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読書日記

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読書日記3『話術』徳川夢心

読書日記3『話術』徳川夢心

読書日記第3冊は徳川夢声著『話術』(新潮文庫)です。著者の徳川夢声さんは、いわゆる知る人ぞ知るという人物でしょうか。肩書は「活動写真弁師」ですが、残された業績はこれに限りません。今回は稀代の漫談家が名著の一端を紹介します。

雄弁術
昨今、「上手なプレゼンの仕方」や「話し方の上達法」などをテーマとした書籍は爆発的に増えました。本が売れない時代にも、このようなハウツー本に手を伸ばす人は一定数いるよう

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読書日記2『グリム童話』池内紀訳

読書日記2『グリム童話』池内紀訳

読書日記第2冊は『グリム童話』(ちくま文庫)です。少し前に、『本当は恐ろしいグリム童話』が話題になりましたが、実際にゾッとする描写が多く含まれています。当noteの筆者も、先週のうら寒い時期にゾッとするものを読んでしまい、少し後悔しています。

子供向け絵本との相違
「赤ずきん」「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」というと、子どもの頃に読んだおとぎ話の世界を思い浮かべるでしょう。話の大筋はそれ

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読書日記1『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里

読書日記1『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里

読書日記の第1冊は、敬愛する米原万里さんの著書です。
『不実な美女か貞淑な醜女か』

私と米原万里
国語教師である私も、かつては野球少年で読書などしていませんでした。そんな私が「たまには本でも読むか」と思い、親の本棚から何気なく手に取ったのがこのエッセイでした。
エッセイというと、エライ実業家が聞きたくもない成功談を語ったり、どこぞの評論家が一方的に体験談を語るようなイメージもあるかもしれませ

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