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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2022年7月の記事一覧

創価学会~読書記録144~

創価学会~読書記録144~

2004年に宗教学者の島田裕巳氏が書いているものだ。

また、2010年、元公明党幹事長の矢野絢也氏との共著「創価学会 もうひとつのニッポン」も書かれている。

矢野絢也元公明党幹事長は、後に公明党、創価学会の暴露をかなりしている。
これらの暴露本は、今現在の若い自民党支持者(いわゆるネトウヨ)が殆ど知らないのは残念であるとしか言えない。
矢野氏の暴露を知るなら「連立与党」にもっと反対するだろうと

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光の人~読書記録143~

光の人~読書記録143~

元NHKプロデューサーで、ジャーナリスト今井彰氏による小説であるが、実際の人物をモデルにしており、ほぼ実話である。

この書に出て来る人々は、「奇跡の体験者」たちではないだろうか。
主人公の幸太郎、幸太郎に出逢った孤児たち。
もしも、その出会いがなかったらどうなっていたのか。

モデルとなったのは、長谷場夏雄氏。
サレジオ会の神父、教師の資格を持ち、教師として働いていたが、孤児たちの為にそれを投げ

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コロナの嘘とワクチンの真実~読書記録142~

コロナの嘘とワクチンの真実~読書記録142~

2021年に発行された元慶応大学病院の近藤誠医師と精神科医・和田秀樹医師の対談集。

内容は、割とネットで拡散されている事ばかりなので、買う必要を感じなく図書館で借りた。
内容を全て信じるのは陰謀論をツイートする人たちと同じになってしまうので、こういう考えもあるのだ、で終わりにしたい。
だいたいは、YahooやTwitterなどで話題になっている反対派の意見を読めば済むもので、わざわざ本を買うのは

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新宗教ビジネス~読書記録141~

新宗教ビジネス~読書記録141~

2008年に出版された宗教学者・島田裕巳先生の著書。

戦後に出てきた(と言っても、戦前からあった物もあるが)新しい宗教がどのような形でお金を得ているか。それらが詳しく書かれていた。

現在、統一教会の信者の一件で、宗教法人非課税を見直しとか言う人が多いが、その件についても、「待てよ」と納得させられた。
明治神宮だの、佐野厄除け大師だの、人が集まる所に私たちの目は行きがちである。確かに、賽銭額は多

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カルネアデスの舟板~読書記録140~

カルネアデスの舟板~読書記録140~

昭和32年に発表された松本清張の短編小説である。

犯人捜しというような警察官が出て来るものではなく、主人公である歴史学者で大学教授の心理状態が細やかに描かれている。

昭和20年代から30年代の社会情勢をも反映した作品である。

歴史学者である主人公・玖村武二は歴史科の教授であった。玖村は終戦後、進歩的な唯物史観を展開し、日教組から喝采を浴びていた。歴史教科書の執筆担当になった彼は、教科書会社か

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ピーター流生き方のすすめ~読書記録139~

ピーター流生き方のすすめ~読書記録139~

数学者であり、大道芸人である、ピーターフランクル氏の書。
中高生向けの軽い哲学書である。

中高生向けに書かれた本であるゆえ、これから大学、仕事等を決める若者向けなのだが、大人が読んでも十分に教えられる本であった。

ピーターフランクルは戦後のハンガリー生まれであるが、お父様はユダヤ人であり、時代的にナチスからの迫害を受けていた世代だった。

この本の主題であるが
「自分の人生の主役は自分」
とい

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赤毛のアンへの遥かなる道~読書記録138~

赤毛のアンへの遥かなる道~読書記録138~

カナダのジャーナリストによるモンゴメリーの伝記である。

私たち日本人は「赤毛のアン」の作者と言うと、モンゴメリとなるが、この本では、彼女の事を「モード」と記して進めている。

モンゴメリは結婚前の名字であるし、(赤毛のアンを世に出した時は独身)ルーシーという名前は、彼女の母方の祖母と同じ。モードはその祖母が好きではない。
ということで、私も、ここで「モード」という書き方をしたい。

「赤毛のアン

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続あしながおじさん~読書記録137~

続あしながおじさん~読書記録137~

ウェブスターが「あしながおじさん」の続編として書いたもの。

ここでの主人公は、前作ジュディの大学時代の同窓生にして、親友サリー。
今では、ペンドルトン夫人となったジュディの要望を受け、ジュディの育った孤児院の院長として大奮闘。

やはり、こちらも手紙形式である。
ジュディ、恋人である政治家ゴードン、孤児院で世話になっている医師と。
この医師に出す手紙は、時として「親愛なる敵さん」で書かれている。

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イマジン~読書記録136~

イマジン~読書記録136~

『イマジン』は、槇村さとるによる日本の漫画作品。『コーラス』(集英社)1994年10月号から1999年12月号に連載。著名な建築士の母親と、彼女に女手ひとつで育てられてきたOLの母娘関係を中心に、仕事や恋に自分らしさを模索する女性を描いた作品。

漫画の場合、キャスの朗読で初回出来ないのが本当に辛いところだ。
登場人物の表情であるとか、微妙な背景とか言葉では表現出来ない。

美津子と有羽は、母娘2

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父のいる光景~読書記録135~

父のいる光景~読書記録135~

1992年、森村桂さんのエッセイ。

この本でもなのだが、森村桂さんの本を読むと感じる不思議な感じ。
桂さんのお兄さんの存在の希薄さだ。
本当にいたのだろうか?と思ってしまう。

こちらの本では、戦時中に桂さんが父の親せき宅に疎開した時の想い出から始まり、大学1先生の時、父の死に至るまでの、父と娘の深い愛が描かれている。

しかし、この本でも思ったのは、森村家は娘だけ?のようにイメージしてしまうの

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キリスト神話 偶像はいかにして作られたか~読書記録134~

キリスト神話 偶像はいかにして作られたか~読書記録134~

2004年カナダ人聖公会司祭トム・ハーパーの著である。宗教学者・島田裕巳氏による翻訳。

本を手にした瞬間。読み進めていくところどころ、読み終わった時。

これほど、1冊の本に対しての感想が違う、というのは珍しい体験でもあった。

たとえば、井上洋治神父の著書や、日野原重明先生などの著書は、本当に申し訳ないのだが、タイトルを見ると、大体こういう内容だな、と想像でき、その期待を裏切らない。ほとんどの

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洗脳 地獄の12年からの生還 Toshl ~読書記録133~

洗脳 地獄の12年からの生還 Toshl ~読書記録133~

2014年、XJAPANボーカルのToshl著。
あとがきはカルト問題に強い紀藤正樹弁護士によるもの。

12年間にも渡るホームオブハートでの経験を描いているのだが、多くの事を考えさせられる書であった。
守谷香という女性との出会い。。。これは仕方ないことなのだろうが、彼の次兄の「彼女を信じるな。あの目は。。。」と言う助言も当時はわからなかったのだ。もしも、他の男性(例えば、hideちゃんや石塚先生

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あしながおじさん~読書記録132~

あしながおじさん~読書記録132~

日本でもあまりにも有名な小説。
私は、中学生の時に読み大好きになったのだが、最近になり新しい訳(谷口由美子先生)を読んだ。

あらすじはと言うと・・・
孤児院で育った少女ジュディの文才が一人の資産家の目にとまり、毎月手紙を書くことを条件に大学進学のための奨学金を受ける物語であり、ジュディが援助者を「あしながおじさん」と呼び、日々の生活をつづった手紙自体が本作品の内容となっている。

主人公ジュディ

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正しく生きるとはどういうことか~読書記録131~

正しく生きるとはどういうことか~読書記録131~

生物学者で、1998年当時、山梨大学教授であった池田清彦氏のエッセイ。
現在は、山梨大学、早稲田大学と名誉教授である。

結論から言うと、「自分の権利と他人の権利を知る」ことだ。
自分がこの人を好きだと思うのは自由。けれども、他人は自分を好きではないかもしれない。それに対しては、相手の想い、自由を受け入れるということだ。

善く生きるとは、あなたの欲望を最も上手に開放することだ。

著者はこう述べ

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