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ミニマリストとファッション誌

今年の冬も、セールで服を買うことはなかった。

1月を過ぎたら、冬物を手放すことはあっても買うことはない。
来年用に安く買う、過去の私はそうやって買い物の失敗を重ねていた。
「今」は「来年」ではない。来年は来年の自分がいるし、トレンドは確実に変化する。

買い物をするのは、シーズンの初めである。
シーズン途中で買い足すこともあるが、アイテム数が増え過ぎないように「手放した後に買う」というルールは頑なに守っている。

私はプロモーションのために一日に何度も着替えるモデルではないし、我が家のウォークインクローゼットはとても狭い。

私という体は一つだけ。必要な服の数は知れている。

たくさん見て、見て、見まくる

ファッション雑誌は、めちゃくちゃ読む。
女性向けファッション誌はもちろんだが、2ndなどのメンズ雑誌も好きである。
&Premium暮しの手帖美容雑誌も読む。

買い足すトレンドアイテムの下見のためだけではない。
手持ちのアイテムをその時のトレンドに合わせてどう活かすかのヒントを得るためである。

ミニマルに、シンプルに。
モノを増やさないためには、入念なリサーチが必要だ。


雑誌はその時の旬が詰まった、特別な本である。
記者・編集者たちが足を使って取材をし、印刷の前に何度も校正を重ねて選び抜かれた情報は、すぐに修正・削除ができるインターネット記事とは全く異なるモノである。

雑誌を読み、SNSで探して、また雑誌を読み、お店で見る。
信頼度・精度の高い雑誌とインターネット、トレンドリサーチにはどちらも必要だと思う。

トレンドの目印を探す

好きなテイストの雑誌はもちろんだが、好みではないテイストの雑誌も読む。
「トレンド」「傾向」はどんなテイスト・年代にも影響を与えている。
色々な雑誌を見ていると「今は全体的にこれが流行っているんだな」という目印がだんだん見えてくるのである。

このアイテム、あのテイストが好きな人はどんな風に着こなすのだろう?
あのテイストにこの形を落とし込んだら、どんなシルエットやコーディネートになるのだろう?

「意外にこの組み合わせは可愛い」と思うものが見つかることもあるので、色々な雑誌に目を通すことは決して無駄な行為ではない。

何冊も読んでいれば、自分の手持ちアイテムで真似できそうなスタイルが一つは見つかる。
トレンド色の入れ方、小物の使い方、シルエットのまとめ方などを参考にし、どうすれば今っぽい着こなしに変換できるかを考えてみる。

トレンドの目印がわかれば、買い足す場合でもアイテムを絞りやすくなる。

SNSと、ファッション誌

何が流行っているのか分からないときは、SNSではなく雑誌を開いてみる方が良い。

雑誌なら「オススメ無限地獄」「関連情報巡礼の旅」に誘導される心配なく、ゆっくり満遍なく様々な情報を確認することができる。

SNS上での検索は便利だが、興味のある分野ばかりに偏りやすい。そもそも、偏っていることに気付きにくい。
「自分に似合うモノ」を探したい時は広く満遍なく視野を広げてくれる雑誌の方が向いていると私は思う。

SNSで「春の全身コーデ」を検索するのであれば、実際に街に出ておしゃれな人を観察した方が良いと私は思う。
SNSは「リアルタイム」かもしれないが、真の意味での「リアル」かどうかは分からない。

街を歩いている人、カフェでおしゃべりをしている人々、買い物を楽しんでいる人、そこに存在するのは、加工されていないリアルな姿だ。

ページをめくる、贅沢な時間

お茶を用意して、スマートフォンの通知を切り、ゆっくり1冊の雑誌を読む。

自分のペースで情報を吸収し、選別する。
美容情報や旬のレシピ、コラムやエッセイは季節を感じさせてくれる。
信じてはいないけれど、巻末についている星占いはちょっと楽しい。

また読みたいと思ったページや欲しいアイテムが見つかったら付箋を貼っておき、時間を置いてまた読み返す。
ミニマルに、モノを増やしすぎないために、時間を置くことで冷静に判断を下せるようになる。

雑誌は、テレビや動画・SNSでは得られない満足感を与えてくれるもの。
いつまでもなくなって欲しくない存在である。


美容雑誌は付録もとっても楽しい。

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