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詩 (単独)

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#自由詩

逃避乞

深夜 無理やりにカフェインを詰め込んで クーラーもつけっぱなしで外へ飛び出して 空っぽのバス停留所に座りタバコを吸う   意味も動機もありやしないのに  ただ衝動として湧き出たどうにもならない落ち着かなさが  落ちきった帳をちぎって僕を誘い込む   都合よく忘れた傷だらけの自分の体に  更に自傷を重ねる馬鹿らしさ哀らしさも  僕の全部ごと闇に紛れて溶けていくような  今はただ そんな甘えを晩夏の夜

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うとうと

うとうと

例えばミルフィーユのラビリンスにあなたがいたとして。ミルフィーユのラビリンスってなんだって話ですけどそれはその何層にも積み重なった幾何学的な?あの、そう模様の、迷路だって事が言いたかったんですけど、お菓子の壁でできてるって訳じゃなくてそういう事が言いたかったんですけど、はい。そこであなたが、突然目覚めて、わけも分からないまま連れてこられて目が覚めたら急に、なんだここ、ミルフィーユのラビリンスだ!っ

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夜の田んぼ

夜の田んぼ

見つけちゃった見つけちゃった
そんな子供干してしまえ
枯らしちゃった枯らしちゃった
とどのつまりのして蹴った

板に乗ったあなたたちは次の次の遠い君に
苦し紛れ吐いて捨てたもう昔の宿り木に
風を切って放り捨てた夜の田んぼ気持ちいいね
ああだこうだ空に舞った赤と黒の僕の声

見届けてた見届けてた
生ぬるさと暑苦しさ
寝かしつけた寝かしつけた
廻る月の方

見つからないように息を殺して
扉を開けて閉め

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カノン

カノン

雨 降り始めた夜の11時
曇りガラスを開けずに見た月は
僕に今残った全部の歴史を
今さら摘み直させるんだ
暗闇に飽き飽きした僕は外の声に
ただじっと耳をすまして聞いてみたんだ

神様がいた窓越しの大きな光は
地平線の彼方から伸びる銀河鉄道の線路を
大きな楕円の螺旋状に連ねていた

汽笛を鳴らして何処かへ 連れられて行く君を
追いかけずにただ僕はじっと寝転ぶ夜だ
昔 願った僕の幸福主義を 踏みにじる

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見過ごしたんだ

見過ごしたんだ

池袋駅に止まって開いたドアをじっっと見つめて、ただ見つめて、動かないで、ただじっと見つめる。それが何を意味するでも、その先に待つ何があるでもない。ただその行為思考から、意味を引き剥がしてそれから完全なフラットになるんだ。いいかいそのまま、そのままにしておくんだ。

上板橋〜!上板橋〜!朧気な視界に何とも言えぬ浮遊感。再び産まれ落ちた現実は、生暖かいプラットホームに流れるサイボーグの鳴き声と少し効き

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イカに蝕まれながら

イカに蝕まれながら

賞味期限切れの感動の名曲を思い出した夕方の車内はセピアで塗り尽くされた遺跡だった。

公衆便所で目を覚ました明け方の僕は、さっきまで気にしていたはずの彼女の在処を既に大海へ流してしまっていて

見知らぬ街は面影を再生するたびに姿形を変えて何処へとやらへ逃げていく。バイパスに面した生活がおもむろに人々の正気を蝕んでいくのが何故だか目を通して解るようになっていた。

失った正気を取り戻した僕は、再び公

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アナログ執着

アナログ執着

チッ チッ チッ チッ 
ブー ブー ブー チーン(繰り返されるアラーム)
午前 8時 00分
午前 8時   1分  白
午前 8時   2分  アメリカでは午後7時2分
午前 8時   3分  黒 見えないお空の彼方の雷雲
午前 8時   4分  白
午前 8時   5分  黒白黒
空   決して混じり合いはしない   執着執着
(アラームが止まる)

1.あれ、まだあの子今日は帰ってきてない

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十六夜

十六夜

見えない三日月の影を親指で隠しますとね、ふと、人は自分以外が分からなくなってしまうんです。影は影で、見えにくい物の哀れを楽しむのが、楽しく生きる術の一つなのです。

30分

30分

また繰り返してる 繰り返してる
30分ごとに私は休憩 僕は仕事を悲観して終生
頭の中の空白を探して30分 30分の労働
どこからか どこからだ 
どこからか砂が流れ込む
砂が流れ込むどこかを追いかけ30分 30分
空白は 最早空白ではない30分 30分

(間奏)

汚れちまった悲しみは放置

汚れちまった悲しみは放置

うんと両腕を天に伸ばして、腰を落として、身体をくの字に押し曲げる。
ゆっくりと時間をかけて、全身がはち切れんばかりの痛みと心地良さを抱えた限界の体勢。
ここでキープ。ずっとキープ。
風が止みやがて虚無が訪れるまで、
ずっとキープ。
新宿駅、山手線14.15番線の間。
ずっとキープ。
じわじわと痛みに比べ心地良さの比率が増していく。風と日差しが肉体を浄化させていく。
きょうは日曜。

ひとりぽっちよりの跡

ひとりぽっちよりの跡

蹴った   蹴った   蹴った   蹴った

伸びた

蹴った   蹴った   蹴った   蹴った

伸びた

蹴った   伸びた   蹴った   蹴った

産まれた

産まれた   生まれた   産まれた   生まれた

泣いた

鳴いた?   鳴いた   泣いた!   泣いた

立った

立っち   立った   立っち   立った

転んだ



開かれたアルバムを背に
家を出ていった母親は

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波

圧迫されています。
ひどく、ひどく圧迫されています。
身も心ももう押しつぶされて消えてしまいそうです。
圧迫されています。
ひどく、ひどく頭を蝕むように、じわじわと脳細胞を圧迫していきます。

聞き飽きました。最初は良かったです。
ですがもう聞き飽きました。
機械音声の敬語ほど気持ちの悪いものはありません。

ミームと化したこの情景も、そろそろみんな聞き飽きた頃じゃないか。
気持ちの悪い。気持ちの

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