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#写真
#3.天国ってきっと、こんな場所だ。
日記を始めてから、外への意識がだいぶ増えたように思う。
なんとなく歩いていたいつもの道端に、知らない花が咲いていることとか、ふと見上げた時の空の豊かな表情だとか、お隣さんの夕飯の献立とか、今まで気づかなかったこと、見てもすぐに忘れていたことを、
面白い!ようく覚えておこう!
そんな風に思えるようになった。
変わり映えのしない退屈な日常に、こんなにも小さな感動や出会い、発見が隠れていたなんて、嬉しい
#27.ぱちぱち、ぱちん
宅配の荷物を受け取ったら、その瞬間爪が割れた。
当たりどころが悪かったようで、あまりにも華麗にぱきっと行った。
痛くはなかった。
乾いた音が耳に残った。
仕方がないので爪を切る。
両手の爪を短く揃える。
爪切りで短く揃える。
ぱちん、ぱちん、ぱちん。
小気味良いリズムで、ぱちぱち、ぱちん。
あれ?ゴミ箱の上で切っていたはずなのに、切った爪は何故だかベルトコンベアにのって、運ばれていく。
#28.光さすように
地下に眠る絶滅した古代生命体の化石に名前がついたとニュースで報じられていた。
どの時代を生きたのか、現代の生命体のどれと近しい種なのかはいまだ分かっていないそうだ。
どこの誰かもわからないのに先に名前がつくのか、とも思ったけれど、便宜上名前があった方が取り扱いやすいのだろう。なんて想像をする。
彼の名前は「ルークス」古い文明の言葉で
“光さす”
という意味だそうだ。
謎めいた過去の歴史に“光さす”
#30.ひとりで帰ろう
風邪をひいた。朝からなんとなく調子が悪いような、身体が重たいような、底冷えするような感じがしていたが、低血圧と寒さのせいと考え、とりあえず白湯をのんでモコモコ着込んだ。
昼ごろ、どんなに暖かい格好をしても一向に寒気がましにならないどころか、頭痛までしてくる始末だったので抵抗やむなく、体温を測ると中々な高熱が記されていた。
熱を出すて寝込むなんていつぶりだろうか。
もともと、そんなに身体が強い訳でも