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#600字小説『文芸親子』/文芸部【#シロクマ文芸部】

◆小牧幸助(シロクマ文芸部・部長)さんの
「文芸部」から始まる小説・詩歌を書く企画に参加します。

※詳細は本文後に記載
※約40分、〆切遅刻しました……。失礼します!

#600字小説 2分程度で読了可能超短編小説ですので、
ぜひご一読ください。

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『文芸親子』


「文芸部だったんだぞ、これでも。見せてみろ」
 父が、久しぶりに声をかけてきた。
「若い頃は小説家志望の文学青年だったのよ」
 どこかうっとりとした表情で、母が言葉をつなげる。

 夏期講習の小論文講座の受講費を払ってもらっている分、断りづらい。
小説と論文は違う。ましてや受験対策用の小論文だし、「ほっといてほしい」と内心辟易している。
どうせ薀蓄を垂れられたり、見当違いなアドバイスをされて、余計にストレスがたまるだけだ。
ただでさえ、「高校三年生」ではなく、「受験生」の夏休み。
常に心に大きな負荷がかかっている。
進学を決めたのは自分自身だから、来年こそ夏を満喫すればいい。
キラキラな青春は、スマホの中にしか存在しないものと割り切っている。

「おぉ、なかなかいい文章書くじゃないか」
 え……予想外にいい反応。
母は自分が褒められたように、にんまりと頷いている。

 文芸学科に進みたいと考えたのは、文章を書くのが好きだったから。
口下手な私は、文字を綴る方が自分の気持ちを伝えやすかった。
文章なら、どこまでも自由に羽ばたける気がした。 

 その芽を育んでくれたのは……、父だった。
小学生の時、父が夏休みの宿題の読書感想文の作成につきあってくれて、原稿用紙三枚分を書き上げると、ものすごく褒めてくれた。
それが、私の原点。

 もっと就職に有利な学部を勧められると思ったのに、全く反対されなかった。
似たもの親子だからなんだね。……わかっていたけど。


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#シロクマ文芸部 /8/10発表・8/13〆切のお題
「平和とは」から始まる
超短編小説(600字小説)でした。

文字数:600字(空白・改行を除く文字数)

◆小牧幸助(シロクマ文芸部・部長)さんの企画に
 参加させていただきました!
 詳細は、下の記事をご覧ください。↓


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