伊藤聡

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伊藤聡

会社員兼ライター。書評、映画評を中心に、いろいろ書いております。| Twitter : https://twitter.com/campintheair | メール so.ito.so@gmail.com

マガジン

  • 映画の記録

    見た映画に関する記録です

  • 雑記

    特にこれといったテーマもなく書いた雑文です

  • スキンケア本『電父』(平凡社)のすべて

    2023年2月24日発売の書籍『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)について知ってもらうための記事です

  • 読書の記録

    読んだ本の感想をまとめたものです

  • 音楽の記録

    好きな音楽について書いたものです

最近の記事

『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』と、真実を伝える方法

陰謀論はなぜか陳腐化しない「アポロ11号の月面着陸映像はフェイクではないか?」というのは、69年のプロジェクト成功以降、何十年にも渡って飽きもせずに擦られ続けてきた陰謀論の定番ネタです。やれ月面で星条旗がはためているのはおかしいだの、キューブリックに撮影を依頼しただのと、想像力の豊かな方々があれこれと珍妙な説を打ち立てているわけですが、本作はこうした陰謀論を映画のモチーフとして反映させています。同時に、ポスト・トゥルースや陰謀論が社会的な問題となった現代を暗喩しているとも感じ

    • 『チャレンジャーズ』『フェラーリ』

      『チャレンジャーズ』とても見応えのある、おもしろい映画であると同時に、私にはこの作品のよさを堪能できるだけの感受性が足りないとみずからの欠如を感じた作品でもありました。若き女子テニスプレイヤーのタシ・ダンカン(ゼンデイヤ)は、男子プレイヤーのジョシュ・オコナー(パトリック・ズワイグ)とマイク・フェイスト(アート・ドナルソン)のふたりと出会い、10年以上に渡る愛の三角関係を築いていくのだが……というあらすじ。テーマは人間関係。題材が必ずしもテニスである必要性はなく、百人一首でも

      • マンボックスとはなにか

        中学の授業で学ぶ「マンボックス」米ワシントン・ポストで調査報道記者をしているエマ・ブラウンの著書『男子という闇』(明石書店)を読んでいて、「マンボックス」という言葉を知った。それはアメリカの中学校の授業で話し合われた内容で、少年や男性がどう振る舞うべきか、なにを目標とすべきかに関するステレオタイプを「マンボックス」と呼んで、その中身について考えてみようという授業だったそうだ。男性が男性らしいと評価されるために必要なあれこれが、マンボックスには入っているのだ。かくして、中学校の

        • 日傘と日焼け止めで、この夏をサバイバル 〜2024最新版〜

          紫外線対策してください私こと伊藤が、毎年のようにお願いしている日傘と日焼け止めによる紫外線対策。連載させてもらっている美容雑誌「美的」でも記事を書きました。今年は夏の到着がかなり早めになりそうです。あまり雨も降らないまま(梅雨は来なかったのでしょうか)、恐怖の日差しがやってくる夏へと突入しそうな勢いです。気候変動RTAは、梅雨スキップまで可能にしたのかもしれません。こうなれば紫外線対策しかない。そんな気持ちでこの記事を書いています。 【私の書いた紫外線対策の記事】 性別を

        『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』と、真実を伝える方法

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        記事

          他はすごくいいのに、ひとつだけ惜しい

          近所の定食屋さん。アジフライ定食が絶品でよく通っていた。店の内装や雰囲気もよい。ところが、厨房で調理を担当する男性がやけに気が短いのである。アルバイト店員の手際が悪いと、声を荒げて怒る。怖っ。調理担当に厳しく叱られ、半泣きで料理を運ぶ女性。こんな戦場みたいな店で食事できない、と不安がつのる私。だんだん行くのが苦痛になり、足が遠のいてしまった。アジフライそのものは最高なので、実にもったいないが、たくさんの客の前で叱責されるアルバイトを見るのが不憫で、耐えられなかったのである。店

          他はすごくいいのに、ひとつだけ惜しい

          歩くのが遅くなった

          前からうすうす気づいてはいたが、私は歩くのが遅くなった。朝の通勤時、家から駅までの道すがら、たくさんの若者に抜かされていく自分を発見し、ついに現実を直視するときがきた、と思った。若者の歩行テンポが速い。なんでこんなに速いのか。駅前で同人誌の即売会でもやっているのかと思ったが、そうではないらしい。ついに私は、ゆっくり歩きおじさんになったのだ。くっ、現実。身体の衰えに直面した際、たとえば老眼のときもそうだったのだが、「いまはたまたま見えていないだけだ」などと、見苦しい言い訳で否認

          歩くのが遅くなった

          恋愛の苦手なところ

          恋愛は構造に欠陥がある私はずっと恋愛が苦手で、まったく克服できないまま歳を取ってしまった。昔からうっすらと感じていた恋愛への違和は、本日に至るまで拭えないままである。こう、いろいろとしっくりこない。個人的な意見だが、恋愛という風習には仕組み的に上手く成り立っていない部分があるし、構造に欠陥があるのではないか。何というか、松屋の券売機くらいシステムが間違っているとしか思えないのだ。かくいう私はもう、これから恋愛をする必要はないし、年齢的にもムリなので、恋愛を卒業(単位未修得なの

          恋愛の苦手なところ

          親切は恥ずかしいことではない

          私は、一部の男性に特有の「異性に対して親切にしたにもかかわらず、代償(恋愛関係や性行為)がともなわないと、損をした気になったり、相手からばかにされたような負の感情を抱く」という傾向が苦手だ。あれはいったい何なのだろうか。親切や思いやりに、損得を持ち込む発想は貧しいのではないか。ダサっ。みっともないので、できれば都の条例とかで禁止にしてほしいと思っている。「都合のいい男」「優しいだけの人」と思われることをなにより嫌い、どうにかして相手の女性からリターン(恋愛関係や性行為)を引き

          親切は恥ずかしいことではない

          『関心領域』と、想像の難しいものごとについて、それでも想像すること

          絶滅収容所のとなりで幸福に暮らす家族アウシュビッツにあった絶滅収容所の所長一家が、施設のすぐとなりに建てられた、美しい庭を備えた瀟酒な家に居住し、穏やかに暮らしていたという実話をもとに作られた作品が『関心領域』である(英作家マーティン・エイミスによる原作小説あり)。家族でレジャーを楽しみ、子どもを教育し、ひとつのテーブルで食事を摂り、誕生日のプレゼントを贈りあうルドルフ一家。地獄絵図のとなりで営まれる、平凡だが幸福な暮らし。劇中では収容所内の様子を一切描写せず、家族の暮らしや

          『関心領域』と、想像の難しいものごとについて、それでも想像すること

          『虎に翼』 花岡と轟、そして「ロッカールーム・トーク」について

          ふたりの男性像の対比今回、『虎に翼』に登場するふたりの男性、花岡(岩田剛典)と轟(戸塚純貴)について考えてみたい。女性については語れない私も、男性についてであれば多少はなにかが言えそうな気がするためだ。彼らは、主人公の寅子(伊藤沙莉)が通う明律大学の同級生だが、このふたりの登場人物を通じて語られるテーマは「男性性」である。フェミニズムのドラマであれば避けて通れない題材であり、『虎に翼』の男性性に対する解像度は非常に高い。見ながら、自分にもこうした言動を見聞きした経験が確実にあ

          『虎に翼』 花岡と轟、そして「ロッカールーム・トーク」について

          『ゴジラxコング 新たなる帝国』と、「カワイイ」の記録更新

          コングがかわいいの2014年の『GODZILLA ゴジラ』から始まる、映画制作会社レジェンダリー・エンターテインメントのシリーズ最新作が『ゴジラxコング 新たなる帝国』です。あの「渡辺謙ゴジラ」から10年経ったと思うと、あっという間という気がしますね。モンスター・ヴァースとしてこれまでに5作が製作されていますが、過去作を見直す必要性はまったくないと思います。事前に予習をして臨むタイプの作品ではないです。なにも知らない状態で映画館へ出かけて、コングのかわいらしさを楽しむだけでよ

          『ゴジラxコング 新たなる帝国』と、「カワイイ」の記録更新

          Oー1グランプリ(1)

          Oー1グランプリは十歳にならなければエントリーできない規則で、僕のOー1初出場は小学四年生のときだった。Oー1に勝ってみんなをびっくりさせるのだと、僕は幼稚園の頃から決めていた。「絶対にOー1を獲る」と、家族や同級生にも宣言していたが、初めての予選はずいぶんあっけなかった。出場者の控え室で待っていると、突然部屋のなかで爆竹が激しく鳴った。あとで知ったのだが、この時点ですでに一回戦の選抜は開始されていたのだった。大きな音が苦手な僕は、思わず耳を押さえてしまい、その瞬間に敗退が決

          Oー1グランプリ(1)

          私も『虎に翼』について語りたいのだけれど

          NHKの連続テレビ小説『虎に翼』がすばらしい、という話をしたいのだが、いざ文章を書く段になると、どうしても気がとがめてしまう。評判のよさは聞いており、放送開始からやや遅れて見始め、いまはその展開に夢中になっているところだ。とはいえ『虎に翼』に関しては、自分のような者が論じていいのだろうか、と逡巡してしまう部分がある。好きな作品について黙っていられないのは、Born to be 文化系な私の性分なのだが、なぜ『虎に翼』が見る者の心を動かすのかを力説すればするほど、作品の本質から

          私も『虎に翼』について語りたいのだけれど

          住む人の心のなかを具現化した場所としての部屋

          ようやく部屋の掃除ができた。ずっと部屋が散らかっていて、こんなに汚い部屋に住むのは嫌だと思いつつ、なかなか掃除に踏み切れない状態がしばらく続いていたのだ。手をつけるまでにかなり時間がかかってしまった気がする。というのも「まずは掃除の前に○○をしなくては」という焦りがあり、どうしても掃除が後回しになってしまう。こんな状態の部屋に住みたくないと思いつつ、なかなか始められない。この週末に一念発起し、部屋をまともな人間が住む状態にしてみて痛感した。きれいな部屋は本当に気分がいい。掃除

          住む人の心のなかを具現化した場所としての部屋

          『落下の解剖学』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

          『落下の解剖学』物語の中心となるのは、人里離れた山奥で暮らす夫婦とその小さな息子。ある日、夫が高所から転落して死亡するのですが、その死には不審な部分があり、妻が犯人として疑われるというあらすじの裁判映画です。内容が本当に重苦しく、人間関係の複雑さが静かなタッチで描写されていきます。そのヘヴィーな展開に思わず、映画を見ながら「なぜ私は、お金を払ってこんな苦しさや不安を感じなくてはならないのか」と悶絶してしまいました。私は歳を取るごとに、人が言い争う場面を見るのが本当にしんどくな

          『落下の解剖学』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

          最強保湿クリーム「IHADA 薬用ナイトパック」について

          「IHADA 薬用ナイトパック」とは今日も私の肌は好調である。なぜなら「IHADA 薬用ナイトパック」を使っているから〜〜! 2023年の各美容雑誌ベスコス(今年よかった美容製品を挙げてランキング形式で発表する企画)でも多くの得票があったこの製品、私もハマっており、昨晩3つめを開封したところ。発売当初は人気すぎて入手が難しかったが(どのドラッグストアにも置いていない)、ここ最近ようやく買えるようになってきたので、「もうすぐなくなる……」という補充の心配がなくなった。店頭に製品

          最強保湿クリーム「IHADA 薬用ナイトパック」について