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#50.早起きをしたあさ

あさ、いつもより早く起きたので、近所の公園まで散歩をしに行った。
秋と冬の間の、カラッと晴れた気持ちの良いあさだった。
考え事をする時、歩いたほうがよく脳が働くらしい。今の仕事で悩んでいることをひたすらに考える。どうすれば問題が解決するのか、どうすればより良くなるのか。
考えに考えながら歩いていたら、近所のつもやが結構なところまで歩いてきてしまった。

ふと、どこかから焼きたてのパンのいい匂いがする。キョロキョロと辺りを見渡すと、少し先に看板が出ている。どうやらパン屋があるようだ。中に入ると焼きたてのパンが色とりどり並べてあった。
こんがりと狐色に焼き上がったパンは、香ばしいにおいを放ちツヤツヤと魅力的だ。

菓子パンに惣菜パン、食パンあんぱんコッペパン、ベーグルまである!

起きぬけのお腹は、空っぽだぞと主張するようにぐうぐう音をだしてくる。
ただの散歩のつもりだったから財布のないのだけれど、ポケットを探ると数枚小銭が出てきた。
ラッキー!心の中で小さく小躍りしてなけなしの小銭で食パンを買う半斤かう。
これは早く帰らねば!!

小脇にかかえて急ぎ足で帰る。
あれ?そういえばついこの間も同じようなことなかったっけか?
まあいい。家に戻っていそいそとパンを食べる準備をする。
トースターを温め、コーヒーを淹れる用意をして、先に目玉焼きを作る。
ベーコンエッグにしよう。フライパンがジュージューといい音を出す。カリカリにやいたベーコンと半熟の目玉焼きはあっという間に出来た。
温めたトースターに厚切りにしたパンを入れて焼く。焼き上がるのを待っているあいだにコーヒーを淹れる。本日も安定のペーパードリップだ。
コーヒーが淹れ終わるのと同時にパンが焼き上がるのですぐさまたっぷりのバターを乗せて余熱で溶かす。
溶けたバターは黄金色に輝いて、パンに染み渡る。さらにベーコンエッグとバタートーストを乗せてマグにコーヒーを注ぐ。

我ながらなんと完璧な朝食だろうか。

出来立てのトーストにがぶっとかぶりつく。
外はカリカリ中はもちふわ、バターがジュワッと染み出して、小麦の香りが口いっぱいに広がる。うまい。今日のパン屋は正解だった、他にもたくさん美味しそうなパンがあったから今度は財布をちゃんと持って買いに行かねば。

半熟に作ったベーコンエッグはソースをかけてたべる。ケチャップも醤油も塩もみんな好きだけど今日はソースの気分だ。ソースで食べたい時は目玉焼きは両目焼にする。両目カリカリにやいてあるのに黄身だけ半熟にするのは中々難しいのだけど、今日は大成功だった。
バタートーストに乗せて食べたり、コーヒーと合わせていつもよりなんだか贅沢な朝食を終わらせる。
食後にフルーツをつまみながら、今後の予定をどうするか決める。
そろそろ庭の落ち葉が気になるので掃除をしたいのだ。
おかわりしたコーヒーを味わいながら、なんだか嬉しくてニマニマしてしまう。

早起きをしたあさ、ちょっとだけ特別でとびきり贅沢なあさ。
それだけで今日という一日が最高になるのだから、たまの早起きはしておくもんだね。

開けたカーテンの向こうからさす光が明るく眩しくて目を細めた。

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