二十二話 妖怪 携帯震々（けいたいぶるぶる）
携帯がブルブル鳴ったと思ったら着信してなかった
スマートフォンを持ち歩いていると、通話やメールの着信に加え、SNSのプッシュ通知が頻繁に届く。所かまわず着信音が鳴ると周りに迷惑がかかるので、多くの人がバイブレーション機能を使っているだろう。まめにチェックして早めに返信しようと心がけている人も多いが、ブルブル振動してると思ってポケットから取り出してみると、電話もメールもきてなくて「あれ？」と思ったことはないだろうか。そういう勘違いが続くようだったら、妖怪「携帯震々」を疑った方がいい。
これは「早く返事を返さないといけない」と言う強迫観念から妖怪「携帯震々」を呼びよせ、振動してないのに錯覚を起こしてしまう現象だ。強いストレスは妖怪の格好のエサになる。主にLINEやSNSのやり取りに疲れている人、相手からの返事や「いいね」がつかないと気になってしまう人に取りつく。
そう言う人は、たまにスマートフォンから離れて精神を落ち着かせることをおすすめする。
どんな妖怪だった？
震々（ぶるぶる）
恐怖を感じた人間の首筋がぞっとするのは、この震々が人間のえり元に取りつくためであり、臆病神、ぞぞ神とも言われる。ぞぞ神とは、恐怖のために全身の毛を立たせる神とされる。
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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。
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