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十七話 妖怪 煙々羅(えんえんら)

煙がこないよう風上に逃げても寄ってくる

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一口に「煙」と言ってもいろんな「煙」がある。仏壇にお供えするお線香や蚊を退治してくれる蚊取り線香の「煙」。心身をリラックスさせるためのお香は、「煙」の揺らぎを見ているだけで、精神が落ち着き浄化される気持ちになるものだ。

反対に嫌いな「煙」もある。たばこの「煙」は吸わない人にとって嫌なものだ。近くで吸っている人がいるとできるだけ遠くに逃げたくなるが、あからさまに避けると相手に悪いので、気がつかないよう自然に移動したりする。バーベキューやキャンプファイヤーなどの薪の「煙」もそうだ。息苦しくて目にしみるので風上に逃げるのだが、何故か自分に寄ってくることがある。

もし、その「煙」の揺らめきが人の顔に見えるようだったら、紛れもなく妖怪煙々羅」である。「煙」に宿った精霊で、気に入られると、その人のそばに寄ってくると言われている。

どんな妖怪だった?

煙々羅(えんえんら)
煙の妖怪、または煙に宿った精霊。さまざまな姿になりながら大気中をさまよい、かまどや風呂場から立ち上った煙の中に人のような顔の形で浮かび上がる。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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