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日々・はなうた食堂調理室

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はなうた食堂調理室主宰・shokosunによる、はなうた食堂調理室の記録、メモ、そしてメッセージ
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#料理

羅漢齋/羅漢菜 〜料理を作りながら感じたこと、考えたこと。

羅漢齋/羅漢菜 〜料理を作りながら感じたこと、考えたこと。

何やら難しい名前のレシピを見つけたので読んでみる。
羅漢というのは、仏教用語で、最高レベルの悟りを開いた人のこと、その名称を戴いたこの料理は、英語表記だとbudda’s delight となっていて、仏様、あるいは仏教徒の喜び、お気に入り、といったところでしょうか。
私なりに解釈すると、ベジタリアン仕様の豪華な八宝菜といったところ。
中華圏では、お正月料理として登場したりするらしい。
そう言われて

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10月のお食事会

10月のお食事会

(書き溜めた文章を、時間差でアップしてるので、一ヶ月も前のネタになってしまいました)

月1回開催している、予約制食事会の日。
料理教室をメインにやっていこうと決めたものの、やはり人にご飯を作って食べてもらう、しかもライブで目の前で楽しんでいただくという場は、私にはとても大切。なので、このお食事会は私自身とても楽しみにしている。

ギリギリまで迷って、メインは水餃子にすることにしたけど、やはり何か

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2019.10.7のお弁当

2019.10.7のお弁当

今日はコロッケ。
メンチカツ派なので、個人的にコロッケを作ることはないのですが、なんとなくイメージがわきました。(今回に限らず、だいたいはなんとなく気が向いて作り始めるのですが)

お芋のベースに、ギュッと詰まったお肉の旨味とかすかな歯ごたえ、ソースと玉ねぎの甘み。
何かを作るときには、その料理の良いところを、頭いっぱいに、はみ出るくらいパンパンにイメージします。たとえメンチカツ派でも、コロッケを

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薬膳講座のランチ

薬膳講座のランチ

この秋から、調理室スペースで開講している薬膳講座。
講義をするのは私ではありませんが、講座のあとのランチを担当しています。

講師の先生である、漢方養生研究家・堀山徳子さんからのリクエストは、「旬の食材を使うこと」のみ。
それはそれで案外難しかったりするのですが、今回は、前日に行った八百屋さんで手に入れた、珍しいかぼちゃや四角豆、それから、今がまさに旬のマコモダケを使うことにしました。

講義して

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たべる つくる/はなうた食堂調理室のこと

たべる つくる/はなうた食堂調理室のこと

2019年春、大阪・池田で「はなうた食堂調理室」というスペースをオープンしました。
これまでも、「はなうた食堂」という名前で、食の活動をしてきましたが、食べるだけではなく作るプロセスも共有したいという想いがあり、拠点としての「調理室」をつくりました。
キャッチコピーとして、「たべる つくる」というフレーズがついているのは、そういうメッセージです。

基本的には料理教室として、これまでやってきた台湾

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2019.10.3のお弁当

2019.10.3のお弁当

近くの魚屋さんを覗いたら、美味しそうなのが並んでいたので、メインは秋刀魚の生姜煮にしました。

まだ少し高くて迷ったのですが、煮付けてみたら素晴らしい味。油もしっかり乗っていて、濃いめの味付けにも負けません。
お弁当のおかずは、そのサイズ感にいつも迷う。見た目の美しさとボリューム、もちろん全体の予算もクリアしないといけない。高めの秋刀魚は、なので一瞬躊躇したのだけど、一口でも存在感が発揮できるもの

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料理の身体感覚〜饅頭マントウづくり篇

料理の身体感覚〜饅頭マントウづくり篇

無自覚の上達興味が尽きなくて、ずっと饅頭(マントウ)類を作り続けています。日本語だと中華まんという言い方が一般的な、中華蒸しパン。
西洋のパンとは親戚のようなもので、酵母と小麦粉と水をよく捏ねて、発酵させて、火を通して作ります。

作り始めてもう数年になりますが、最近、とあることに気づいて、戸惑っています。理由がわからないのに、失敗が減ったのです。
(下の写真は、2年半ほど前のもの。見事な失敗!笑

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でたらめで、完璧な食事を、自分のために。

でたらめで、完璧な食事を、自分のために。

久しぶりに、酷めの風邪を引きました。
いつもなら、喉、鼻、熱と来て、病院に行かなくても、2,3日で治っていくのに、今回はいきなり咳が出て、しかも熱は出ず、3日目あたりで治るかと思ったら再度悪化し……と、結局一週間近く、家に閉じこもることになってしまいました。

幸い、食欲は落ちなかったものの、消化にエネルギーを使うようなものは食べる気分になれず、きっちり献立を整えるような気力もなく、冷蔵庫を開ける

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電鍋教室vol.2を開催しました。

電鍋教室vol.2を開催しました。

7月に開催した第一回に引き続き、第二回電鍋教室を開催しました。

最近では、テレビで紹介されることもあるらしい(テレビをほとんど見ないので、聞いた話のみですが)電鍋。
今回も、ほぼ電鍋のみで完成する、日常のおかずとおやつ、全7品のご紹介です。

まずは、シンプルな蒸し物。
電鍋の加熱コントロールに必要なのは、外鍋に注ぐ水の量のみ。付属のカップ1杯で、どの程度の加熱ができるのかを把握することが、電鍋

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料理レシピ本大賞の選考を経験して思ったこと

料理レシピ本大賞の選考を経験して思ったこと

縁あって、第5回料理レシピ本大賞の選考に携わらせていただきました。
レシピ本はこれまでさんざん手にとってきてるけれど、(当然ながら)普段は自分が求めるものしか見ていないわけで、
自分というフィルターを通さないエントリー作品を一気に見ていく、今回の経験は、なかなかに新鮮で勉強になりました。

レシピ本と一言で言っても、方向性もスタイルも、本当に様々。
読むほうとて、「美味しい料理を自分で作りたい」と

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五感で作る料理(自分を信じる)

五感で作る料理(自分を信じる)

「自然がくれた愛情ごはん」(アノニマ・スタジオ)
もう随分前になりますが、かるべけいこさんのこのレシピ本を初めて見た時は、驚くと同時に、思わずにやりと微笑んでしまいました。
何しろ、レシピに必須のはずの、材料の分量が一切書かれていないのです。
例えばこんな感じ。

キャベツ 甘夏 塩 酢 醤油 オリーブオイル

自分の感覚で作れるようになりたい。これまで、料理のマスターには、まず「型」を覚えること

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料理の味は味見で決めるのか問題

料理の味は味見で決めるのか問題

料理に味見は欠かせない、と言われます。プロだって毎回、お客様に提供する前に味見をする。私も、料理を仕事にするようになってからは、以前より慎重に味見をするようになりました。
が、実際のところ、少し違和感があります。というのも、料理の、舌での確認はどちらかというと最終チェック。料理中には、それ以外の感覚;目で見た感じ、耳からの音、手の感触…のほうが優位に立っている感じがするのです。

料理の仕事を始め

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基本パターンを掴むためのレシピ本

基本パターンを掴むためのレシピ本

前回は、料理が上達するためのレシピ本の選び方について、大まかな考え方を書きました。料理の基本パターン(公式)を掴めるような内容のものがいいですよ、とお伝えしましたが、では、具体的にはどんなものがあるでしょうか。

私自身が料理を始めた時、役に立ったのは、有元葉子さんの「有元葉子の料理の基本」という本でした。2000年の出版です。素材の扱い方、茹で方、煮方、揚げ方…といった項目で、それぞれのパターン

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料理が上達するためのレシピ本って?

料理が上達するためのレシピ本って?

こんにちは。shokosun/伊藤尚子です。
今回は、独学で料理を学んできた私から見た、レシピ本の選び方について書こうと思います。
といっても、今回は特定の本を紹介するということではなく、「料理の基本をマスターしたい」「上達したい」と思ったときの、レシピ本の選び方のお話です。

一昔前なら、生活に必須のスキルとして、親から子へと受け継がれていたであろう家庭料理。しかし近年、その伝達は、あまり重視さ

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