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2023年1月の記事一覧

BOOK REVIEW 『ヤラセと情熱 川口浩探検隊の「真実」』「反逆のテーマ」をBGM に、ノンフィクションでなくエンタテインメントに邁進したはぐれ者探検隊が明かす「真実」とは?

BOOK REVIEW 『ヤラセと情熱 川口浩探検隊の「真実」』「反逆のテーマ」をBGM に、ノンフィクションでなくエンタテインメントに邁進したはぐれ者探検隊が明かす「真実」とは?

 2022年の映画・映像関連本、最大の収穫は『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』(高鳥都著、立東舎刊)と、ジョン・ウォーターズの著書2冊の出版(『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』国書刊行会、『厄介者のススメ ジョン・ウォーターズの贈る言葉』フィルムアート社、共に柳下毅一郎・訳)だ。ジョン・ウォーターズの2冊はバッド・テイスト映画の王者による小説+ノンフィクションと、芸術学校

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追悼/ 鮎川誠 interview:「オレたちの曲は生きとるから。『クライ・クライ・クライ』も『スイート・インスピレーション』も『レモンティー』も『ユー・メイ・ドリーム』も、毎日ピカピカ新しいのが自慢なんです」

追悼/ 鮎川誠 interview:「オレたちの曲は生きとるから。『クライ・クライ・クライ』も『スイート・インスピレーション』も『レモンティー』も『ユー・メイ・ドリーム』も、毎日ピカピカ新しいのが自慢なんです」

鮎川誠さんのご冥福をお祈りします。

「NO ROCK NO LIFE。俺たちは死ぬまでロックだぜ」。
そう言って、それを貫いた人。
ロックの人。愛の人。

大好きでした。
ミュージシャンとしても。人としても。

追悼の意を込めて、2014年に行なったインタビューの記事をここに掲載します。

これはシーナ&ロケッツが結成35年目を迎えたときのインタビュー。鮎川さんにお話を聞く機会はこの前にもあった

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許された男、三井寿

許された男、三井寿

三井寿は、たくさんの人から許されている男だ。かつて盛大にやらかした出戻りが、周囲にあたたかく許されながら、ふたたびバスケをしている。せめて試合で結果を出そうとするが、うまく行ったり、行かなかったりだ。そして本人はいつもクヨクヨと後悔ばかりし、自分を責めている。『スラムダンク』の原作を読みながら、三井を許して受け入れる湘北バスケ部が好きだし、戻ってきたバスケ部で挽回しようとするがむしゃらさな姿勢がい

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空回りしつつ、イタくない:Anizine

空回りしつつ、イタくない:Anizine

アーティストというのは「自分の作品を誰かが観たいのだ」と勘違いしている、と思っています。

俺は広告育ちなので、テレビ番組が盛り上がったところでカットインしてくるCMは「みんな見たくないんだ」というところから考え始めます。もちろん広告業界の人は「誰々さんのやったあのCMいいよね」なんて楽しそうに言うんですけど、それは狭い業界の話であって、ビデオにCMカットという機能がついていることや、震災の時に「

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石田徹也について

石田徹也について

最近、石田徹也画伯に関する取材を受けています。今年、ちょっとした動きがあるそうなんです。石田くんの番組や本や展覧会がある時、いつも親友だった私が取材を受けます。そこで話すことは80%ぐらい同じ話なんですが、過去に私が話した記事や文章を読んで、そこからさらに突っ込んだ質問も来るようになりました。

私もささやかながら作家活動をしているので、石田くんはこう考えていたんじゃないかと主観で言ってしまうこと

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中年の危機

中年の危機

「中年の危機」の事を「ミッドライフ・クライシス」などと言うみたいですが、そのまんまの翻訳ですね。私も中年の危機を感じたことがありました。もしかしたら、つい最近まで中年の危機を感じてた気もしています。

ミッドライフ・クライシスの特徴を超ざっくり言ってしまうと、中年になったことで戸惑ってしまう事なんでしょう。一番怖い「人生の答え」がハッキリと見えてきてしまう年齢です。

あるいは、これからが本番だと

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白トリュフと本マグロ:写真の部屋

白トリュフと本マグロ:写真の部屋

ここ数日、「写真を撮るとはどういうことか」という話題で人と話す機会が何度かありました。話すこと、言語化することは自分の考えを整理することでもあるので、相手に伝えようとしていることを自分自身が発見するのです。

写真を撮るときに何を考えているかを丁寧に分析してみると、ほとんどの部分が実は写真そのものとは関係がないことに気づきます。抽象的な言い方になりますが、表現というのはそもそも抽象的ですからロジッ

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[映画評] 「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」(2022年ブレット・モーゲン監督)(追記あり)

[映画評] 「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」(2022年ブレット・モーゲン監督)(追記あり)

 話題のドキュメンタリー映画。試写会に行ってきました。結論から言えば大変に面白いし刺激的だった。2時間15分はあっという間だった。ボウイ・ファンならもれなくご覧になったほうがよろしいかと思います。

 「本人のコメントと映像以外は一切出てこない」という事前情報だけで見たが、確かにナレーションも説明字幕も一切なく、本人以外の関係者や他ミュージシャンなどのコメントも出てこない。つまり説明的な要素を一切

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念写以外:写真の部屋

念写以外:写真の部屋

「写真を撮るということ」の全体を整理してみようと思っている。それは自分にしか当てはまらないこともあるだろうし、普遍的な内容もあるかもしれない。写真の面白さは他のアートとは違っている。簡単に言えば、世界をコピーする、つまり多くの部分で自分の外側に依存しなければ存在できないということ。ピアノを弾く、油絵を描く、ダンスをする、という種類の表現は他者によらない表出が出来る。でも写真は念写が出来る人以外は、

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近畿大学の新聞広告から考える。影響力のある大学が、わざわざ正月に広告を出してまで伝えるべきこととは何なのか。

近畿大学の新聞広告から考える。影響力のある大学が、わざわざ正月に広告を出してまで伝えるべきこととは何なのか。

明けましておめでとうございます。正月の新聞に、どの大学のどんな新聞広告が載っているかは、大学業界で働く人の密かな関心事ではないでしょうか。新聞の発行部数が大きく減ってきており、ひと昔前ほど大学の広告が目につかなくなってきていますが、それでも大学の“今”を知る貴重な情報源です。そして、そんな大学の新聞広告のなかで、毎年、目につく大学というと、そう、近畿大学です。今年のものも印象的だったので、新年一発

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6キロ痩せて240ページ:Anizine

6キロ痩せて240ページ:Anizine

定期購読メンバーの皆様、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年初に自分に向けて書く目標の念書を達成できたおぼえがありませんでしょ。これは「ペース配分」を考慮していないからです。今年はあれをやりたい、これもやりたいと願うばかりで。どうすればできるだけ目標に近づけるかを考えていきたいと思います。まずは「一年を12に分ける」という斬新な方法を考えました。これはカレン

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