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ライフワークのような

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太平洋戦争の後半、昭和18年以降、戦局の潮目が変わり、米軍の反撃攻勢に敗退を重ねていった日本軍、とりわけ陸軍、中でも下級兵士たちが、どう戦いどう敗北潰走していったのか、また終戦後…
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#コラム

「東京裁判」4Kデジタルリマスター版と私

「東京裁判」4Kデジタルリマスター版と私

1,はじめに私の妻は会話の時、必ず、間違いなく、「主語」を省略する。だからいつも、私の返事はまず「何の話?」から始まるのである。
妻「ほんとにもうトンチンカンでやんなっちゃう」
私「何の話?」
妻「え?決まってんじゃん、ばあさんの話だよ。やばいよ、ばあさん、話した途端に忘れていくんだよ。いいや、話す前から忘れちゃってる、ここまで来るとこわいわー」
私「ごめんな、今の今まで、来週末、東京へ行くとき何

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NHK 戦慄の記録「インパール」再放送を見て

NHK 戦慄の記録「インパール」再放送を見て

1,はじめに変な党が国会をざわつかせているが(NHK から国民なんちゃら党)、一方私はNHKまだまだ捨てたもんじゃない、なかなかいい番組作ってるね、と時折感心して見ている今日このごろなのである。
さて、これから書くのは「戦争」についての記事である。今更ながらの太平洋戦争の記事など、今の若いみなさんは興味もないだろうし、まず読まないだろうから、ていうか読まなくていいから、おじさん、この記事の結論を先

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映画「主戦場」を観て

映画「主戦場」を観て

(はじめに 昨日の京都アニメーション放火事件でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、ケガをされた方の早い回復完治を願っております。)

日砂恵ケネディ
朴裕河(パクユハ)
渡辺美奈
杉田水脈
櫻井よしこ
山本優美子
尹美香(ユンミヒャン)
イン・ミョンオク


私の住む山の町にもやっと「主戦場」(ミキデザキ監督)がやってきたので早速、観に行ってきた。るんるん。

感想ーーー

私は「主戦場

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「野火」を読む

「野火」を読む

美しい女をみた。眼福とはまさにこのことを言う。
盆前のある日の昼過ぎ、私と妻は、最寄りの大きなJR駅まで、帰郷する娘を迎えに行った。里帰り客と観光客で駅全体が混んでいたけれど無事に会えた私と娘は、早速、駅ビルの一角にあるスタンディングバーへ行って、おいしい地ビールを飲むことにした。
駅コンコース寄りに位置する地域の老舗土産屋と、奥にあるレストラン街を分けるように、ちょうど真ん中あたりにそのバーがあ

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NHK取材班「責任なき戦場 ビルマインパール」を読んで

NHK取材班「責任なき戦場 ビルマインパール」を読んで

「週刊現代」3月31日号No books No lifeでは古谷経衡(ふるやつねひろ)氏の「我が人生最高の10冊」を紹介している。
私は彼の推薦している書名を見て、誠に失礼ながらヒャッホー!嬉しくなってしまった。私の推し分野そのものだからで、そこには太平洋戦争というわが国の歴史史上最大の失敗に関する書籍が並んでいたからでもある。古谷氏は、太平洋戦争における日本軍、とりわけ軍首脳が行った作戦の持つ本

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「戦慄の記録インパール」読後に東電強制訴訟を考えた

「戦慄の記録インパール」読後に東電強制訴訟を考えた

今回読んだ本「戦慄の記録 インパール」は同名のNHKスペシャルとして2017年放送され、その後大きな反響を呼んだものを、補完し書籍化されたものである。DVDも発売されているようである。
この本の貴重かつ有益なところは、インパール作戦を、計画、承認、遂行 敗退、と時系列的に正面方向から分析するのではなく、側面、つまり作戦に参加し生還した元兵士や、作戦遂行当時、途上の村で日本兵と関わった現地の人たち、

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恋愛もしているからと思う猪瀬直樹

恋愛もしているからと思う猪瀬直樹

このnoteに集まっている、君たち優秀な諸兄と違って、私、閑職につき基本ヒマなんですよ。定時退社からの毎夜、リビングに作ったコタツに首まで潜り込んでは、YouTube、あれやこれやずっと見てます。検索はその時々の気分で入力、宇宙の真理から天地真理(あまちまり)まで、ありとあらゆる動画拾っては閲覧しています。
天地真理は「恋する夏の日」がお勧めです。
さてそんなYouTube、いつものように口を開け

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「日本軍兵士」を読んで

「日本軍兵士」を読んで

先週の月曜日の夜、激しい悪寒に襲われ、そのまま撃沈。1週間ほど流行の波てやつに乗ってきた。「インフルエンザ」初体験てやつ。
翌火曜日より戦国の武将真田信繁「真田丸」よろしく徳川(妻)から蟄居を命じられ、九度山(書斎)へ幽閉の身となり、真田紐を編んで(読書)数日を過ごしたのである。
今週初めより出社。初日などはインフル明けおじさん実にオドオドと、一応マスクなどして、職場友人への態度はまことに控えめ、

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靖国神社の奥に問いたい

靖国神社の奥に問いたい

そもそもnote記事の殆どは、家の机上ではなく近くのマクドナルドで、夜の9時も過ぎてお客がほとんどいなくなった時間帯を狙って出かけていき、こっそりと書いたものだ。コソ書きってやつね!しかも店の奥隅、トイレの手前、多少おいにーの漂う角(かど)席。ヘッドホンして鼻歌している変なおじさんいつもいるしー、なんだかキモイー、と女子店員には訝しげに(いぶかし)見られている(のかもしれない)。なのでこの陰気な環

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靖国神社と遊就館から考える・・・  その1

靖国神社と遊就館から考える・・・  その1

(この記事はあくまで私の歴史認識を整理し開示したもので、個人的主観に基づくものです。誰をも攻撃したり誹謗中傷する意図はありません。)

私は前回の記事「靖国神社さんに質問があります」でも書いた通り「失敗した戦争の、失敗ざま」について、為政者や将官ではなく、むしろ下級兵士兵隊たちはどう凄惨な体験をしてきたのかを読書勉強してきたつもりでいる。その中で生まれた疑問や矛盾を解き明かそうと、今回、靖国神社お

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靖国神社と遊就館から考える・・・その2

靖国神社と遊就館から考える・・・その2

読まなくていいよ、という割には、横書き文章で読みやすくする工夫をあれこれしてみました。改行多め、段落多め、目次入れーの、見出し増し増し、かなり読みやすくしています、これでも(汗)。

また、以下は靖国神社と遊就館に実際行ってみての、私の主観に基づく考察です。誰をも攻撃、誹謗中傷する意図はありません。

要点1,靖国神社参拝は私個人にとっては顕彰ではなく慰霊であった。
2,遊就館は戦前の体制追認をす

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靖国神社と遊就館から考える・・・その3(おまけつき)

靖国神社と遊就館から考える・・・その3(おまけつき)

今日日(きょうび)の言論界をブルブル揺さぶる論客、古谷経衡(ふるやつねひら)のTwitterではこんなことがつぶやかれていた。

この兄ちゃん、いつも突拍子もないツイートを連発するので読んでいて楽しいのだが、この強面ツイートに対して、誰ぞやのフォロワーが「おそらくご意見の日本と韓国を入れ替えれば意味が通じると思います」と返していた。古谷の考えの方向が逆だと批判的に指摘しているのだが、私はここでちょ

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法政大学沖縄文化研究所「沖縄を考える」を聴講する

法政大学沖縄文化研究所「沖縄を考える」を聴講する

いくつかの大学では一般社会人も聴講できる講座があるようだ。しかしこの法政大学沖縄文化研究所の主催する総合講座「沖縄を考える」は、前期後期合わせて27,8回開催されているようで、しかも事前の申請も必要なく無料。午後3時からの講義とのことなので、同日午前に見た日本近代文学館「太宰治展」のあと、この授業を聴講する事にした。

1、講義前期日程の第5回は「対馬丸から今を考える」。
講師は沖縄県那覇市にある

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遊佐准尉を訪ね、戦争を考える

遊佐准尉を訪ね、戦争を考える

(注意・・・終戦直後、自決された一陸軍士官の方を調査し、現地を訪れ以て慰霊をするという話です。戦争を繰り返さないために必要だと信じて記事をアップしていますが、苦手な方は読まないで下さい。内容に問題がありましたらコメント欄に入れて下さい。)

1,はじめにその慰霊碑にはこう書かれていた。

「遊佐元航空准尉並妻子殉国慰霊碑」

梅雨の合間の休日、雨を吸ったのち陽に炙られた林が湿気を放つ、そんな中で、

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