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空を飛ぶ土竜
2022年10月25日 21:04
油断一秒怪我一生ということばがある。このことばに関して、かつてこんな話が新聞に載っていた。中国の視察団か何かが日本を訪問し、ある工場を訪れたところ、この標語が壁に貼ってあった。これを見た視察団の一行はエラク驚いたのだそうである。「日本人は恐ろしいほどの働き者である。これだから凄まじい急成長を遂げたのだ」と。我々にとっては、危険と隣り合わせの工場で怪我をしないために一秒の油断を戒めたこのこと
2022年9月28日 23:17
横浜の濃き街の色思ふときかうかうとして熱きくちびるこれは20代半ば、当時、横浜にいたカミさんと付き合っていた頃の歌がメモに残っていたので引っ張り出してみました。「熱きくちびる」としか言っていないのですが、ちょっと恋のにおいが感じられたりする?でしょうか。あまり深入りしたくないですが、そんな時代もあったなあ、みたいなことを思ってみたりします。自分で使っておきながら「かうかう」って何だろう?
2022年7月19日 19:21
例によって遠回りになるが、つまらないことが気になることがあって、ある時「国語辞典の一番最後に挙げられている語は何だろう」と、ふと思った。五十音の一番最後はご存知のように「ん」。「ん」から始まる自立語は存在しないわけで、しりとりをしたとき「ん」がつくと負けになるが、辞書には「ん」で始まる語が載せられている。■『広辞苑』(第4版)では、「ん」に関する項目は次の7項目。1.「ん」(文字とし
2022年6月15日 21:55
みなさんは、「大地震」「神戸牛」を何と読みますか?僕にとって「大地震・大舞台」は「だいじしん・だいぶたい」だったのですが、「おおじしん・おおぶたい」と聞くことが多くなり、ちょっと違和感なのです。たぶん、「音読みの漢語と結びつくものは音読みで読む」という小さい頃に教育された?単純な原則に僕の単純な頭が違和感の原因のようで、「日常に溶け込んで日常の言葉として和語化したものは「おお」と読むことの
2022年6月11日 22:21
今日、生徒に「完了」って何かと聞かれた。古典では文法的に正しくヨムことを半ば教養?として強要するが、そうすると文法に囚われて、真面目な生徒ほど、「完了」なら「~してしまった」と訳さなければならないという迷路にはまり込んだりしてしまう。そこで、こんなことを言ってみた。例えば、「あ!雪が降ってる」この表現が表す状態には、実は二つのケースがある。ひとつは、「今、雪が降っている」とい
2022年5月27日 22:11
最近テレビなどで結構いい大人が「女子」という言葉を使っているのを耳にすることが多く、気になる。僕のイメージの中の「女子」は、例えば学校で使われる言葉で、対象としても、その年代の女の子を指すという漠然とした感じ。ただ、例えば『日本国語大辞典』を引いてみると、①おんなのこ。むすめ。にょし。②おんな。婦人。婦女。女性。とあって、確かに「女の子」だけの意味ではないことが分かる。そう思って
2022年4月25日 20:57
※「高校生に語る」ものだとご承知ください。今日、「それ食べれる?」と言っている自分を発見し「おお意外と『ら抜き言葉』を使ってるじゃん」と、ちょっとショックを感じてみたりしました。一時期、「ら抜き言葉」は随分騒がれましたが、今ではもう話題にすらならないといった感があります。もうすっかり市民権を得た?のであって「ら抜き言葉」を使っている自分に驚いているようでは時代遅れなのかもしれません。■
2022年3月20日 23:15
聞きかじった話です。世界一短い手紙は、ヴィクトル・ユーゴーが「レ・ミゼラブル」の売れ行きを出版社に尋ねた「?」に対して、出版社が返事をした「!」というやりとりだと言われています。日本で少し応用してみると、「る?」「る!」「る」は動詞の語尾ですから、あらゆる動詞をあてはめることができます。正面切って言いたくないようなときには、ちょっと気のきいたいい表現かもしれません。例えば
2022年3月11日 22:46
以前に「遠江」は何故「とーとーみ」と読むのか、あるいは「とーとーみ」と発音されるのに「とおとうみ」と表記されるのは何故かという疑問を提示されていた方がいたのを、前回、五十音の話を書きながら思い出し、それについて調べたことを書いてみたい。ただ、音の話を文字で書くのも難しく、根本的には国語学に精しいわけでもないので、どうせ素人の浅知恵で、本当かどうか疑わしいくらいのイメージでお読みいただければと思い
2022年3月8日 22:18
今日はちょっと「音」の話をします。「おっと」(実はダシャレ)いきなり嫌な顔をしましたね。知らなくても問題ない・・?そうですね。でも、無駄も大事なんですよ。■ガ行鼻濁音最初に質問しますが、カ・キ・ク・ケ・コガ・ギ・グ・ゲ・ゴ の音の違いを説明できますか。そう、カ・キ・ク・ケ・コ は清音、ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ を濁音です。では、パ・ピ・プ・ぺ・ポ を何と言うか知っていますか。知らないで
2021年10月3日 23:06
日本語の助詞はたった一字であるのにそれこそ微妙なニュアンスを見事に表すものである。例えば俳句をやる人は17音しかない中で助詞ひとつにも相当に気を使うと言う。先日、嵐の櫻井君と相葉君が結婚というニュースがあって、えっそれって櫻井君と相葉君、二人が結婚したの?と一瞬思った方がいるかもしれない。部活の練習中に雨が降り出したため、最後に風邪をひかないよう、頭を良く拭くようにと言ったところ、髪を拭く
2021年7月18日 19:28
[ 日本語雑話 ]ぎなた読みという言葉遊びがあって、これは文章の区切りを間違えて読んだり、またはわざと変えて読んだりすること。弁慶が、なぎなたをふりまわし・・というのを、弁慶がな、ぎなたを、ふり回し・・と読んだことに由来するらしい。有名なところでは、一休さんの逸話ここではきものをぬぐべし・ここで、履物を脱ぐべし・ここでは、着物を脱ぐべし近松門左衛門が数珠を注文した逸話ふた
2021年7月2日 22:22
森山良子にサトウキビ畑という歌があって、これはなかなかにいい歌だと思う。フォークで育った僕らには懐かしい調べだし、彼女の透き通った歌声や歌唱力の素晴らしさはまがうべくもない。沖縄戦の悲劇が切なく歌われていることもサトウキビ畑の哀切な響きを魅力あるものにしている。同時に、何と言っても、あの「ざわわ」という言葉が繰り返し繰り返し歌われて、それが耳に心地よい。「ざわわ」はサトウキビが風に揺れる音だが
2021年6月11日 22:28
[ 日本語雑話:アクセント ]古典の助動詞には「強意」という用法を持つものがあって、これを生徒に質問すると、わが静岡県でも静岡県東部(例えば三島)の出身の先生に教わった生徒は「キョウイ」(オチバと同じアクセント)と答えるのに、静岡県中部以西の先生に教わった生徒は「キョウイ」(スミレと同じアクセント)と答えます。ご存知の方も多いと思いますが、アクセントは富士川で分かれる・・その典型的な例だな