たな問題を提起し、出口のない闇を直視する。韓国の人(特に男性)でないと理解できない部分もあるのかもしれませんが、人が抱える普遍的な苦しみに視聴者も共にもがくような作品です。特にこのシーズン2の第3話は、観たら誰もがきっと心を奪われてしまうような秘密兵器アリ。エンドロールの最後まで聴ききってほしいエピソードでした。

「D.P.2 -脱走兵追跡官-」 - 闇を抜けたとき、「まだ始まってもいない」と言える

本質的には魅力的なキャラクターがたくさん出てきて、丁寧に心情が描かれるような作品が好きな私です。近年のドラマはいずれも設定や展開が複雑で人間がよく描かれていて、物語全体の構造づくりがすごく巧みなものが多い気がします。またど真ん中なドラマに出会ったら追記してゆきます。

▼その他、ドラマの観賞録まとめはこちら。

喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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