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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2022年4月の記事一覧

私がしたことは殺人ですか?~読書記録72~

私がしたことは殺人ですか?~読書記録72~

1998年、入院していた患者を殺意を持って死なせた、と殺人罪と裁判でも断定された須田先生による著書。
医療関係者と司法との考え方の違いを広く訴えておられる。

最高裁上告に臨むに当たり、矢澤弁護士がかなりの覚悟で、地裁、高裁の違法性を訴えたのだが、最高裁でも棄却されてしまっている。

医療の発達により、人工呼吸器など、人工的な延命が可能になってきた。それにより、植物状態でずっと生きておられる方は多

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韓国人の私が韓国をキライになった48の理由~読書記録73~

韓国人の私が韓国をキライになった48の理由~読書記録73~

1998年に書かれた、韓国の作家、イ・ジョンハク氏による著書。
当時の大統領は金大中氏である。
(20数年前の本であるので、もしかしたら今は事情が変わっている所があるかもしれない。)

題だけでは判断してはいけないな、という事を改めて思わせてくれる書であった。
又、著者自身、日本の良い点を冷静に評価して、公平さが感じられ、好感が持てた。

著者は、「韓国をキライになった」など、過激な題をつけている

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下山の思想~読書記録74~

下山の思想~読書記録74~

2011年に発行された五木寛之先生のエッセイ

3/11に東日本大震災が起こり、その後に書かれたエッセイであるという背景も知ると、感じ取り方も違うと思う。
当時の民主党政権における想定外の地震であった。
原発事故、東北の津波被害の映像、停電、品物不足によりコンビニの品不足、物不足を心配し買い占めに走る人たち。
これらの時期に、五木寛之先生が自分の想いを書かれた書なのだ。

今、未曾有の時代が始まっ

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増税なしで財政再建するたった一つの方法~読書記録75~

増税なしで財政再建するたった一つの方法~読書記録75~

2013年発行、経済ジャーナリスト、エコノミストの門倉貴史氏著。

2012年、第二次安倍政権が発足。
「アベノミクス」なる言葉を掲げての経済策を打ち出していた当時に書かれたもの、という時代背景を考え、読むとよいかもしれない。
又、当時は、まさか、日本中、イヤ、世界中を襲う「自粛」「外に行けない」などの予想外の経済にも影響を与える出来事はエコノミストといえども読めなかった。それも踏まえたいと思う。

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小山明子のしあわせ日和~読書記録76~

小山明子のしあわせ日和~読書記録76~

2010年発行。女優にして、大島渚監督の妻である小山明子さんのエッセイ。

1996年、大島渚監督が63歳で倒れ、それからは介護の日々。
その中で、ご自身も鬱になられ、そこから立ち直り、前向きに生きておられる姿が描かれている。

2013年、大島渚監督が亡くなられたので、存命中の時期に書かれた書である。

1996年、ロンドンで大島渚監督が脳出血で倒れ、歩くこともできなくなってしまう。2001年に

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ローラのノート~読書記録77~

ローラのノート~読書記録77~

「大草原の小さな家」シリーズでお馴染み、ローラ・インガルス・ワイルダー。
その研究家としては第一人者であるウイリアム・アンダーソン氏は、ローラの残した様々な文章を探しては本にまとめている。
有難い。
そのアンダーソン氏によって、編集解説された本がこちらになる。

内容は、ローラの残した詩であったり、ローラの姉妹たちが書き残したものも載せてあり、小さな家ファンにとっては嬉しいものだ。

こちらは、ロ

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捨てない生き方~読書記録78~

捨てない生き方~読書記録78~

2022年1月に発行された五木寛之先生のエッセイ。現代の「断捨離」ブームに対しての五木寛之先生の想いが語られている。

五木寛之先生は89歳でこの書を書かれたわけである。この写真も89歳現在のお写真で、髪の毛もたっぷりあるし、若々しい。

この表紙には
「コロナ後の生活を豊かにするヒント」とある。
これが書かれた時期はコロナ禍であった。今もか。。。
世は「不要不急」を叫ぶ時代。
しかし・・・そもそ

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年収200万円でもたのしく暮らせます~読書記録79~

年収200万円でもたのしく暮らせます~読書記録79~

2020年に発行された経済ジャーナリスト、森永卓郎氏の著書。
今後の経済の見通し。1つのバブルの崩壊。それらを独自の目線で描いている。

こちらは、息子さんで、埼玉県所沢市出身とある。

要点として、今までの日本の「東京一極集中」を問う。
「ベーシックインカム」を取り入れる。
と。
これって、日本1イケメンの知事が主張されていたような・・・
そう、森永卓郎氏は、堺屋太一先生を尊敬されているのだ。

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ついていったらこうなった~読書記録80~

ついていったらこうなった~読書記録80~

平成15年(2003年)、キャッチセールス評論家、多田文明氏によるルポ。
自身が体験された20のケースを上げ、実態並びに対処法を書かれている。

この本の1番初めのケースでは、「手相の勉強会」の話が出て来る。
私は、21歳の時に、御徒町駅から上野駅までのアメ横で、手相占い商法に出会った20代前半の女性に声を掛けられ、カフェのような雰囲気の部屋に連れて行かれ。そちらでは、先生とか呼ばれる30代か40

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いまをどう生きるのか~読書記録81~

いまをどう生きるのか~読書記録81~

平成20年(2008年)に発行された、五木寛之先生と、当時、港区・龍源寺住職であった松原泰道師の対談集である。

翌年の2009年に松原泰道師は亡くなられておられる

五木寛之先生も言われておられるが、この対談を読んだ者にも、松原泰道師の気取らない、誰に対しても平等な姿勢が窺えた。
松原泰道師の教えは、「易しく」「深く」「広く」だ。
又、死んでいる者ではなく生きている者に教えを伝える姿勢。

「お

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ブラック・ジャックは遠かった~読書記録82~

ブラック・ジャックは遠かった~読書記録82~

2013年、発行。作家、久坂部羊先生のエッセイで、大阪大学医学部学生時代、研修医時代の青春時代の想い出を綴っている。

先生は、大阪生まれの大阪育ち。
この本の会話は関西弁(河内弁?)が多く、実に読んでいて楽しく、朗読にはもってこいの本であった。
又、先生のユニークな人柄か。面白い!の一言に尽きる。

タイトルにある「ブラック・ジャック」は、手塚治虫先生の代表作とも言える、医師が主人公の漫画である

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日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?~読書記録83~

日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?~読書記録83~

2020年に発行された中央大学教授で社会学者の山田昌弘先生の著書。
先生は「パラサイトシングル」という呼び方を考案されたことで有名である。

あとがきは、コロナウイルス流行による緊急事態宣言の中で書かれているので、時代を反映していると思う。

本書の中では、確かに!(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪と頷けるものと、「それは違うんじゃないかな?」と感じるものとあった。

まず

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ひとり老後、賢く楽しむ~読書記録84~

ひとり老後、賢く楽しむ~読書記録84~

2019年に書かれたエッセイスト岸本葉子さんのエッセイ。

私は30歳前後の頃に、岸本葉子さんを知り、それ以来のファンである。

ずっと、本名だと思っていたのだが、実はペンネームであったようだ。

こちらの本では、50代から90代の方々にインタビューし、それを岸本葉子さんが上手に嚙み砕いて描かれている。上手いな、やはり。

まだ30歳頃から老後の心配をされていたという岸本葉子さん。
この本を書かれ

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日本人の死に時~読書記録85~

日本人の死に時~読書記録85~

2007年発行、医師にして、作家の久坂部羊先生の作品。
こちらは、小説でもエッセイでもなく、読者に問いかけるタイプの本となっている。

1990年代から久坂部先生は在宅医療医として働かれていた。(現在は違う)
在宅医療と言うと、当然、高齢者が多いわけで、働くうえで感じた事を率直に書かれたのが、この本である。

多くの高齢者の死を目にして「長生きは必ずしも望ましくない」と、久坂部先生は感じたそうだ。

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