「男らしさ」の定義
この記事は単独で読むものではなく、私がこれから書いていく記事内で「男らしさ」について説明が必要になった際に参照する目的で作りました。「男らしさ」「家父長制」「ホモソーシャル」「ミソジニー」などの単語については、正確な定義を欠いたまま議論を進めてしまうと伝わりにくいので、意味を具体的にしておくために、こうしたページを用意しています。また、私は「有害な男性性」（男性性と男らしさは同じ意味と考えてください）について論じる目的があるので、ここで説明される「男らしさ」は、周囲（女性）に加害的であったり、男性自身を苦しめるような種類のマイナスな男性性（Toxic Masculinity）を指しています。より適切な説明が見つかれば、内容を更新していきます。
「（有害な）男らしさ」とは
支配的な立場であろうとする
主導権を握ろうとする
性行為に積極的である
競争を好み、勝ち負けにこだわる
対人関係において攻撃的（抑圧的、脅迫的）である
権力、富を得ることを第一の目的とする
感情を抑制する（喜怒哀楽のうち、怒り以外を表出しない）
同性愛を嫌悪する
トランスジェンダー、中性的な人に対して敵意を向ける
女性を蔑視する
女性蔑視を、男性同士の絆を強めるための手段として使用する
男性に対して従順でない女性を罰しようとする
女性の身体を性的消費物（性的玩具）として扱う
女性の容姿や能力、価値をジャッジする立場にあると思い込む
主に女性が愛好する文化、習慣、コミュニケーションの作法などを、男性の愛好する文化と比較して程度の低いものだと考える
社会において特権的な立場を与えられているが、その事実に気づいていない（あるいは特権の存在を否定する）
ケア労働を女性に負担させようとする
周囲（特に女性）に過度な要求をする資格があると思い込み、女性が男性に何かを与えることを当然だと考える
みずからの身体（健康維持、コンディションの確認）に関心がない
人間関係の構築や友情の維持に興味を持たず、そのための自発的努力をしない。結果的に友人がおらず、孤立している
みずからの加害性（他者を抑圧しているかも知れない可能性）に無自覚、無頓着である
上記で述べられた「男らしさ」から逸脱する男性を許さない