十二話 妖怪 汚し嘗（よごしなめ）
料理で手が汚れているときに電話はかかってくる
スマートフォンでレシピを見ながら料理していると、つい手を洗わずに画面をスクロールしてしまう。そんな時に電話がかかってくると、あせって手が汚れたまま出てしまう。
一説によると、スマートフォンはトイレの便座より汚ないと言われている。確かにトイレに持ち込む人もいるし、飲食店で食べながらSNSにアップしている人もいる。どんな時も肌身離さず持ち歩いているスマートフォンは雑菌だらけなのかもしれない。
そんな溜まった汚れをエサにしているのが妖怪「汚し嘗」だ。昔は、風呂場が汚れている家に住みつき、たまった垢をなめていたそうだが、今はきれいな家が増えたため、スマートフォンやテレビのリモコンなどよくさわる機器の汚れをなめているそうだ。気持ちの良いものではないので、なめられたくなければマメに拭いて、きれいにしておくことだ。
どんな妖怪だった？
垢嘗（あかなめ）
人が寝静まった夜に汚れた風呂場にたまった垢を長い舌でなめ食うとされる。普段から風呂場や風呂桶をきれいに洗うよう心がける教訓が含まれている妖怪である。
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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。
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