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ケティのはるかな旅~読書記録215~

作者は、アメリカ・ケンタッキー州生まれのレベッカ・コーディル。
1899 年 2 月 2 日 - 1985 年 10 月 2 日
アメリカ開拓時代を描いた作品だ。

 舞台は、独立後まもない一七八十年のアメリカ。それは、独立革命の独立派と英国派との対立がまだ根強く残っている中で、東部に飽き足りない人々が西部にあこがれ、西へ西へと移住し、各地で白人とインディアンとの抗争が絶えなかった波乱多き時代である。この作品も、新天地を求めてひたすら西部をめざす一集団の物語である。主人公の十六歳の少女ケティは、両親・兄姉と死に別れ、ロース・キャロライナのモラビア教徒の町ライラムで、修道僧たちがやっている宿場で働いていた。するとある晩、十四年前に家出し、行方不明になっていた、ケティの兄アンソンと名のる男が突然たずねてきた。アンソンは、カンパーランド川のフレンチ・リックという西部の新しい土地へ一緒に移住しようと強引にケティを誘う。ケティは気がすすまなかったが、生存する唯一の身寄りであり、今や彼女の保護者代わりとなる兄に素直に従うようにという修道僧たちのすすめで、兄の家族らとともに平底船で、長い旅に出ることになる。旅は、仲間の行方不明、インディアンとの戦い、同行船での天然痘の発生、とハプニングづくめである。しかしその中でケティは自らの堅い信念に基づき、戦いを拒み、傷ついたインディアンを助け、子供たちに文字を教える。そしてケティ自身も、その苦難の旅を通して大きく成長し、良き人生の伴侶を得ることとなる。


ケティが育ったのは、キリスト教のモラビア教徒の共同体であった。
そこの人たちは、当時、インディアン(アメリカ原住民)と仲良くし、白人、黒人共に同じように扱うことをしていた。
小さい頃に家族を失い、そこで育ったことがケティの人格形成になったのだなと感じた。

ただ単に、少女向けの話とするには、多くの事を語っていると思う。
アメリカがどのように開拓されていったのか、人種差別について。
18世紀の頃は当たり前だったことが今では違う。自分たちとは違う人種を見たらライフルで狙うなど。
アメリカの開拓の歴史は、人の心の中を観るものでもあると思うのだった。


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