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指導者はいつも批判にさらされる厳しい役目。サッカーイングランド代表のサウスゲート代表が退任。欧州選手権2度の準優勝など輝かしい功績。黄金期の西武の名将を思い出す

指導者というのは、いつも批判にさらされる厳しい役目だと思ってしまう。サッカーイングランド代表のガレス・サウスゲート監督(53)が退任することとなった。先日まで行われていた欧州選手権で準優勝に導くなど好成績を挙げた。それでも大会中に監督は批判の的となっていた。プロ野球では西武の黄金期の名将を思い出す。監督は切ない仕事だ。

今年の6月から7月にかけて行われた欧州選手権。決勝でイングランドは1-2でスペインに敗れ、悲願の初優勝とはならなかった。

それでも、サウスゲート監督は前回大会に続き、イングランドを2大会で準優勝に導いた。

サッカーの「母国」イングランド。サウスゲート監督が就任する前は、この大会で母国が決勝の舞台に立つことはなかった。それを考えると、サウスゲート監督の功績は大きい。

サウスゲート監督が代表を率いるようになったのは2016年から。2大会前の欧州選手権で、イングランドは「小国」アイスランドに敗れて16強止まりだった。最悪ともいえる状況から、バトンを渡されたサウスゲート監督。そこから母国を立て直したのだ。

就任から2年後の2018年ワールドカップで、イングランドを4強に導いた。代表が4強入りするのは1990年のイタリア大会以来28年ぶり。奇跡の復活劇だった。

しかし、今回の欧州選手権では「戦術がない」など、サウスゲート監督への批判が強まっていた。それでもイングランドは勝ち上がり、決勝では敗れたとはいえ、一時は同点に追いつく執念を見せた。

批判を浴びながらも結果を出す。そこにサウスゲート監督の意地を見た。

そして、プロ野球で西武を指揮し黄金期を築いた森祗晶(まさあき)さんを思い出す。1986年に西武の監督に就任してから3年連続の日本一に導いた。

1989年はパリーグ3位に終わった。シーズンの報告のため、オーナーを訪問したが、この時に「来年はどうするの?(監督を)やりたければ、どうぞ」と言われたのだ。

3年連続で日本一に導いたのに、その翌年に3位に落ちたことを、このような形で「批判」された屈辱は、さぞかし悔しかっただろう。

翌シーズンに西武は日本一を奪還して、森監督は名将の道を突き進んでいった。

サウスゲート監督と森監督。いずれも十分すぎる結果を残しながらも、厳しい視線にさらされ、批判の的となる。指導者は割に合わない仕事なのだろうか。

それでも、サッカーの母国イングランドを復活させたサウスゲート監督の功績は計り知れない。8年間、お疲れさまでした。

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