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二話 妖怪 朝いそがし(あさいそがし)

寝坊をした朝は、駅に着くまでいろんな障害が待ち受けている

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朝の忙しい通勤・通学時間の1分は、遅刻を左右するほど貴重だ。寝坊した日は特に痛感する。しかも、忙しい時に限って理不尽にも邪魔が入るのだ。

自転車に乗って駅まで行こうとするとパンクする。踏切を渡ろうとすると遮断機が降りる。横断歩道を渡ろうとすると、渋滞にはまった車にせき止められる。ほんと、駅に着くまでいろんな障害が待ち受けているものだ。運良く発車時刻に間に合ったとしても、電車が遅延することもある。もう、朝からぐったりして、1日の体力を使い果たしてしまうのだ。

しかし、そんな目にあいながら性懲りもなく毎日寝坊する人がいる。そう言う人は、もしかしたら妖怪朝いそがし」に取りつかれているかもしれない。慢性化すると忙しいことが当たり前になり、もう少し早く起きれば慌てなくて済むのに、ギリギリにならないと布団から出られなくなる。しまいには感覚が麻痺して、1日中せわしなく動き回り、何をするにもギリギリにならないと行動できなくなるそうだ。

どんな妖怪だった?

いそがし
人間がこの妖怪に取りつかれると、やたら落ち着きがなくなるとされる。いつも時間がなくて多忙である。しかし不快な気分ではなく、忙しく動き回ることでなぜか安心する。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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