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おとこらむ oto-column

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「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏… もっと読む
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#レトロ

数多くの大ピアニストを輩出したレシェティツキ派を歴史的なレコードで辿る、音のドキュメンタリー・シリーズ

100年以上前に空気を振動させた音が、21世紀の空気をまた振動させ僕たちの耳に音楽を届けてくれる。レコードというのは非常に不思議なタイムカプセルです。クラシック(古典的)音楽という名称がつけられていますが、作曲された当時では最新の音楽だったわけで、現代とは全く別次元のライフスタイルの人たちによる芸術や娯楽だったのです。実際その当時の演奏家たちはどのように音楽を受け止めて、どのように表現をしたのか、

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ロシアの憂鬱・類を見ないデリケートなピアノタッチによる珠玉の名演奏



ロシアに生まれたニコライ・オルロフ(Nikolai Andreyevich Orloff [26 Feb.1892 - 31 Mar.1964], Pianist) は、モスクワ音楽院でピアノをコンスタンチン・イグムノフに、作曲と対位法をセルゲイ・タネーエフに学んだ。ピアニストとしてデビューを果たした1912年には、作曲者自身の指揮でグラズーノフ「ピアノ協奏曲」の初演も務め成功を収めている。

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新発掘SP音源フリードマンの「告別のワルツ」を世界初復刻

「レシェティツキの弟子たち 第3集」(1880〜1882年生まれのピアニスト)● アルトゥール・シャタック(1881-1951)
バッハ:シチリアーノ(プライヴェート・アセテート録音)

● リヒャルト・ブーリッヒ(1880-1952)w/ウェズリー・キューンル
バッハ:コントラプンクトゥス第6番〜フーガの技法より
(プライヴェートSP録音)

● ミヒャエル・フォン・ツァドラ(1882-1946

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ニコライ・オルロフ ショパン名演集

01. バラード 第1番 ト短調 作品23
02. バラード 第4番 へ短調 作品52
03. 夜想曲 第5番 嬰へ長調 作品15-2
04. 夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27-2
05~08. ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58(全曲)
09. 幻想曲 へ短調 作品49
TOTAL TIME : 69’ 41”

【CD解説】ロシアに生まれたニコライ・オルロフは、モスクワ音楽院でピアノをコ

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コリン・ウィルソンが愛したスクリャービン〜19世紀ピアニズム「ユリウス・イッサーリス : スクリャービン/24の前奏曲集+2」

コリン・ウィルソンが愛したスクリャービン〜19世紀ピアニズム「ユリウス・イッサーリス : スクリャービン/24の前奏曲集+2」

~ Fragments of History ~
ピアニストの黄金時代を担ったピアニストたち(6)

スクリャービンの初期作品はショパンの作品形式を精神的にも受け継ぎ、練習曲、夜想曲、ワルツ、マズルカ、ポロネーズ、前奏曲、と同スタイルの名曲を多く残した。中でもショパンをも凌駕する白眉の出来は「24の前奏曲集 作品11」である。

ロシアの神秘主義作曲家としられるアレキサンドル・スクリャービンは、サ

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