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せとものについて話しましょう

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「せともの」の語源は「瀬戸で作られたり焼き物」。 その瀬戸市で代々陶器屋をやっています。 瀬戸焼について知ってほしいこと、楽しむためのヒント、瀬戸の街のことなど、ぼちぼち書い…
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#01 初めまして せとものについて話しましょう

#01 初めまして せとものについて話しましょう

note始めます

 2006年からメールマガジンを続けてきました。せともののこと瀬戸のことなど、毎週1回土曜日配信「瀬戸だより」として、17年間で870回を超す配信を行ってきました。我ながらよく続いたものだと感心します。
 ひとまず、当初書きたかったこと、やりたかったことは済んだんじゃないかと思い、そのメールマガジンは定期配信を終了することにしました。残された大量の過去の文章は何かの形で活かしな

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#44 今週、あめんぼう祭が復活するらしい

#44 今週、あめんぼう祭が復活するらしい

 あめんぼう祭と聞いて「久しぶりに聞いたなぁ」という瀬戸の人は多いかもしれません。
 宝泉寺のお薬師様の大祭の日(11月8日と12日)には境内にたくさんの夜店が並び(昔は瀬戸川からお寺までの道にも)子どもの頃の楽しみでした。あまり屋台いっぱいの夜祭りがない瀬戸では毎回たいへんな賑わいでした。
 飴を売る屋台が昔は多かったようで「あめんぼう祭」とも呼ばれて来ました。わが家ではあめんぼう祭というより「

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#43 器の底もよく見なきゃね

#43 器の底もよく見なきゃね

 「底に触れる 現代美術in瀬戸」開催中の瀬戸です。この展示の連携企画で瀬戸蔵ミュージアムで企画展「底・裏を愉しむ」が行われていると知ったので行ってまいりました(11月4日まで!急いで!)。連携企画と言ってもこちらは現代美術じゃありません。

 この企画展ですが、普段企画展示を行っている展示室(新収蔵品展をやってます)ではなく、その奥の昔の映像作品が流されている一角での展示になっています(だから展

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#42 底にしっかり触れてきた(現代美術in瀬戸)

#42 底にしっかり触れてきた(現代美術in瀬戸)

 前回書いた通り瀬戸では今「底に触れる 現代美術in瀬戸」が開催中です(11月4日まで)。

 見てきました。回って来ました。
 たぶん歩いて回ると3〜4時間くらいでしょうか(2回に分けて回った)。まあ地元なので道に迷わず効率よく回れるしね。

 出展されている作家さんは瀬戸と何らかの関係がある人、瀬戸とは縁のない人、様々です。ただ、瀬戸とは縁のない作家さんでも今回の準備段階で瀬戸を訪れたりして作

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#41 今週末から「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」です

#41 今週末から「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」です

 瀬戸はせともの祭、招き猫まつりが続いた9月が過ぎ、ほっとしているところだったのですが、今年は10月も続きそうです。
 「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」が今週末から始まります(2024年10月12日〜11月4日)。最近、瀬戸の街でもポスターなど目にします。

 こうやって書いてはいるものの、私はよくわかっていません。おいおいよくわからないのに書き始めてるのか?!まあそうなんですけど、今週あたり

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#40 瀬戸染付の企画展

#40 瀬戸染付の企画展

 何度も書いていますが、瀬戸の土はきめ細かく白い、そしてその土のおかげで陶器と磁器の両方を生産する稀有な産地です。
 10月5日から始まった「瀬戸染付 ー軌跡そして技と美ー」を瀬戸市美術館で見てきました(11月24日まで)。

 なんとなく瀬戸の焼き物というと織部や志野や黄瀬戸などのイメージで「染付?」……という方もいるかも知れません。江戸時代(19世紀初め)に始まり現代に続く歴史があり、伝統工芸

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#39 次は「来る福招き猫まつり」だよ

#39 次は「来る福招き猫まつり」だよ

 おかげさまで「せともの祭」は無事終わりました。多くのご来店ありがとうございました。
 片付けも済んでホッとしたところですが……今週末は「第29回 来る福招き猫まつり in 瀬戸」が開催されます(2024年9月28日土曜・29日日曜)。招き猫の日が「来る福」にちなんで9月29日ですので、毎年この日に近い土日がお祭りとなります。

 「in 瀬戸」っていうことは瀬戸じゃないところでもやってるんですか

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#38 器選びについてはこう答えています

#38 器選びについてはこう答えています

 器の選び方のコツってあるんですか?

 なかなかシンプルながら核心をつく質問です。
せともの屋さんですからね、こう聞かれたらという答えはいちおう用意しています。もちろん聞かれたことだってありますし。

 色や柄、大きさについてはそれぞれに好みもあるし、今手持ちの器との組み合わせもあるでしょうからそこは「お好みで」「必要に応じて」でいいんです。ただ選ぶ時には必ず手に持ってね、とは言います。

 和

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#37 2024せともの祭情報、追加!

#37 2024せともの祭情報、追加!

 いよいよせともの祭が近づいてきました。会場になる瀬戸川沿いには看板がずらっと飾り付けたれました。
 今年(令和6年)は9月14日土曜と15日土曜の二日間となります。せともの祭情報は以前にも書きました。今回はその追加分となります。

 すでに廉売市会場のMAPが公開されています。

https://seto-tosyo.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024renba

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#36 「野点」っぽいことをやってみた

#36 「野点」っぽいことをやってみた

 毎年、家族で富士・田貫湖に旅行します。そもそも妻の父が富士山大好きで、実家の両親と姉一家とわが家でそこに行くことが恒例になったのです。みんなでのんびりと過ごし、朝は富士山の夜明けの写真を田貫湖畔に撮影に行く(義父はカメラも好きだった)のが定番となっていました。
 毎年夏休みに出かけるようになって20数年。小さかった子どもたちもそれぞれ社会人になりました。数年ほど前に義父は亡くなりましたが、みんな

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#35 せともの祭2024情報だよ!

#35 せともの祭2024情報だよ!

 せともの祭まで1ヶ月を切りました。いよいよです。

 さて先ずは確認をしましょう。今年、令和6年のせともの祭は……
9月14日土曜日と15日日曜日の2日間です。
メモしましょうね。

 廉売市会場は……
名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅周辺です。
電車で来た人は降りると即廉売市会場。車で来ても駐車場はいくつも用意されています。近くの駐車場からうまります。HPなどでご確認を(坂の上の学校やグランドも多いです)

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#34 エッシャーを見に行く、年パスも買った。

#34 エッシャーを見に行く、年パスも買った。

 豊田市美術館。以前も書いたとおり大好きです。近々年パスが値上げされるということで、買いがてら行って来ました。

 現在はエッシャー展開催中です。夏休みのエッシャー……土日はかなりの混んでいると耳にして、何とか時間を都合して平日に行って来ました。

企画展「エッシャー 不思議のヒミツ」
豊田市美術館9月23日まで

 エッシャーといえば「だまし絵」のイメージ(視覚芸術というらしい)。この階段の一番

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#33 窯が酔う

#33 窯が酔う

 毎日「暑いねぇ」とか言わない方がいいのかなぁ、とは思うけど、人に会うとあいさつのように「暑いねぇ」と言葉を交わす今日この頃。さほど酒に強くない私でもビールが恋しい季節です。もう8月だよぉ。

 さて、「窯が酔う」という言葉があります。
窯が酔う、酔っぱらっちゃう…窯も酒を飲むのか?!いったい何のことか?

 一言で窯を焼くといっても、焼き方には大きく分けて酸化焼成(織部や黄瀬戸などはこの焼成です

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#32 皿をコンコン…でわかること

#32 皿をコンコン…でわかること

 よくテレビで骨董の鑑定人が古陶器を指でコンコンっとたたいているところをご覧になったことがあると思います。もっと具体的にいうと「開運!なんでも鑑定団」で、中島誠之助さんとかがやっているコンコンのことです。
  一般には「磁器のものは高い音がして、陶器など土物は低い音がする」と知られていると思います。でも一流の鑑定人がたたかなくては磁器か陶器か区別がつかない…なんてはずはありません。では、あれはいっ

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