ある少女の話。
朝起きて、ポストを見たら、差し出し人不明の手紙が届いていた。普段ならそんなもの中身も見ずに捨ててしまうだろうに、なんとなく今日は、開けた方が良い気がして、中を確かめる事にした。
A4サイズの紙ペラ一枚、そこには、手紙というよりは誰かの日記のような内容が書かれていた。あきらかにそれは、誰か人に宛てたものではかったのだけれど、どうしてか読み進めた方がいい気がしてそして、あっという間に読みきってしまった。
その人の日常は、多分きっと穏やかなのだろう。静かに流れる時間が想像できた。
想像できないのその人の世界だ。月が二つもある世界って一体どういう事だろう。5番目に好きな月の姿なら1番はどんな形なのだろうか。
そんな世界の夜空を眺めながら、ハンモックに揺られて読む本って、本当にどんな気分なんだろうか。
コーヒーだって飲まないし、本だって読まない私はそれがとても大人っぽく見えて、少しかっこいいと思った。
裸足で踏む芝生の感触って、優しく頬をなぜる風って、一体どんな感じなんだろう。
私が知ってる公園は、やっぱりそんな上等なものないので、芝生自体テレビぐらいでしか見たことないんだけれど。
その、感触を知らない私でさえ、不思議とその気持ちよさは伝わってきた。
だって、あまりにも文章に溢れているんだもの。
大人になったら、きっと立ち入り可能区域も増える。その中には確か芝生のある公園もあったはず。いつか行けたら、私も絶対に裸足で芝生の感触を試してみよう。
コーヒー、は、いつか飲めるようになったら飲んでみたいし、その時に格好つけてみたい。
今はまだ、甘いミルクティーで十分だ。
頭の中で1番鮮明な夜空を思い浮かべる。
よく見る夜の空は、星ひとつない暗闇だけど、想像でそこに流れ星を落とそう。
きっと綺麗なはずだから。
想像したい。私の知らない世界。もっと知りたい、まだ見たこと感じたことのない自分の世界。
差し出し人不明の手紙は、私におもいがけない贈り物をしてくれた。
Hello World?
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