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続あしながおじさん~読書記録137~

ウェブスターが「あしながおじさん」の続編として書いたもの。

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ここでの主人公は、前作ジュディの大学時代の同窓生にして、親友サリー。
今では、ペンドルトン夫人となったジュディの要望を受け、ジュディの育った孤児院の院長として大奮闘。

やはり、こちらも手紙形式である。
ジュディ、恋人である政治家ゴードン、孤児院で世話になっている医師と。
この医師に出す手紙は、時として「親愛なる敵さん」で書かれている。
原書は「Dear Enemy」。直訳すると、「親愛なる敵さん」なのだ。

つまり!!この敵さん、医師とサリーが最後には。。。

さてさて、サリーは、政治家のゴードンと婚約するも、懸命に悩み、断る。
「一緒にいる時、私はお芝居をしている。それは本当の私ではなく、一緒に暮らすようになったら、一生お芝居をしなくてはならない」
サリーは、親友ジュディにこのような手紙を書いている。

この本が書かれたのは1915年。女性には選挙権がないから、孤児院にいる子供たちは男の子なら政治家にとっては、、、のような事も書かれている。
だから、女の子はどこかの家にと。

アメリカで女性の選挙権が得られたのは1920年。ウエブスターは1916年に産褥熱で亡くなっている。

このように、1つの物語から当時の歴史をたどれるのは素晴らしいなと思った。

実は、「あしながおじさん」は、21世紀になっても、新たに訳したい人が出て多くの訳が選べるのだが、「続あしながおじさん」の方は少ない。
結果、この訳者には申し訳ないのだが、北川先生は明治生まれの方で、言葉がやや旧くわかりにくい所もあった。自分の勉強不足をも痛感したのであった。



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