見出し画像

二十四話 妖怪 電脳つくも神(でんのうつくもがみ)

修理に出すといつの間にか直っている

画像1

車を定期点検に出して、整備士に「どこか不具合はありませんか?」と聞かれて、ちょっと気になる箇所があったので見てもらったら、正常に動作して、肝心な時に症状が出ないことがある。

また、プロジェクターを使ってプレゼン発表していたら、前日まで何の問題もなかったのに本番になるとうまく動かなくなることがある。こんな時、わざと困らせているんじゃないかと思ってしまう。長い年月を重ねると物にも「神」や「精霊」が宿ると言われているが、機械にも妖怪電脳つくも神」という妖怪が宿る。妖怪電脳つくも神」は人を選ぶ。自分を大事にしてくれる人間には協力的だが、粗雑に扱われると悪さをする。

あなたの周りに「ゴッドハンド」と呼ばれる人はいないだろうか。マシンが故障してお手上げ状態になっても、その人が見るとたちまち直ってしまう神のような存在だ。ゴットハンドを見ていると、時々、人がいない所でマシンに話しかけている。もしかしたら、妖怪電脳つくも神」と会話しているのかもしれない。

どんな妖怪だった?

付喪神(つくもがみ)
道具は、100年経つと精霊を得て、人の心をかどわかす妖怪に変化する。「つくも」とは、「百年に一年たらぬ」ことから「九十九」(つくも)のことであるとされている。

二十三話 < 二十四話 > 二十五話


一話 │ 二話 │ 三話 │ 四話 │ 五話 │ 六話 │ 七話 │ 八話 │ 九話 │ 十話 │ 十一話 │ 十二話 │ 十三話 │ 十四話 │ 十五話 │ 十六話 │ 十七話 │ 十八話 │ 十九話 │ 二十話 │ 二十一話 │ 二十二話 │ 二十三話 │ 二十四話 │ 二十五話 │ 二十六話


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


この記事が参加している募集

私の作品紹介

気に入っていただければ、サポートよろしくお願いいたします!o(^-^)o