白石はつ

愛知県、名古屋近郊で創作活動をしています。 ここでは創作の小説、ショートストーリー、…

白石はつ

愛知県、名古屋近郊で創作活動をしています。 ここでは創作の小説、ショートストーリー、読書メモなどを置いていきます。

最近の記事

お節介なAI【ショートストーリー】

「ねえ、バーチャルアシスタントさん」 「その呼び方はやめてもらえませんか。ちょっと悲しくなります。私はあなた専用のバーチャルアシスタント、エレセアです。名前で呼んでください」 僕の呼びかけに返事をしたのは、対話型人工知能。 「ごめんごめん、名前を忘れてしまって」 「そろそろ覚えてほしいです。私、あなたの所に来てもう3ヶ月ですよ」 彼女……とは言ってもコンピュータだが、僕専用のアシスタントをしてくれている。 人格を模倣するアルゴリズムが組み込まれているらしく、妙に人間臭

    • 邪気は自分の内側にあるもの?

      最近、邪気祓いについて興味が向いている。 実際『邪気祓い』のパワーストーンなんかも買ったりした。 と言うと、ちょっと怪しい思想に傾倒しているのかと思われるかもしれない。 し、実際そうなのかもしれないが……、 今の僕にとって『邪気』は心の内側にあるものだと感じている。 『物事をネガティブに捉えてしまう心のクセ』なのかなと。 一般的な邪気祓いと言えば、『外側からやってくる邪悪なものを遠ざける』という感じだし、それも大事だと思う。 けれど、この考え方は少し注意が必要と思って

      • 膝の上の猫【ショートストーリー】

        12月の、とても寒い日。 学校が終わると、駅へと向かう。 紺色のブレザーに身を包み、特に焦る様子もなく、のんびりと歩く。僕は、健全な帰宅部の高校生だ。 駅に着くと、改札を通り構内へと入る。 ベンチには先客がいたので、座面をふたつ空けたところに腰を下ろした。しかし、氷のように冷たいので、すぐにお尻をあげる。 「寒いな……」 白い息が漏れる。次の電車までは、まだ6分。立って待つ事にした。 何気なくベンチに目をやると、気になる光景。中年男性が膝の上の『何か』を愛おしそうに

        • 来世の手続きはこちらです【ショートストーリー】

          「あの端末で来世を決めるんですか?」 「ええ、そうです。ほらほら、今ちょうどあの方が手続きされていますよ」 僕の質問に、少年はすぐに答えてくれた。その少年と僕は、ふたり横並びになりながら、『ある様子』を遠目に眺めていた。 視線の先には、中年女性がいる。その女性の前には、台に設置されたタブレット端末があり、慣れた様子で画面に触れている。 「あの方は、これから現世に向かわれます。今、来世どんな自分で生まれるかを決めているんですよ」 僕の隣に立つ少年は、少しだけ体を横にずら

        お節介なAI【ショートストーリー】

          何が違うの【ショートストーリー】

          私達は、しっとりとした所が好き。 ちょうど今のようなあたたかい季節なら、なおさら過ごしやすい。 この場所は、暗くて狭い。食べ物がたくさん詰まった巨大な箱の下。ここはとてもいい。静かにしていればまず見つからないし、よく食べものが転がり込んでくる。 たまに箱が「ブーン」唸ってうるさいけれど、そのたびにあたたかい風が吹きだして心地よい。 ただ、『固いヘビ』には、十分に気をつけなければいけない。 あれは、大きな音と共に突然やってきて、目の前の物をゴーって吸い込んでしまう。丸呑み

          何が違うの【ショートストーリー】

          無神経な夫に黒魔術を【ショートストーリー】

          「おい、しょうゆ」 「……」 「おい、おい! しょうゆ!」 都内の住宅街。築40年ほどの一軒家。 60代前半の夫婦が、夕食の時間を共に過ごす。 サブロウは、妻のサナエに向けて、繰り返し『しょうゆを取ってほしい』との旨を伝える。 サナエはその呼びかけに反応を示さない。 「おい、しょうゆ。しょ、う、ゆ!」 何度もそう言い続けるサブロウ。するとその呼びかけに、聞き覚えのない声が答えた。 「私を、お呼びかね?」 呼びかけに応えたのは、妻ではない。どこか気品の漂う、壮年の男の声

          無神経な夫に黒魔術を【ショートストーリー】

          はじめまして。『白石はつ』です。

          はじめまして。 『白石はつ』です。 主な活動域は愛知県、名古屋近郊。 安城、刈谷、碧南、西尾、豊田、岐阜駅あたりにも出没します。 小さな頃から本が好きで、妄想が好きで、創作のストーリーなど書いておりました。 漫画もちょっと書いていて、雑誌に応募した事も。 読書数は少ない方ではありますが、ジャンルはなんでも。 SFから恋愛、ホラーまで何でも読みます。 永遠の零、君の膵臓をたべたい、ガニメデの優しい巨人(星を継ぐ者シリーズ)、二宮敦人さん全般などは特に好きで、繰り返し読み

          はじめまして。『白石はつ』です。