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✏️何度も読み返したい「スキ」であふれているマガジン✏️

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心に残ったことば・しゃしん。 何度も何度も読み返したい。
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2023年3月の記事一覧

「美談にしないでね」ぼくの母校は震災遺構

「美談にしないでね」ぼくの母校は震災遺構

「美談にしないでね」

ことし1月、母校で開かれた同窓会で、同級生たちから言われた言葉だ。
12年前のあの日、ぼくの母校は津波に襲われ、地域で多くの人が亡くなった。
そして、ぼくと家族はすぐに県外へ移った。

「ぼくは被災者なのか」
「あの日のことを伝えていいのだろうか」

記者として、ひとりの人間として、ずっと考えながら生きてきた。

あの日ぼくらはこの学校にいた石巻市立門脇小学校。「門小」の名

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そこでなにを育てるか。

そこでなにを育てるか。

読み返すことがあったときのために、いちおう書いておく。

きょうはWBCの決勝だった。日本対アメリカで、午前8時から(実際には8時20分過ぎから)試合がはじまった。数日前に乗ったタクシーで、運転手さんがしきりに大谷選手とヌートバー選手の話をしていた。試合の結末、そして最終イニングについては、もう書かない。忘れるはずがないからだ。

試合後のインタビューや記者会見で、たくさんの選手・監督・コーチ陣が

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「自分の小さな"やりたい"を叶えてあげる」朝焼けを観に、鎌倉の海へ

「自分の小さな"やりたい"を叶えてあげる」朝焼けを観に、鎌倉の海へ

昨年の10月頃から、「今は仕事や自分の人生のことに集中しなくては」という気持ちが強く、時間とお金を自分の「やりたい」に使えなくなっていた。人とも会わず、出掛けもせずに、自分の内面にこもっていた。思えばあの時期は苦しく、息が詰まっていた。

年明け頃から、今後の自分の方向性がある程度明確になり、心に余裕が生まれ始めた。そして、数多くの友人に会った。みんな3~5年くらい会っていなかったような友人ばかり

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#38 自信を失っていた時期、私をすくいあげてくれたのは【伊佐知美の頭の中】

#38 自信を失っていた時期、私をすくいあげてくれたのは【伊佐知美の頭の中】

今日の朝、目が覚めたらまだ5時半で、窓の向こうはまだ真っ暗。夜の世界で。

それでも、久しぶりに聞く、けれど聞き慣れた虫やカエルの鳴き声、バナナの葉が風に揺れてこすれる音、遠くから風に乗って運ばれる春と夏の間の波の音が、丘の上のこの2階の部屋まで届いていて。

沖縄の読谷村に戻ってこられて、眠って、目を覚まして、海が見える部屋にいる。その事実がどうしようもなく嬉しくって、本州よりも30分ほど遅い6

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その仕事は「再生産」する意味があることか

その仕事は「再生産」する意味があることか

「料理長」になるための教育はない。

取材でそう聞いたときは驚いたが、考えれば考えるほど、たしかに料理長以外にも「◯◯長」と呼ばれる役職の仕事は、手取り足取り教えたり言語化して引き継ぎしたりできるものではないと納得した。

現場を滞りなく回していく責任者としての「副◯◯長」までは、誰がやっても回るようにある程度マニュアルもあるし、こうあるべきという正解もある。

しかし「副」がとれて「◯◯長」にな

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