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「ユミの細胞たち2」 - 酸いも甘いも!分かりみが深すぎて沼な恋愛の春夏秋冬

★★★★★+

やはりシーズン1のクオリティの高さを受けて高まらざるを得なかった期待。待ちに待ったシーズン2。シーズン1の終わり方的にも、2を見ずしてどうにもならんやつでした。何よりも!そう!シーズン2はジニョン演じる「ユ・バビ」のターンです!シーズン1ではあくまでスパイスとして存在していたバビが全面的にメインで活躍するとあって見逃すわけにはいきません。そしてバビは開始早々の1話から期待以上のときめきをもたらしてくれ、細胞たちも相変わらず可愛らしく、人の心の酸いと甘いを味わい深く見せてくれるやはりとても良い作品でした。

シーズン1のラストで同棲して結婚まで夢見ていたウン(アン・ボヒョン)と別れたユミ(キム・ゴウン)。普通の生活を送りながらも心の中では洪水のように悲しみが押し寄せている(そしてユミの細胞たちは大災害状態になっている)ところからシーズン2が始まります。

そんなユミの視界におもむろに現れるのが、職場の同僚であり彼女をかねてから気にかけてくれていたユ・バビ(ジニョン)です。穏やかで大きく包み込んでくれるような優しいバビは、ウンとは全くスタイルの違う愛情をユミに見せてくれる人。とはいえ愛に傷つくことが怖くなってしまったユミはバビの告白を一度は断ってしまいます。でも心の奥では確かに育っているバビへの想いに気づき、ついにふたりは交際をスタートすることに。これ以上ないくらい幸せで甘い時間が広がっていきますが、どんな恋愛にも荒波は訪れるものです。そしてユミには大きな夢も生まれ…。

普通のドラマだと、たとえばヒロインの相手役が何を考えているか分からなくて不安になったり、キャラクターの挙動がどういう感情から来るものなのか疑問だったりすることはママありますが、そのあたりが全力で詳らかになっているのがこのドラマの最大の特徴。かわいらしい細胞たちの姿を借りてすべてが可視化された恋愛には、驚きに近い深い味わいがあります。

逆に細胞たちの登場がなければごくごく平凡なストーリーですし、普通のドラマなら5分くらいのシーンを細胞パートが挟まることで20分くらいに膨らませている感すらあります。でも、それですらものすごいときめきを供給し続けてくれるのはやはり主演がキム・ゴウン×ジニョンという、「平凡」すら奥行きのある演技で立体的に魅せてくれる役者ふたりだからかもしれません。ふたりが最強に切ない表情で向かい合うシーンがあって、恋愛特有の袋小路に入ってしまった苦しさ、ものすごく辛い気持ちが、涙を流さないのにもう見ているだけで流れ込んでくるようでした。もちろん細胞たちの細かい演技(?)も巧みなのですが、それを差し引いても、目だけでもセリフ以上のものを語れるふたりに何度も驚かされます。改めてキャスティングに抜群のセンスを感じる瞬間。

そして後半から意外と存在感を見せてくるのが元カレであるウン。バビとウンが本当に対称的で、それだけでも物語が無限に広がりを見せるのです。アン・ボヒョンが本質的にはかっこいいというのもうまく活きています。が、しかし、バビの優しさと愛情はもはや魔性の魅力と言っていいレベル。細胞たちによって内心を盛大に晒されているので、何もかもがスマートというわけでもなく、人間らしさが備わっているのもまた最強でした。フィクションの中では人間てシンプルで物事は白黒分けて整理されがちだと思いますが、このドラマはそんな風に割り切れない感情のややこしさや良し悪しで語れない人の世のあわいみたいなものを教えられる気持ちになります。もどかしいのですが、分かってしまうのです。

ときめきを通り越して感動してしまうようなラブシーンでかかるのが他でもないジニョンが歌う曲だったり、OSTも印象的なものが多いです。また、30分の間に状況が真逆くらい変わっても違和感がない脚本力。自分自身が恋に落ちたり失ったり恋以外の発見をする経験をしている気さえするキャラクターのリアリティ。本当にいろんな角度から良くできている作品でした。この先の展開への期待も抱きつつ…一旦はユミ×バビロスを噛み締めます(涙)。


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