瀬戸のせともの屋

せともののふるさと、瀬戸市の陶器店(加藤兆之助商店)店主です。 瀬戸の話題やせとものの…

瀬戸のせともの屋

せともののふるさと、瀬戸市の陶器店(加藤兆之助商店)店主です。 瀬戸の話題やせともののことなど話しましょう。ちょっとだけでも器や陶器に興味を持っていただけたら、瀬戸のことなど知っていただけれたらと思います。 web-setomono.com

マガジン

  • せとものについて話しましょう

    「せともの」の語源は「瀬戸で作られたり焼き物」。 その瀬戸市で代々陶器屋をやっています。 瀬戸焼について知ってほしいこと、楽しむためのヒント、瀬戸の街のことなど、ぼちぼち書いていきます。 また個人的に見てきた、行ってきた美術展などの感想も。  あなたが器を見たときに「なんか前よりもちょっと深く見えちゃった」…というのが目標です。 どうぞ気楽に、よろしくお願いします。

ストア

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    ねこさら(小皿) 織部

    昨年も販売いたしましたねこの小皿。今年はちょっとモデルチェンジ。 底の高台をなくして、ぺったんこの小皿になりました。そして、より軽くなりました。さらにお値打ちになりました(700円から500円に)。 貫入(釉薬表面のヒビ)にトチ渋を入れる(渋入り貫入)処理がしてあります。汚れを防ぎ、器に面白さを加えます。 織部の掛分けの皿です。一昨年のせともの祭でも販売しました。耳の部分が欠ける心配をされるお客さまもいらっしゃいましたが、普通に使用していても問題はありません(わが家でも使用していてガチャガチャ使っていますが大丈夫です)。 サイズ 11.5x12x(高さ)1.8cm (手作りのため多少の差はあります) ※釉のむら、細かな形など手作りのためひとつひとつ違っています。ご了承ください。
    500円
    加藤兆之助商店
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    せともの・たい焼き(3個セット)

    たい焼きです。陶器(せともの)です。もちろん食べられません。 毎年、せともの祭廉売市会場の当店の目印として山盛りに置いて販売しているものです。 焼き上がり(焼き締め)の雰囲気がたい焼きによく似た感じの粘土を本物のたい焼きを焼く鋳物の型に押し込んで作っています。本物のたい焼きは焼きあがるとふっくらしますが、せともののたい焼きは焼き締まって一回り小さくなってしまうので小振りなたい焼きになります。 廉売市会場では「いったい何に使うのか?」と聞かれることも多いのですが、特に用途はありません。置物として楽しんでいただければ、ですね。 一個一個はみ出したバリの様子とか、餡の(そんな装飾したものもあります)見え具合など違いますので、手に取って好みのものを探していただくのですが、今回のネット販売では残念ながらそれは出来ません(どんな雰囲気かは届いてのお楽しみ)。通常のお祭りでは1個400円での販売ですが、今回は3個セットで1000円とします(送料はかかります、すみません)。 面白いものを探してる、去年会場で見て今年探そうと思っていた方、この機会にどうぞ! ※サイズ11.5x6x3cmくらい。バリの残り具合などにより多少大小はあります。ご了承ください。 くれぐれも食べないでください。ケガをします。机などに直接置きますとキズをつけることがあります。また、とがった部分もありますので取り扱いには十分にご注意を。
    1,000円
    加藤兆之助商店
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    抹茶茶碗(旧・御題茶碗「人」) 安藤敏彦作

    御題茶碗というものがあります。御題というのは宮中の歌会始に出されるテーマのことで、一般から歌の募集が行われます。御題茶碗はその御題に合わせて毎年作られる抹茶茶碗になります。詳しくは下記をご覧ください。 https://web-setomono.com/q_a/q_a003 御題茶碗は普段作家さんが製作する茶碗より手軽な価格となっているのですが、ここでは過去に作られた御題茶碗の在庫をさらにお買い得に販売いたします。 ただし木箱は用意されません。必要な方はオプションから選択してください(追加料金あり)。その際は箱書きを依頼する関係上、多少お時間をいただきます。ご了解ください。 安藤さんの茶碗はとてもおしゃれと思います。POPという言い方もいいかもしれません。そして、ろくろの技術もしっかりした作家さんなので抹茶茶碗としての使い勝手も申し分ありません。少し大振りな茶碗は抹茶茶碗という用途だけでなくカフェオレボウルなどの用途でも楽しめると思います(やっぱりおしゃれでしょ!)。 この茶碗は平成28年の御題「人」にちなんだ茶碗です。人の文字が重なるように正面と裏側に、にぎやかに配置されています。人が集まる楽しいひと時にいかがですか? ※サイズ径12.8x高さ8.8cm。手作りですので多少大小はあります。ご了承ください。 ※商品は手作りになります。ひとつひとつ細かな形状、色合いなど違っています。また、画像では十分な色合いなど再現できない場合がございます。以上、ご了承ください。
    4,400円
    加藤兆之助商店

記事一覧

#36 「野点」っぽいことをやってみた

 毎年、家族で富士・田貫湖に旅行します。そもそも妻の父が富士山大好きで、実家の両親と姉一家とわが家でそこに行くことが恒例になったのです。みんなでのんびりと過ごし…

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地元のケーブルテレビの取材がありました。「せともの祭のおすすめは?」と聞かれてずいぶん「せとものたい焼き」を推してしまった気がします。抹茶茶碗です、もっとおすすめしたいのは。
いろいろ用意しています!

せともの祭まであと22日。

#35 せともの祭2024情報だよ!

 せともの祭まで1ヶ月を切りました。いよいよです。  さて先ずは確認をしましょう。今年、令和6年のせともの祭は…… 9月14日土曜日と15日日曜日の2日間です。 …

#34 エッシャーを見に行く、年パスも買った。

 豊田市美術館。以前も書いたとおり大好きです。近々年パスが値上げされるということで、買いがてら行って来ました。  現在はエッシャー展開催中です。夏休みのエッシャ…

#33 窯が酔う

 毎日「暑いねぇ」とか言わない方がいいのかなぁ、とは思うけど、人に会うとあいさつのように「暑いねぇ」と言葉を交わす今日この頃。さほど酒に強くない私でもビールが恋…

せともの祭に向けて、毎年廉売市に並べてる「せとものたい焼き」を今年も作りました。
同じようなせとものの販売テントが並ぶ会場でお客さんの足と目を止めてみようと作り始めたこのたい焼き。本物のたい焼きの型から作っています。今年は100個用意しています。

#32 皿をコンコン…でわかること

 よくテレビで骨董の鑑定人が古陶器を指でコンコンっとたたいているところをご覧になったことがあると思います。もっと具体的にいうと「開運!なんでも鑑定団」で、中島誠…

せともの祭まで2ヶ月を切りました。ということで、今朝は会場のテントの位置を測って決める作業をしてきました。毎回、これが終わるいよいよ準備を進めなきゃという気分になります。
目印テープ剥がれないでね。
今年は9月14日・15日がせともの祭となります。

#31 瀬戸焼でテーブルコーディネート

 前回(#30)も公募展の話でしたが今回もコンテストの募集の話題。  テーブルコーディネートという器の楽しみ方があります(さらっと書いていますが私は数年前まで知…

せともの祭。今年は9月14日と15日の土日です。

もともとは「陶器のお店(テント)が並ぶ中、お客さんの目を止めよう」という目的で作り始めた「せとものたい焼き」ですが、意外な人気で毎年用意するようになりました。

製作順調。
あと84日。

#30 瀬戸・藤四郎トリエンナーレ

 瀬戸の街を歩いていると「瀬戸・藤四郎トリエンナーレ」作品の募集要項が置かれているのを見かけるようになりました。  瀬戸の陶祖・藤四郎の名が冠された公募展は今回…

#29 織部は風呂につかる

 織部というのは瀬戸焼や美濃焼を代表する釉薬・技法なのはご存知の通りです。  銅を含む釉薬を酸化焼成して得られる緑色の落ち着いた色調です。とても人気がある釉です…

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#28 織部の緑って何色あんねん?

 織部って古田織部の「織部好み」が始まりだったって書きました。今は銅の緑色の釉薬を織部釉と呼んでいます。  「白って200色あんねん」はアンミカさんの発言ですが…

#27 年パスを買おうかいつも悩む

 ゴールデンウイークはいかがでしたか?  近場で豊田市美術館に出掛けて来ました。「未完の始まりー未来のヴンダーカンマー」。展示のタイトルを見てもよくわからず、行…

#26 「織部」って織部さんの好みです

 さて、織部と言えば瀬戸焼や美濃焼を代表する人気の釉薬です(唐突ですが異論はないとは思います)。  緑色の釉。銅を含む釉を酸化焼成することで得られる色合いです。 …

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#25 なんと春岱展は約60年ぶりだって!

 土曜日から始まった瀬戸市美術館の「春岱 稀代の名工」展を見てきました(6月2日まで)。  春岱は幕末から明治に活躍した瀬戸の名工として知られる方。尾張藩の御窯…

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#36 「野点」っぽいことをやってみた

#36 「野点」っぽいことをやってみた

 毎年、家族で富士・田貫湖に旅行します。そもそも妻の父が富士山大好きで、実家の両親と姉一家とわが家でそこに行くことが恒例になったのです。みんなでのんびりと過ごし、朝は富士山の夜明けの写真を田貫湖畔に撮影に行く(義父はカメラも好きだった)のが定番となっていました。
 毎年夏休みに出かけるようになって20数年。小さかった子どもたちもそれぞれ社会人になりました。数年ほど前に義父は亡くなりましたが、みんな

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地元のケーブルテレビの取材がありました。「せともの祭のおすすめは?」と聞かれてずいぶん「せとものたい焼き」を推してしまった気がします。抹茶茶碗です、もっとおすすめしたいのは。
いろいろ用意しています!

せともの祭まであと22日。

#35 せともの祭2024情報だよ!

#35 せともの祭2024情報だよ!

 せともの祭まで1ヶ月を切りました。いよいよです。

 さて先ずは確認をしましょう。今年、令和6年のせともの祭は……
9月14日土曜日と15日日曜日の2日間です。
メモしましょうね。

 廉売市会場は……
名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅周辺です。
電車で来た人は降りると即廉売市会場。車で来ても駐車場はいくつも用意されています。近くの駐車場からうまります。HPなどでご確認を(坂の上の学校やグランドも多いです)

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#34 エッシャーを見に行く、年パスも買った。

#34 エッシャーを見に行く、年パスも買った。

 豊田市美術館。以前も書いたとおり大好きです。近々年パスが値上げされるということで、買いがてら行って来ました。

 現在はエッシャー展開催中です。夏休みのエッシャー……土日はかなりの混んでいると耳にして、何とか時間を都合して平日に行って来ました。

企画展「エッシャー 不思議のヒミツ」
豊田市美術館9月23日まで

 エッシャーといえば「だまし絵」のイメージ(視覚芸術というらしい)。この階段の一番

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#33 窯が酔う

#33 窯が酔う

 毎日「暑いねぇ」とか言わない方がいいのかなぁ、とは思うけど、人に会うとあいさつのように「暑いねぇ」と言葉を交わす今日この頃。さほど酒に強くない私でもビールが恋しい季節です。もう8月だよぉ。

 さて、「窯が酔う」という言葉があります。
窯が酔う、酔っぱらっちゃう…窯も酒を飲むのか?!いったい何のことか?

 一言で窯を焼くといっても、焼き方には大きく分けて酸化焼成(織部や黄瀬戸などはこの焼成です

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せともの祭に向けて、毎年廉売市に並べてる「せとものたい焼き」を今年も作りました。
同じようなせとものの販売テントが並ぶ会場でお客さんの足と目を止めてみようと作り始めたこのたい焼き。本物のたい焼きの型から作っています。今年は100個用意しています。

#32 皿をコンコン…でわかること

#32 皿をコンコン…でわかること

 よくテレビで骨董の鑑定人が古陶器を指でコンコンっとたたいているところをご覧になったことがあると思います。もっと具体的にいうと「開運!なんでも鑑定団」で、中島誠之助さんとかがやっているコンコンのことです。
  一般には「磁器のものは高い音がして、陶器など土物は低い音がする」と知られていると思います。でも一流の鑑定人がたたかなくては磁器か陶器か区別がつかない…なんてはずはありません。では、あれはいっ

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せともの祭まで2ヶ月を切りました。ということで、今朝は会場のテントの位置を測って決める作業をしてきました。毎回、これが終わるいよいよ準備を進めなきゃという気分になります。
目印テープ剥がれないでね。
今年は9月14日・15日がせともの祭となります。

#31 瀬戸焼でテーブルコーディネート

#31 瀬戸焼でテーブルコーディネート

 前回(#30)も公募展の話でしたが今回もコンテストの募集の話題。

 テーブルコーディネートという器の楽しみ方があります(さらっと書いていますが私は数年前まで知らない世界でした)。

 テーマに沿って器などをテーブルに並べて食卓を提案する……という感じに自分は理解しています。そこに実際に料理がなくても、見た人がそれぞれに自分のイメージの中で盛り付けて楽しめます。
 よく料理人の方が「んーー、いい

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せともの祭。今年は9月14日と15日の土日です。

もともとは「陶器のお店(テント)が並ぶ中、お客さんの目を止めよう」という目的で作り始めた「せとものたい焼き」ですが、意外な人気で毎年用意するようになりました。

製作順調。
あと84日。

#30 瀬戸・藤四郎トリエンナーレ

#30 瀬戸・藤四郎トリエンナーレ

 瀬戸の街を歩いていると「瀬戸・藤四郎トリエンナーレ」作品の募集要項が置かれているのを見かけるようになりました。
 瀬戸の陶祖・藤四郎の名が冠された公募展は今回が5回目。トリエンナーレということですので3年に1回行われています。

 今も陶芸の公募展も多くあります。以前はもっといっぱいありました。失われた10年とか20年とか言われる不景気でずいぶん減ったという印象を個人的には感じています。そう考え

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#29 織部は風呂につかる

#29 織部は風呂につかる

 織部というのは瀬戸焼や美濃焼を代表する釉薬・技法なのはご存知の通りです。
 銅を含む釉薬を酸化焼成して得られる緑色の落ち着いた色調です。とても人気がある釉ですが、意外と知られていないのが織部は窯から出て、すぐに完成とはいかないのです。

 通常の釉薬の陶器は窯から出れば完成というパターンです(もちろん、出してすぐは熱くて持てませんが)。普段皆さんが手にする器の状態と変わりありません。ところが織部

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#28 織部の緑って何色あんねん?

#28 織部の緑って何色あんねん?

 織部って古田織部の「織部好み」が始まりだったって書きました。今は銅の緑色の釉薬を織部釉と呼んでいます。

 「白って200色あんねん」はアンミカさんの発言ですが、色というものの奥深さを言い表した見事な一言だと思います。
 織部好みを代表するこの緑の釉薬、織部釉ですが、じゃあみんな同じ緑かと言えば作り手によって違って同じではありません。
 不透明な重い緑だったり、明るい緑だったり、流れで濃淡が出や

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#27 年パスを買おうかいつも悩む

#27 年パスを買おうかいつも悩む

 ゴールデンウイークはいかがでしたか?

 近場で豊田市美術館に出掛けて来ました。「未完の始まりー未来のヴンダーカンマー」。展示のタイトルを見てもよくわからず、行くのを先送りにしていましたが、なんとかギリギリ見に行けました(5月6日で終了)。ヴンダーカンマー(驚異の部屋)は15世紀のヨーロッパで世界中のめずらしいもの、不思議なものを集めた部屋。美術館・博物館の原型とされています。
 豊田市美術館と

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#26 「織部」って織部さんの好みです

#26 「織部」って織部さんの好みです

 さて、織部と言えば瀬戸焼や美濃焼を代表する人気の釉薬です(唐突ですが異論はないとは思います)。
 緑色の釉。銅を含む釉を酸化焼成することで得られる色合いです。
 前回書いた春岱の織部もとてもステキでした。

 織部……もともとは釉というよりも織部好みの器全体を指していたようです。織部好み……この織部というのは戦国大名、古田織部のこと。武人であり、茶人であり、利休の高弟。その織部好みというスタイル

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#25 なんと春岱展は約60年ぶりだって!

#25 なんと春岱展は約60年ぶりだって!

 土曜日から始まった瀬戸市美術館の「春岱 稀代の名工」展を見てきました(6月2日まで)。

 春岱は幕末から明治に活躍した瀬戸の名工として知られる方。尾張藩の御窯屋の家に生まれ、明治10年に没するまで製作を行っています。その作品は「瀬戸焼」の歴史を振り返るような展示では必ず見かけます。

 当店を始めた祖父は古陶器にとても目の効く人だったようです。戦後独立した当時は骨董商に近いような仕事だったよう

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