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アンクルトムの小屋~読書記録158~

アメリカ奴隷解放宣言のきっかけともなったストウ夫人の名作。

初老の黒人奴隷トムの数奇で不幸な半生を描いている。シェルビー家に仕えていた黒人奴隷トムは、主人の息子ジョージから慕われて幸福な日々を送っていたが、そのシェルビー家が困窮したためにジョージと別れて売られていくことになる。売られていく途中、船で出会った白人少女のエヴァンジェリンを救ったことで仲良くなり、彼女に友達として愛される。しかし、その後にエヴァンジェリンは病死し、トムの理解者だったエヴァンジェリンの父も事故死してしまい、トムは奴隷に冷たかったエヴァンジェリンの母によって悪辣な農場主レグリーに売られてしまう。レグリーの元で残虐な扱いを受けたトムは、最後にはレグリーに暴行されて死亡する。死の直前にトムは、彼を買い戻しに駆けつけたジョージと再会し、そのジョージによって丁重に葬られた。ジョージは奴隷解放、制度廃止の運動に身を投じる。

ストウ夫人が、牧師の娘であり、牧師夫人でもあることから、この話は非常にキリスト教的な、聖書的な話となっている。
主人公トムは黒人奴隷でありながら、熱心なキリスト教徒である。

だが、この話の中では、白人と黒人奴隷の行く教会は別である事が記されている。それは実際に事実であったのだろう。

本に出て来るのは、白人たちの傲慢さ、暴力。同じ白人でありながらこの書を書くのは勇気がいったことだろう。
1人のペンの力がアメリカを動かした。
だが、今でもアメリカにはやはり差別はある。
トランプ氏が「アメリカファースト!」と言う時、「それって、白人だけの世界だよね?白豪主義やんか」と思ってしまうのだった。


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