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クラシック音楽歳時期 2021-2024

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毎日聴いたり演奏したクラシック音楽のためのノート。どんな音楽に触れて思い書いたかを思い出せば、あの頃の自分を思い出すことができる。もちろん誰に読んでもらえてどんな感想をいただける…
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2023年12月の記事一覧

音楽はなぜ心地よいのか<後編>ーー東大出身の理学博士が素朴で難しい問いを物理の言葉で語るエッセイ「ミクロコスモスより」⑪

音楽はなぜ心地よいのか<後編>ーー東大出身の理学博士が素朴で難しい問いを物理の言葉で語るエッセイ「ミクロコスモスより」⑪

音楽の心地よさを数学的に考える今回のテーマ。

前編はこちらから。

ピタゴラス音律の構成を考えてみよう

実際にその構成を行ってみます。数字がたくさん出てきて面倒なので、基準となる周波数をν(ニュー)としましょう。
また、音が1オクターブ内に収まるように、適宜1オクターブ下の音(周波数を半分)に置き換えて考えます。

まずもっとも近い音は3倍音の1オクターブ下の音(3/2)νです。次に近い音は、

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【ピアノ】で弾くより【チェロ】で弾いた方がエモいと思う曲

【ピアノ】で弾くより【チェロ】で弾いた方がエモいと思う曲

新しいピアノの先生に、グリンカのノクターン「別れ」のレッスンをしていただくことになったので、練習しながらネットで背景とかを知識にまとめようと、にわか勉強してnote記事を書いてます。

ただ、勉強や練習をしているうちに、どうもチェロで弾いたほうがエモいよなぁ、と思うことがしばしば。なので、ピアノで弾くは弾くけど、やっぱりチェロで弾きたい・聴きたい曲を3点ピックアップしました。

グリンカ/ノクター

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クラシック曲の略称

クラシック曲の略称

用語解説

【チャイ5】
チャイコフスキー
交響曲第5番
(リバーサルオーケストラのやつ)

【ベト7】
ベートーヴェン
交響曲第7番
(のだめのやつ)

【チャイコン】
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番
または
ヴァイオリン協奏曲
(またはチャイコフスキー国際コンクールの略称)

【ハイバリ】
ブラームス
ハイドンの主題による変奏曲
(ハイドン・バリエーション)

【ガンつき】
サン=サーン

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音で描かれた子供たちのいるバカンスの情景

音で描かれた子供たちのいるバカンスの情景

フランスのクラシック音楽は色彩豊かで非常に視覚的な音楽として知られています。

近代音楽の時代が訪れると、十九世紀の芸術音楽を牽引した、音でドラマティックな物語を描き出すベートーヴェン=ヴァーグナー流音楽の呪縛から解放されたシャブリエ、ドビュッシーやラヴェルらのフランスの作曲家が芸術音楽の世界を新しくしてゆくことになりました。

フランス的と呼ばれる色彩感豊かな音楽を独自に発展させたことが新しい時

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アナログ派の愉しみ/音楽◎ジャクリーヌ・デュ・プレ

天才という
重い十字架を背負って

その朗々とした響きからチェロは「歌う楽器」と呼ばれるが、実際、人声と同じくそれぞれ個性的で、レコードを聴く側からしても演奏家ごとの好みがはっきり出やすいように思う。たとえば、バッハの『無伴奏チェロ組曲』ならカザルス、ドヴォ・コン(ドヴォルザークの『チェロ協奏曲』)ならロストロポーヴィチ、そして、エルガーの『チェロ協奏曲』ならデュ・プレでなければならない。むろん、

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