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【徹底解説】ディープフェイクってどんな技術?「嘘」が創り出す「夢」の世界。


「ディープフェイク」という技術を知っていますか?

最近では、自分の顔を有名人の顔にはめることで、まるで自分が映画に出ているような動画を作ることができる「Reface」が話題になりました。

一方、ディープフェイクと関連する言葉といえば「悪用」です。
ニュースではこの技術はネガティブにとらえられることが多いです。

そこで今回は

・ディープフェイクとはどんな技術なのか?
・ディープフェイクの活用事例
・「ポジティブ」なディープフェイクの未来

について解説していきたいと思います!

(ニュース本文はこちら👇)


ディープフェイクとは?


ディープフェイクとは
本来の意味は「機械学習アルゴリズムのディープラーニングを利用して、2つの写真や動画の一部をスワップ(交換)させる技術」。しかし現在、定義が広がっており、単に「フェイク動画」「偽動画」のことを指すことが多い。

このように画像を交換する技術は今までもありました。しかし、2012年以前は高い機材を使って顔の凹凸を解析して時間をかけて行っていました。ところが近年のAIに使われるディープラーニングの発展によって、簡単に顔の解析を行えるようになり、今ではスマホで誰でも扱えるほど簡単な技術になりました。

(AI・ディープラーニングについてはこちら👇も合わせて読んでみてください!)


ディープフェイクの仕組み

では、どのようにこの顔の解析が行われているのか簡単に見ていきます!

ディープフェイクの裏にある技術は「敵対的生成ネットワーク」(Generative Adversarial Networks。以下、GAN)です。

「敵対的」とあるように、GANには「ジェネレーター(generator)」と「ディスクリミネイター(discriminator)」という2つのネットワークが登場します。

ジェネレーターは本物と同じような内容を作り出そうとする一方、ディスクリミネイターはレプリカか本物なのかどうかを識別する役割を担っています。そして、両者がいたちごっこのように精度を競い合うことによって、最後にはジェネレーターが本物そっくりのレプリカを作りあげることができます。

これは偽札をつくる詐欺師とそれを取り締まる警察に例えるとわかりやすいです!

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ディープフェイクの活用事例


ディープフェイクが使われているのは人の顔や声だけではありません。

文字をディープフェイク

FacebookのAI研究チームは2021年6月に、写真に写るテキストから、そのフォントや手書きの癖をコピーできるAI「TextStyleBrush」を発表しました。

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これは画像中のテキストを自然に別のテキストに置き換えられる機能を持っており、少ないサンプルの画像のみで違う文字を書くことができることから有用なツールとなるでしょう。


地図をディープフェイク

ワシントン大学助教授の趙博(ジャオ・ボウ)は21年4月に衛星写真にディープフェイクを応用した論文を発表しました。

ジャオの研究チームがつくった画像では、シアトルと北京のそれぞれ特徴的な部分が入れ替わっています。シアトルの何もない場所にビル群が出現し、北京の街並みからは建物の代わりに緑地がはめ込まれています。

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このように衛星では見れないマップを本物のように表現することにも使われています。一方、知られたくない機密事項を違和感なく隠蔽するというような国防の利用もあるでしょう。


「ポジティブ」なディープフェイクの未来


やはり、ディープフェイクの悪用による面が強調されがちですが、この技術をポジティブに使うことも十分可能だと思っています。

例えば、寝ている間に見る「夢」は、現実そっくりの空想の世界です。そして、現実には起きないから「夢」と言われていました。

しかし、人の顔や声をデジタル空間で模倣でき、さらに文字や地図までまるでそのような現実があるかのように偽物を作り上げるディープフェイクの手にかかれば、起きているときにあの「夢」を体験できるのではないでしょうか。

このような、嘘だけど限りなく現実に近い世界は、私たちの価値観に新しい刺激を与えてくれる存在になると思います!

おわりに

最後まで見ていただきありがとうございました!

気になったことや、解説してほしいニュースをコメントにいただけると励みになります!(こちらからスキやコメントができなくなっています🙇)

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