見出し画像

【書籍紹介】人間は「心が折れる」からこそ価値がある

「会社経営において売上を上げることと、社員のやりがいを追求することはどちらが大事でしょうか?」

こう聞かれたらあなたは何と答えるでしょうか?

「社員のやりがいを追求したとしても、最終的に売上と利益がでなかったら会社は存続できないので、売上のほうが重要だ」

現在の企業ではおそらくこう考える人のほうが多いのではないでしょうか?
その結果、企業は売上と利益のためには会社で掲げたビジョンや経営理念を簡単に捨てて、目の前の業績を優先させています。

そして、その考えに同意し、どんなことがあったとしても「折れない心」で売上を上げ続ける人が評価され、昇進していきます。

元々はそんな考えではなかった人も、会社で生き残るためには、この考えに同調しなければならず、次第に売上と利益を優先させるようになります。

しかし、心のどこかでは常に矛盾を抱えています。しかしそれに反論出来るだけの発言権も理論も持ち合わせていません。

やがてその心の矛盾は大きなストレスとなって襲い掛かってきます。そしてそのストレスは次第に心身を追い詰めていき、気が付いたときには「鬱」を発症し会社に行くことが出来なくなるのです。
(もしくはその前の段階で「この会社にはもういられない」と言って会社を去ります)

こうして会社には売上と利益を優先する人間が残っていきます。そして会社は売上を上げ続けることが出来るのです。

人工知能と人間の差

いかがでしょうか?

もしかしたら現在あなたは上記のような会社に勤めているかもしれません。
そして「お金を稼ぐためには甘いことは言っていられない」「ビジネスとは生き馬の目を抜くような過酷な現場を生き抜いてこそ継続できる」と考えているかもしれませんね。

実際ビジネスを効率的に経営するために論理的に考えたらこのような結果になるはずです。

しかし、あなたはこんな会社や社会が正しいと思いますか?

折れない心を持った人だけが生き残るような社会が本当に皆さんが望んている社会でしょうか?

この考え方に著者は真っ向から否定しています。

「折れない心だけなら人工知能に人間が勝てるはずがない」
「人間は心が折れるからこそ価値があるのだ」

著者の苫米地英人博士は1970年代から人工知能の研究を始め、どうしたら人間らしいコンピューターを作ることができるかを研究してきました。

その中で最も難しく、そしていまだ辿りつけていない問題が「人工知能に心が折れることを実装すること」だというのです。

実は人工知能を人間らしくするためには、人間が持つ「情動(感情)」を持たせなければならず、これを身に着けさせることが最も難しいことなのです。

人工知能は人間の能力をとっくに超えている

現在のAIやテクノロジーの進化の話しになると、2045年にシンギュラリティが訪れ、人工知能が人間の能力を超えてあらゆる物事を人間にとって代わって行うようになり、私たちの職業の殆どはテクノロジーに奪われるといったような議論があります。

しかし、著者は「現在のAIと呼ばれるものの延長線上に、人間を超えるコンピューターは生まれない」と言います。

それは、現在のAIは統計処理を超高速で行っているだけで、人間が本当に行っている思考とは全く違うプロセスだからなのです。

そして、AIが人間の能力を超えると言っているのは、部分的な話しであって、そんなことならとっくにコンピューターは人間を超えているのです。

例えば四則演算だけなら、電卓の計算スピードには人間は50年以上前に既に抜かれています。

また世の中にある情報を見つけてくる能力に関してはGoogleの検索に人間は逆立ちしても叶わないでしょう。

要は

「何をもって人間を超えたとするのか?」

ここを定義しなければ全く意味がない議論であり、人間が行うすべての思考や、コンピューターが意識を持つというのは、今の統計処理がどれだけ高速化したとしても、訪れることは無いのです。

「論理的思考>感情的思考」の現代社会

最近ネットでニュースを見るとたびたび「ひろゆき」さんの言葉が取り上げられているのを目にします。

最近の子供はひろゆきさんを真似して親に口答えをするようになっているそうです(笑)

なぜひろゆきさんがここまでもてはやされているのでしょうか?

おそらく彼の論理的な思考がウケているのではないでしょうか?

感情的な思考を一切持ち込まず、論理的に考えたらどういう結論になるのかということをひろゆきさんは話してくれるため、それが痛快なのでしょう。

しかし、私はひろゆきさんの論調はまさにAIが得意な領域なのではないかと思います。

人間には「論理的思考」と「感情的思考」の2つがあります。

これまでの日本人はどちらかと言えば「感情的思考」が優位だったので、「論理的思考」が得意なひろゆきさんのような人の言葉が新鮮に映っているのだと思います。

しかし本来この2つの思考は両方を使えることが重要で、どちらか一方しか使えないということが問題なのではないでしょうか?

これからを生きる私たちが持つべき能力

この本ではこれからを生きる私たちが目指すべき方向性が提案されています。

世の中では「心を鍛える」「論理的思考を身に着ける」など、人間がコンピューターに近づくための方法のほうが価値があるかのように言われています。

しかし、もし私たちがコンピューターを目指したのであれば、それこそ本末転倒ではないでしょうか?

人間は人間にしか出来ない能力が備わっていて、それこそが人間がコンピューターに勝っている部分であり、それが何かをしっかり見据えたうえで、生きていくことが求められているのです。

この本を読むことで、人工知能と人間の本当に違いが理解でき、未来に対して希望をもって生きるための指針になると思います。

その他の苫米地英人著書一覧

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

また一対一のコーチングをご希望される方は下記フォームから「コーチング希望」とお書きいただきお問合せください。折り返しご連絡させていただきます。

#毎日note #毎日更新 #note #人生 #日常 #毎日投稿 #コーチング #ビジネス #自己紹介 #生き方 #note毎日更新 #仕事 #働く #やりがい #幸せ #お金 #私の仕事 #子育て #教育 #マネジメント

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?