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ノーヒッター対決。巨人・戸郷投手が投打の活躍で、広島・大瀬良投手を下す。故郷宮崎の大地震に「勇気づけられれば一番」。甲子園出場の宮崎商も勇気を与えるプレーを!

セリーグ首位攻防戦。さらにノーヒッター対決ともなれば注目は高まる。先発投手は共に今季快挙を達成した2人。巨人・戸郷翔征投手(24)が投打にわたる活躍で、広島・大瀬良大地投手(33)を下した。戸郷投手の故郷宮崎県はこの日、大地震に襲われた。「18年間過ごした街。勇気づけられれば一番」とふるさとに思いを馳せた。

東京ドームで8日に行われたセリーグ首位攻防戦。首位広島を2ゲーム差で追う2位巨人にとっては負けられない試合だ。

この試合をさらに盛り上げたのは、先発投手がいずれも今季ノーヒットノーランを達成していることだった。巨人の戸郷投手は5月24日の阪神戦で、広島の大瀬良投手は6月7日のロッテ戦で無安打無得点試合の快挙を成し遂げていた。

ノーヒッター対決にふさわしく手に汗握る投手戦。両者とも六回まで無失点。きれいにイニングスコアに「0」を並べていった。

大記録を達成した投手同士の火花が散り続ける中、試合はラッキーセブンに突入。

巨人打線は今季、この試合まで大瀬良投手との3度の対戦で、1点も奪えていなかった。何としても先制して、戸郷投手を援護したい。

この回、先頭打者から2者連続安打で無死一、二塁の好機を作ると、7番モンテス選手が左中間へタイムリー二塁打。ついに先制した。

そして満塁となった後に、打席に立ったのは戸郷投手。初球の高めのカットボールを振り抜くとレフト前への適時打となった。巨人は大瀬良投手を攻略して、この回5点のビッグイニングとした。

自らのタイムリーもあれば、戸郷投手もさらに勢いを増す。残りの2イニングをヒット1本に抑えて完封勝利を挙げた。この試合、118球を投げ、被安打5に抑える完封劇。巨人は首位広島に1ゲーム差に迫る大きな勝利となった。

この日の夕方、戸郷投手の故郷宮崎県で最大震度6弱の地震が起きた。地元の都城市は震度5強だった。

県北にある延岡市の聖心ウルスラ高校に通い、3年夏の第100回全国選手権で甲子園のマウンドに上がった。昨春のワールドベースボールクラシックで世界一になった侍ジャパンのメンバー。その際は宮崎県民栄誉賞を受賞している。今や「宮崎県の顔」となっている。

試合後のインタビューで地震について問われると、「18年間過ごした街。みんなの無事を祈りたい」と故郷に思いを馳せた。「勇気づけられれば一番」と、この日の好投につながった。

高校野球では夏の甲子園が開幕している。宮崎代表は宮崎市の宮崎商。3年ぶり6回目の出場となる。10日に中京大中京(愛知)と初戦を戦う。

宮崎県出身の戸郷投手同様に、宮崎商の球児たちには地元の人たちに勇気を与えるプレーをしてほしい。自分にできることを最大限に発揮することが重要だと思う。

プロ野球のノーヒッター対決は見応えがあった。そして開場100年を迎える甲子園でも宮崎商の選手たちがはつらつとしたプレーを見せてほしい。それが地元の人たちにとって、勇気づけられることだと思うから。

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