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元理系女子のスピリチュアル産後鬱奮闘記

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「占いはオカルト。信じちゃダメ」とか思ってた元理系女子が、なんだかんだで産後鬱を占いで乗り切った、なんだかんだの体験記です。「いかに私が今の私になったのか」の自分語りですが、よろ… もっと読む
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あとがき(note版)

あとがき(note版)

 ずーーーっと前から、「本を書いてみたいなぁ」という欲が自分の中にはありました。でも、「なんとなく」であり、出したいと思う時期も「いつか」であり、書きたい内容も「自分がその時書きたいものでいい」。「ただ、自分の中から湧き上がる何かを、書いていたい」という曖昧な衝動でした。

 大学生の途中までは、そんな衝動をノートに書き殴ることで消化していました。表面上は「良い子」でも、内側には先生や社会への強い

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10-3 相性以外はどうなんですか?

10-3 相性以外はどうなんですか?

 西洋占星術で見た、相性の問題ばかり書いてきたが、鑑定で聞いたのは相性だけではない。家族一人一人の人となりについても聞いた。

 何も知らない時には、「この子、何か問題があるんじゃないかしら」と思ってしまったのは、全て娘の素の性格だった。ちょっと繊細で敏感で、細かいことが気になる(靴下を新しくしただけで、縫い目が気になると怒る)。無視されるのが嫌(返事しないと怒鳴り込んでくる)。せっかち(家族でお

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10-2 誰も悪くないんですね?

10-2 誰も悪くないんですね?

 娘と自分のちょっと変わった相性を「不幸」と捉えてしまった私だが、それで産後鬱が酷くなったかと言われると、そうでもない。むしろ、「救われた」想いすらあった。

 西洋占星術で「娘と私は難しい相性」と指摘されるまで、私は「産後鬱になり、育児が上手くいかないのは、私が駄目な人間だからだ」と自分を責めていた。「私が悪い。私なんていなくなったほうがいい」と思い詰めると、それこそもうとち狂ってしまいそうだっ

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10-1 この違和感はなんなんですか?

10-1 この違和感はなんなんですか?

 元々は「見えない世界」に関することが大好きで、占いも好きだった私。中学生のある日、突然蓋をしてしまったものの、やっぱり好きなものは好きで、胎内記憶の話をきっかけに「見えない世界を、占いを、信じてもいい」と自分に許可できてからは、どばーっと堰を切ったように占いにのめり込んでいった。しかも、時は産後鬱の真っ最中。私は占いに頼る気満々だった。

 しかし、「占いに頼る」と言っても、問題への切り口はいく

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9-2 お腹の中身は何ですか?

9-2 お腹の中身は何ですか?

 「ばぁばが天井に遊びに来た」事件から少し時は流れ、娘が二歳になったばかりの頃の話。お座りも、一人歩きも、何事も少し慎重でゆっくり目だった娘は、達者とは言えない日本語をぼちぼちと話していた。しゃべる単語はいつも決まっていたが、ある日、ドラッグストアで紙おむつを買おうとしたら、パッケージの赤ちゃんの写真を指さし、やたらと、「あかたん!あかたん!!(赤ちゃん)」と連呼してきた。今までそんな単語しゃべっ

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9-1 そこにいるのは誰ですか?

9-1 そこにいるのは誰ですか?

 胎内記憶や占いなど、「見えない世界」を信じるようになった私だったが、まだ「確信」には至っていなかった。私はいわゆる「霊感」があるわけではなく、通常見えないはずの存在を、直接見たり、声を聞いたりしたことがなかったからだ。それに、胎内記憶の話を信じても、自分自身は母親の胎内にいた時の記憶も、前世の記憶も(その時点では)なかった。

 それが、「確信」に変わった出来事がある。産後鬱で娘が0歳代の時の記

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8-3 占いの世界へダイブ

8-3 占いの世界へダイブ

 すっかり占いの虜になってしまった私は、その後、貪るようにネットや本で占い、特に西洋占星術のことを調べまくった。自然育児の本に、「授乳中は、赤ちゃんの目を見てコミュニケーションしましょう」と書かれていて、それを頑なに守っていたのに、一気にほっぽり出して、私は西洋占星術の本を読みふけるようになった。

 私は子供そっちのけで占いのことを調べ、答えを探した。

 なぜ私は産後鬱になったのか。

 なぜ

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8-2 この先、どう生きていけばいいですか?

8-2 この先、どう生きていけばいいですか?

 私が初めて西洋占星術のメール鑑定を依頼したのは出産前だったが、鑑定結果が送られてきたのは出産後だった。ちょうど、赤ちゃんが泣き止まない、どうやって育てたらいいのか分からない、っていうか、赤ちゃんってもっとよく寝て可愛いものじゃないの?こんなん話が違うと途方に暮れ始めた頃だった。まさに、「この先、私はどう生きていけばいいのですか?」と誰かの首根っこを捕まえて問いただしたいくらいの気分に駆られていた

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8-1 占いを信じていいですか?

8-1 占いを信じていいですか?

 時間が少し遡るが、妊娠中、私はとあるブロガーさんのブログにはまっていた。癌とも、妊娠出産とも、胎内記憶とも、全く違うことが気になって読み始めたブログだったが、たまたま(?)そのブログの主さんが、占い師を副業でしている人だった。そのため、ブログの記事には、私の目的のジャンルの話の他に、しばしば占いの話(主に西洋占星術)が出てきて、私の目に留まった。

 最初は、「なんか小難しい、怪しげなことが書い

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7-3 出かけていいんですよ

7-3 出かけていいんですよ

 産後鬱の妻を必死に支えていたつもりなのに、なぜか離婚を切り出された、今思えば誠気の毒な旦那氏は、「このままではいけない」と自治体の育児相談室に私を連れ出してくれた。定期的に開かれている育児相談は、他の人も来るため、私は行きたくなかった。もう、誰か他人と話すことが億劫でたまらなくて、本当は役所の人とも話したくなかった。「どうせ誰も分かってくれない」という屈折した想いもあった。

 「僕も一緒に行っ

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7-2 私はこれで、産後鬱になりました

7-2 私はこれで、産後鬱になりました

 大体、後から冷静に考えれば、産後鬱になるなという方が無理なくらい、私には産後鬱になる条件が揃っていた。

 まず、出産予定日の二か月ちょっと前に、実母を亡くしている。母がいなくなった悲しみと同時に、「赤ちゃんを抱っこさせてあげられなかった」という悔しさが残った。そして、その悲しみを味わい尽くす時間もなく、胸の内に後悔が渦巻いたまま、出産。全く感情の整理などついていなかったのだ。

 しかも、それ

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7-1 記憶にございません

7-1 記憶にございません

 「産後鬱に関する体験記を書こう」と思ったくせに、とても正直なところを言うと、私は産後鬱が一番酷かった間の記憶がほとんど、ない。特に、娘の一か月検診を終えて自宅アパートに戻ってから、生後六か月くらいまで、どうしていたのかよく思い出せないのだ。

 多少覚えていることを羅列していこう。

その① 動物園の動物状態
 娘は赤ちゃん時代、授乳でそのまま寝ることもあったが、そうでなかったら、とにかく抱っこ

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6-5 猫の手も借りたい

6-5 猫の手も借りたい

 出産から6日後、私は無事に退院した。同日に出産したらしい人が、旦那さんはもちろん、父母や兄弟にまで囲まれて、赤ちゃんをフリフリのドレスに着替えさせて写真を撮りまくり、「結婚式ですか?」という勢いで盛大に退院しようとしているのを横目に、私は旦那と赤ちゃんの3人でひっそりと病院を後にした。看護師さんが、3人一緒の写真を撮ってくれた。良い記念写真になった。

 実家に着いたら、ひとまずリビングに置いた

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6-4 赤ちゃんは泣くものですよ事件

6-4 赤ちゃんは泣くものですよ事件

 生まれて早々、父が病院に駆けつけてくれた。病室に移ったら、姉と祖父も来てくれた。私は貧血でぶっ倒れていたが、みんなの嬉しそうな顔を見て、私も「お腹が軽くなったー!」と心底ほっとしていた。

 赤ちゃんは、妊婦検診で言われた通り、女の子だった。丸顔で、目が細い割には黒目の部分が大きかった。時々布団の中でもしょもしょと動いては、その大きな黒目を見開いていたが、大半は寝ていた。おっぱいをあげようとして

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