マガジンのカバー画像

読書記録

430
ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
運営しているクリエイター

#アメリカ

ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳~読書記録382~

ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳~読書記録382~

ロンググッドバイ レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳

『ロング・グッドバイ』は別格の存在である。
そこには疑いの余地なく、見事に傑出したものがある。――村上春樹(「訳者あとがき」より) 
社会現象となった『長いお別れ』新訳版、文庫に登場。
1958年に清水俊二訳で日本に紹介されたが、2007年に村上春樹訳で新たに創刊された。

1949年の秋。私立探偵フィリップ・マーロウは、片面に傷を持つ男、

もっとみる
ママのクリスマス ジェ−ムズ・ヤッフェ~読書記録316~

ママのクリスマス ジェ−ムズ・ヤッフェ~読書記録316~

安楽椅子探偵ママの第3弾。

いかにクリスマスだとはいえ、連日深夜までお祭り騒ぎをしてもよい、ということはないだろう。教会の騒音に悩む老夫婦は困り果て、ラビの勧めに従って、デイヴたちのところへ相談にやってきた。これが謎のダイイング・メッセージとユダヤ人差別を巡る難事件の幕開けだったのだ! 黄金時代を思わせるママの鮮やかな名推理!

主人公のデイヴィッド、その母はユダヤ系アメリカ人である。この作品は

もっとみる
おちゃめなパッティ~読書記録249~

おちゃめなパッティ~読書記録249~

あしながおじさん」のウェブスターの著した、とっても愉快で、胸キュンな女学生お転婆物語。1911年に発行。あしながおじさんが1912年に発行なので、その前の作品になる。

「由緒正しく、規律に厳しい寄宿制の女学校に通う、仲良し三人組のお嬢さんたちは、そのストレートな生き方で、いつも学園中に痛快な嵐を巻き起こしていく。
その中で正しさ、優しさを貫いてゆく中で、学園の周辺に存在する人々も巻き込みながら成

もっとみる
病院のスケッチ~読書記録224~

病院のスケッチ~読書記録224~

若草物語で有名なルイザ・メイ・オルコットの作品。谷口由美子先生が訳されている。

これは、小説ではなく、ルイザ・メイ・オルコット自身の体験を元にしている。主人公の名前は変えてあるが、若草物語に登場する姉妹たちのことだな、とわかるものである。

この本が書かれたのは、1863年。
当時のアメリカは、リンカーン大統領が奴隷制度反対を唱え、南北戦争の中にあった。

熱烈な奴隷制度廃止論者であったルイザは

もっとみる
大草原の小さな家で ~読書記録219~

大草原の小さな家で ~読書記録219~

ローラ・インガルス・ワイルダーの研究者として知られる、スティーブン・ハインズの著書。

「大草原の小さな家」シリーズで知られるローラ・インガルス・ワイルダーの信仰に光をあて、その生涯と物語の底に流れるスピリットを読み解く。「真実はいつの時代も変わらない。誠実であること。うそをつかないこと。物事がうまくいかなくても朗らかに。そして勇気を抱くこと」。大草原で信仰を育んだ永遠のパイオニアガール、ローラの

もっとみる
ケティのはるかな旅~読書記録215~

ケティのはるかな旅~読書記録215~

作者は、アメリカ・ケンタッキー州生まれのレベッカ・コーディル。
1899 年 2 月 2 日 - 1985 年 10 月 2 日
アメリカ開拓時代を描いた作品だ。

 舞台は、独立後まもない一七八十年のアメリカ。それは、独立革命の独立派と英国派との対立がまだ根強く残っている中で、東部に飽き足りない人々が西部にあこがれ、西へ西へと移住し、各地で白人とインディアンとの抗争が絶えなかった波乱多き時代であ

もっとみる
シャーロック・ホームズ 恐怖の谷~読書記録193~

シャーロック・ホームズ 恐怖の谷~読書記録193~

アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズでは最後の長編となる。

2部構成となっており、第1部で事件の概要と解決に至るまでのホームズの推理を、第2部で事件の背景となった「恐怖の谷」と呼ばれるアメリカの炭鉱街・ペンシルベニア州ヴァーミッサ峡谷(Vermissa Valley)での事件を記している。シャーロック・ホームズの終生のライバルとされる、ジェームズ・モリアーティ教授が事件の黒幕

もっとみる
アンクルトムの小屋~読書記録158~

アンクルトムの小屋~読書記録158~

アメリカ奴隷解放宣言のきっかけともなったストウ夫人の名作。

初老の黒人奴隷トムの数奇で不幸な半生を描いている。シェルビー家に仕えていた黒人奴隷トムは、主人の息子ジョージから慕われて幸福な日々を送っていたが、そのシェルビー家が困窮したためにジョージと別れて売られていくことになる。売られていく途中、船で出会った白人少女のエヴァンジェリンを救ったことで仲良くなり、彼女に友達として愛される。しかし、その

もっとみる
村岡花子著 ハリエット・ストー伝記 ~読書記録153~

村岡花子著 ハリエット・ストー伝記 ~読書記録153~

原書は昭和30年に刊行された村岡花子が書いたストウ夫人の伝記だ。

ストウ夫人と言えば、「アンクルトムの小屋」が世界各国で翻訳されて有名な作家である。本書は、その作品が世に出るまでの出来事を丁寧に描いている。
私も含め、世間一般が知らなかった事を知り、感謝の1冊でもある。
ハリエット・ストウは、父親、夫と共に牧師なのだ。
日本や韓国などでは、「なんちゃって牧師」なんかは、かなり見受ける。
宗教法人

もっとみる
幸せな食卓~読書記録46~

幸せな食卓~読書記録46~

大草原の小さな家シリーズの一つである「農場の少年」。
これは、ローラの夫アルマンゾの子供時代を描いたもので、ローラは出て来ない。(ローラが誕生前の話でもある)
アルマンゾはニューヨーク州の裕福な農場で生まれ育った。この本には実に沢山の料理、食材が出て来る。読みながら「パンケーキを食べに行きたい」などと思うのだった。

ローラシリーズに出て来る料理を自分で作り本にまとめたのが、こちらである。
アルマ

もっとみる
(株)貧困大国アメリカ~読書記録97~

(株)貧困大国アメリカ~読書記録97~

2013年オバマ政権時代に書かれたジャーナリスト堤未果さんによる書である。

題に、(株)とあるのが、この本で著者の言いたいことをズバリ!表していると思う。

まず、農業の事。ウィスコンシン州、ミズーリ州、ニューヨーク州、などなど。「大草原の小さな家」シリーズのローラの本に出て来る地が出て来るのだが、ローラやアルマンゾ、その父親の世代の農業とは随分違ってしまった。アメリカは広大な土地である。が、ロ

もっとみる