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#28.光さすように

地下に眠る絶滅した古代生命体の化石に名前がついたとニュースで報じられていた。
どの時代を生きたのか、現代の生命体のどれと近しい種なのかはいまだ分かっていないそうだ。
どこの誰かもわからないのに先に名前がつくのか、とも思ったけれど、便宜上名前があった方が取り扱いやすいのだろう。なんて想像をする。
彼の名前は「ルークス」古い文明の言葉で
“光さす”
という意味だそうだ。
謎めいた過去の歴史に“光さす”ように、という意味合いらしい。

ルークスが指し示す先にあるのは一体全体どんな秘密なのか、ますます気になるところだ。

次のニュースは新たな遺跡が発見されたという話だった。
歴史がひっくり返るような大発見という訳ではないみたいだが、これまでの研究を裏付けるような痕跡が多々残っているらしい。
詳しいことなど何もわからないが、学者の皆さまが謎を解き明かしてくれるのを心待ちにしておく。

地下にはロマンが眠る。
これは自説だが、あながち間違いではないだろう。
実際、我が家の地下室兼シェルターにある倉庫にもたくさんのロマンが眠っていた。
掘り起こして開いた先にあるものは、宝箱かはたまたパンドラの箱か。
なんて考えていたら電話が鳴った。

進捗を確認する電話と、次回の打ち合わせの確認だった。
まあまずまずの報告を終えて電話を切る。
本日はこれで営業終了だ。

なんとなく、地下に気持ちが向いたので、こんばんは地下室で過ごすことにする。

先日、倉庫を掃除したときに出てきた大量のろうそくやアロマキャンドルをいい感じに並べて火をつける。
何かの拍子に燃えたりしたら怖いのでガラスドームをかぶせていく。(これも倉庫にあった。)ステンドグラスのようになっているものや、ブリキで色々な形の穴があいているタイプもかぶせていく。
なんともロマンチックな光景である。

揺れる火には癒し効果があるらしい。

世間一般よりもだいぶストレスフリーな生活をしてはいるが、それでも日々に癒しは欲しい。

たくさんの小さな光の癒し効果は抜群だ。

電気を落としてハンモックに揺られる。
うっすらと音楽も流してみたり。

明日のことは考えない。
長い夜が始まった。

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