白石はつ

愛知県、名古屋近郊で創作活動をしています。 ここでは創作の小説、ショートストーリー、…

白石はつ

愛知県、名古屋近郊で創作活動をしています。 ここでは創作の小説、ショートストーリー、読書メモなどを置いていきます。

記事一覧

お節介なAI【ショートストーリー】

「ねえ、バーチャルアシスタントさん」 「その呼び方はやめてもらえませんか。ちょっと悲しくなります。私はあなた専用のバーチャルアシスタント、エレセアです。名前で呼…

白石はつ
1か月前
9

邪気は自分の内側にあるもの?

最近、邪気祓いについて興味が向いている。 実際『邪気祓い』のパワーストーンなんかも買ったりした。 と言うと、ちょっと怪しい思想に傾倒しているのかと思われるかもし…

白石はつ
1か月前
7

膝の上の猫【ショートストーリー】

12月の、とても寒い日。 学校が終わると、駅へと向かう。 紺色のブレザーに身を包み、特に焦る様子もなく、のんびりと歩く。僕は、健全な帰宅部の高校生だ。 駅に着く…

白石はつ
1か月前
53

来世の手続きはこちらです【ショートストーリー】

「あの端末で来世を決めるんですか?」 「ええ、そうです。ほらほら、今ちょうどあの方が手続きされていますよ」 僕が質問をすると、少年はすぐに答えてくれた。少年と僕…

白石はつ
1か月前
19

何が違うの【ショートストーリー】

私達は、しっとりとした所が好き。 ちょうど今のようなあたたかい季節なら、なおさら過ごしやすい。 この場所は、暗くて狭い。食べ物がたくさん詰まった巨大な箱の下。こ…

白石はつ
1か月前
14

無神経な夫に黒魔術を【ショートストーリー】

「おい、しょうゆ」 「……」 「おい、おい! しょうゆ!」 都内の住宅街。築40年ほどの一軒家。 60代前半の夫婦が、夕食の時間を共に過ごす。 サブロウは、妻のサ…

白石はつ
1か月前
9

はじめまして。『白石はつ』です。

はじめまして。 『白石はつ』です。 主な活動域は愛知県、名古屋近郊。 安城、刈谷、碧南、西尾、豊田、岐阜駅あたりにも出没します。 小さな頃から本が好きで、妄想が好…

白石はつ
1か月前
9
お節介なAI【ショートストーリー】

お節介なAI【ショートストーリー】

「ねえ、バーチャルアシスタントさん」

「その呼び方はやめてもらえませんか。ちょっと悲しくなります。私はあなた専用のバーチャルアシスタント、エレセアです。名前で呼んでください」

僕の呼びかけに返事をしたのは、対話型人工知能。

「ごめんごめん、名前を忘れてしまって」
「そろそろ覚えてほしいです。私、あなたの所に来てもう3ヶ月ですよ」

彼女……とは言ってもコンピュータだが、僕専用のアシスタントを

もっとみる
邪気は自分の内側にあるもの?

邪気は自分の内側にあるもの?

最近、邪気祓いについて興味が向いている。
実際『邪気祓い』のパワーストーンなんかも買ったりした。

と言うと、ちょっと怪しい思想に傾倒しているのかと思われるかもしれない。
し、実際そうなのかもしれないが……、

今の僕にとって『邪気』は心の内側にあるものだと感じている。
『物事をネガティブに捉えてしまう心のクセ』なのかなと。

一般的な邪気祓いと言えば、『外側からやってくる邪悪なものを遠ざける』と

もっとみる
膝の上の猫【ショートストーリー】

膝の上の猫【ショートストーリー】

12月の、とても寒い日。
学校が終わると、駅へと向かう。

紺色のブレザーに身を包み、特に焦る様子もなく、のんびりと歩く。僕は、健全な帰宅部の高校生だ。

駅に着くと、改札を通り構内へと入る。

ベンチには先客がいたので、座面をふたつ空けたところに腰を下ろした。しかし、氷のように冷たいので、すぐにお尻をあげる。

「寒いな……」
白い息が漏れる。次の電車までは、まだ6分。立って待つ事にした。

もっとみる
来世の手続きはこちらです【ショートストーリー】

来世の手続きはこちらです【ショートストーリー】

「あの端末で来世を決めるんですか?」
「ええ、そうです。ほらほら、今ちょうどあの方が手続きされていますよ」

僕が質問をすると、少年はすぐに答えてくれた。少年と僕は、ふたり横並びになりながら、『ある様子』を遠目に眺めていた。

視線の先には、台に設置されたタブレット端末が複数。そのうちひとつを年配の女性が操作している。それも随分と楽しそうに。

「あの方は今、来世どんな自分で生まれるかを決めている

もっとみる
何が違うの【ショートストーリー】

何が違うの【ショートストーリー】

私達は、しっとりとした所が好き。
ちょうど今のようなあたたかい季節なら、なおさら過ごしやすい。

この場所は、暗くて狭い。食べ物がたくさん詰まった巨大な箱の下。ここはとてもいい。静かにしていればまず見つからないし、よく食べものが転がり込んでくる。

たまに箱が「ブーン」唸ってうるさいけれど、そのたびにあたたかい風が吹きだして心地よい。

ただ、『固いヘビ』には、十分に気をつけなければいけない。

もっとみる
無神経な夫に黒魔術を【ショートストーリー】

無神経な夫に黒魔術を【ショートストーリー】

「おい、しょうゆ」
「……」
「おい、おい! しょうゆ!」

都内の住宅街。築40年ほどの一軒家。
60代前半の夫婦が、夕食の時間を共に過ごす。

サブロウは、妻のサナエに向けて、繰り返し『しょうゆを取ってほしい』との旨を伝える。
サナエはその呼びかけに反応を示さない。

「おい、しょうゆ。しょ、う、ゆ!」
何度もそう言い続けるサブロウ。するとその呼びかけに、聞き覚えのない声が答えた。

「私を、

もっとみる
はじめまして。『白石はつ』です。

はじめまして。『白石はつ』です。

はじめまして。
『白石はつ』です。

主な活動域は愛知県、名古屋近郊。
安城、刈谷、碧南、西尾、豊田、岐阜駅あたりにも出没します。

小さな頃から本が好きで、妄想が好きで、創作のストーリーなど書いておりました。
漫画もちょっと書いていて、雑誌に応募した事も。

読書数は少ない方ではありますが、ジャンルはなんでも。
SFから恋愛、ホラーまで何でも読みます。

永遠の零、君の膵臓をたべたい、ガニメデの

もっとみる