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日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?~読書記録83~

2020年に発行された中央大学教授で社会学者の山田昌弘先生の著書。
先生は「パラサイトシングル」という呼び方を考案されたことで有名である。


あとがきは、コロナウイルス流行による緊急事態宣言の中で書かれているので、時代を反映していると思う。

本書の中では、確かに!(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪と頷けるものと、「それは違うんじゃないかな?」と感じるものとあった。

まず、日本人が恋愛とか結婚に消極的なのは、今更ではなく、戦前から、周りの人に言われて結婚した。それまで恋愛をしたこともなかった。という人が多い。確かに、私の祖父母の時代などは、貧乏でも子供は沢山いた。
子どもに教育を受けさせるとか諦めていたし、長女は下の子の面倒をみるのが当たり前の時代であったし、子供を作る以外に夜やる事はなかったのもあるかと思う。
今は、義務教育でなくても高校くらいは当たり前であるし、夫婦でも別々に楽しむ趣味が沢山ある。一家が別々のテレビ番組を観たり、家族よりも友人とのラインやインスタが楽しいなどという妻は多いし。
とにかく、生活が苦しい、などと言いながらも、昔よりも1人に対するお金はかかっている。
家族に求めるものが違ってきたのだと思う。

著者が言われるように、政府の専門委員会の調査も「上級階級の方たち」だけを見ているような。正社員、公務員、高い収入、育児休暇が取りやすい、など。
保育園の充実だけで、出生率が上がると?言われると、ううーーむ。となる。
だいたい、夫婦して非正規雇用の家庭も今やかなりある。それを知らない政治家の多い事。
私の友人は、収入の面で子供を作らないと決めたのだ。そんな人たちに、「保育園がある」と言っても意味はないだろう。
妊娠した派遣社員の女性は契約打ち切りだろうし。
「生みたくても生めない人が多い」著者の言う通りだと思う。

そして、ちょっと安心した話にセックスレス夫婦の問題。
独身でも興味がない、淡白な日本人が増えているようだ。
あー、うちだけじゃなかったんやね。と、何故かほっとする私がいた。
うちは、結婚してから数回しかしていない。子供なんか出来るわけがないのだ。
互いに、結婚相手よりも、方やAKBグループ、方やジャニーズ💛なんて感じなので。

21世紀よりも以前から著者が言われていた日本の若者の「自立心のなさ」。
「パラサイトシングル」と名付けられたが、結婚するまでは親元にいるが当然の日本である。
イヤイヤ、山田先生。若者だけではなく、結婚出来ないで定年以降も親と暮らす人を私は沢山知っております!!と言いたいのだが。
結婚するまで親元でと思っているうちに、いつの間にか60歳に、で、親の介護をなどという人はかなりいる。
婚期とか関係はないのだ。やはり、戦前のように、お節介おばちゃんが見合い話を持って来なくなったからもあるの?か!

あとがきが興味深かったので、書き記しておきたい。

新型コロナウイルスの広がりで。緊急事態宣言が出ている中、あとがきを書いています。
今回のコロナ問題の場合はどうなるのでしょうか。
短期的には様々な影響があると言われています。1人でいることの不安から、結婚情報サービス業への登録が増えてきているという業者もあります。一方、(2020年)3月上旬に。ある公的な結婚支援サービス団体にヒアリングしたところ、お見合いパーティーは全て中止。1対1のお見合いも、相手を探してメール等で連絡は出来るが、リアルで会うことは禁止しているということでした。濃密な接触を控えるという感染対策の趣旨を守ると、出会って恋愛関係になる若者が減る以上、今年から来年にかけての結婚酢は少なくなる気がします。
それ以上に、結婚、出産に与える長期的な影響が心配です。
生涯にわたる「リスクを避ける」と言う観点からは、この新型コロナウイルスは様々な将来不安を浮き彫りにしました。

日本の人口減少は止まらないだろう・・・

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