医療福祉業界の「人によって指示や意見が違う」は専門職としての成長の糧になる?
医療福祉業界に限ったことではありませんが、専門知識を要する職種においてよくある悩みが…
「先輩や上司によって意見が違う。結局どうしたら良いのかがわからない」といった悩みです。
ケースや状況への対応、ケア内容について先輩や上司に相談すると
A先輩「○○してみてはどうかな」
B上司「そんな時は□□しなくちゃだめだよ」
先輩や上司によって、提案されたり指示される内容が異なり、結局どのようなケアやアプローチが良いのか迷ったり悩んでしまうという状態です。
このような悩みを抱えている方や同じように悩んだことのある方は多いのではないでしょうか。
特に中堅として活躍する方や、現場に入って間もない駆け出しの時にはこのような状態で悩みを抱える方は多いんです。
先日、医療福祉業界で活躍する専門職の方から、
「上司や先輩によって指示される内容が違ってどうしたらいいのかわからない。イラッとしてしまうこともある。自分が悪いのでしょうか。うまく対処する方法を教えてください」
という内容のご相談をいただきました。
このような状況は苦しいものですが、自分の成長に繋がるチャンスなんです。
ピンチをチャンスに変えるためには考え方を変えてみることが大切です。
同じように悩んでいる方の少しでも力になれたらと思い、医療福祉業界の「人によって指示や意見が違う」は専門職としての成長の糧になる?というテーマで、このような時に役立つ考え方や対処をご紹介します。
違和感と向き合うこと自体が成長の兆し
「上司の指示や意見が人によって異なることに違和感を感じる」当たり前のことのように聞こえますが、実はその違和感を感じたり悩むこと自体が成長の兆しがあると言えます。
このような内容で悩むということは「言われた通りしたらいいいや」という責任放棄のような考え方はしておらず、しっかりと目の前のことについて考えながら仕事をしている、もしくはその意識がある状態と言えるからです。
同じ状況にあったとしても悩む人と悩まない人がいます。
先輩の言ってることと上司の言っていることが違ったとしても、単純に上司が言ったからという理由で悩まずに上司の言った通りにする人もいます。
逆に先輩の言ってることの方が行いやすいから、という理由で悩まずに先輩の言ったことをそのままする人だっています。
言ってることが違うという理由で悩んだり考えたりする人は、言われたことをどのように実践すればいいのか、しっかりと仕事に向き合っているということが言えます。
他にも、自分も専門職として考えた上で、上司や先輩の言っていることに違和感を感じて悩む人もいいるのではないでしょうか。
それは「より良い医療・ケアを届けたい」という気持ちや「真面目に仕事をしなければ」と考えているこそぶち当たる壁であり、成長の兆しとも言える素晴らしいことなんです。
とは言え、この壁に対して必要以上に振り回されたり、モチベーションを下げてチームに溶け込みにくくなってしまうことは、専門職としてのキャリアを進むうえで非常に勿体ないことです。
ですので、違和感や悩みに対してしっかりと向き合い、自分自身の考えを持つことや対処の仕方を身につけることが成長の上で大切になります。
専門職としての基本はあるがそれぞれの見解がある
とはいえ、現実問題でお答えすると、専門職である以上は様々な意見が対立したり異なる見解に遭遇して、振り回されることは避けられません。
それは仕事において基本的な知識となる考え方と基本に加えて経験を含んだ仕事の仕方や思考があるからです。
基本と呼ばれる共通の知識は間違いなく存在し、基本に忠実なことはもちろん大切なことです。
しかし、全ての人が単純に基本通り実践をしているかと言うとそうではありません。
専門職たちは知識に経験を加えて、その場に応じた思考や判断をしているからです。
基本をしっかりと押さえた上で、経験を通して学んだことを実践に加えたり、少し形を変えて実践してみたり、すなわち応用と呼べる手段を取ることが大半なんです。
この応用に関しては、基本的知識の上にそれぞれの経験が積み重なって判断されたり思考されるものなので、人によって異なる考え方や意見が出されることもあります。
特に医療福祉業界では、医療やケアなどのサービスを提供する対象が患者様や利用者様、対ヒトに行われるものなので患者様や利用者様お一人お一人の特性やその時の感情によっても判断は異なってくるんです。
加えて、医療やケアを提供する職員のレベルによっても指導方法や指示を考えることが大切です。
あまり経験のない 専門職に無理な要求をすることは患者様や利用者様の命や人生に関わる重大な問題となってしまう可能性があるからです。
そのため、これらの様々なことを考えた上で上司や先輩は一つ一つの判断や指示をしているため、見解が異なるということも出てくるんです。
正解と言える方法は1つではない
これは医療福祉業界だけの話ではありませんが、仕事というのは正解と言える方法は一つとは言い切れません。
状況や相手、チームのメンバーやレベル、求められているものや、その時の環境など相対的に方法は変わっていくものだからです。
また、これをしなければ求める答えにたどり着かないという状況もあまり多くはありません。
少し医療福祉業界とは違う例で考えてみましょう。
例えば、傘を売るという仕事を請け負ったとします。
あなたならどのような方法で傘を売るか、一度考えてみてください。
ある人は傘の魅力を伝える広告を出すという方法を取るかもしれません。
またある人は、傘が売れている地域を分析して、大量に傘が売れる地域で売るという方法をとるかもしれません。
他にも、天気予報で雨が降ると言われていた時に店頭に傘を置いて売り出す方法を取る人もいるのではないでしょうか。
では、どの方法が一番傘が売れるでしょうか。
この答えはやってみなければ誰もがわからないのです。
「傘を売る」という ゴールに対してどのようなプロセスをたどってたどり着くかはその状況や環境、 持っている ツールなどにより戦略は違ってきます。
実は医療福祉業界も同じことが言えます。
患者様や利用者様の生活の質や人生を豊かにする方法は1つではないんです。
自分にとって正解と思えたものでも、様々な意見や考え方を知ることにより、必ずしもそれが正解であるとは言えないものなのです。
様々な意見を取り入れるチャンスとして捉える
違う意見を同時に言われたり指示されることは、様々な意見を自分に取り入れる貴重なチャンスにもなります。
自分の持っている知識にこだわりすぎてしまったり、自分の意見や考えに偏りすぎてしまうと専門職としての成長ができなくなってしまいます。
医療福祉業界以外でも同じですが、仕事はいつも同じことが起こるわけではなく、状況は常に変化しています。
そのため、同じことを継続しているだけでは通用しなくなってしまうんです。
目の前の状況に対応できる柔軟性が必要であり、柔軟に対応するためには知識に加えて経験が必要です。
とは言え、すべてのことを自分自身が経験して学んでいくということは効率的ではありません。
自分自身で経験しながら学ぶことは大切ですが、すべてを自分で経験するとなると非常に多くの時間とエネルギーを使うことになるからです。
だからこそ他の人の考え方や意見を聞くことは貴重な機会であり、様々な意見を取り入れる自分を成長させるチャンスになります。
このように考えると、上司や先輩、同僚などの意見はその方々が持っている知識と経験から出されたものが同時に二つ聞けることはある意味ラッキーなことだともいえるんです。
人によって指示が違う場合の対処と上司との付き合い方
ここまで内容はポジティブに捉えたり考え方を変えることで、自分のプラスにする方法をご紹介しました。
とは言え、考え方は違って当然であることや自分を成長させるいい機会になるとは言っても実際に現場で経験するとストレスはかかってしまいます。
内容によってはどうしても納得がいかないことや、あまりに理不尽な内容であったり、頻回に同じような「複数の人からの曖昧な指示」が繰り返されてしまうと我慢ができなくなってしまうものです。
そのため、うまく対処できなければストレスが蓄積していき、大きなストレスに変わってしまい自分自身を守れなくなってしまうということになりかねません。
だからこそ、実際に発生したらどうすれば良いのかという準備とトレーニングが重要です。
同じようなケースが発生した場合、どうしたら良いかという具体的な対処を4つの工程でご紹介します。
➀言われた内容を整理する
上司(先輩や同僚)によって違う意見や指示を受けた場合、必ずメモをとって内容を整理してみましょう。
上司や先輩、同僚の意見や考え方は人それぞれ違うにしても、方法論が違うだけで目的は一緒ということもあるんです。
整理することで…
指示内容の目的は何か
複数の意見は目的自体が違っているのか
方法だけが違うのか
言葉や表現が違うだけで同じことを言っているのか
これらのことが明確に見えてくるようになります。
また、このように整理していくことで感情的ではなく論理的に考えられるようになり、精神的な負担も大幅に減少します。
➁整理したうえで改めて相談する
整理をしたら、改めて上司や先輩に自分が考えている指示内容に対する理解を伝えましょう。
何度も確認しにいくのは気が引けたり申し訳ないと感じてしまうという方もいますが、それは逆であることが大半です。
むしろ指示や意見を示した後に改めて相談に来られると「しっかりと仕事を理解しようとしている」という信頼が生まれます。
また、いつもいいかげんで曖昧に意見を言ってくる上司や先輩にも「真面目に取り組んでいるしいいかげんなことや適当なことは言えないな」という思いを持たれるようになります。
➂指示内容を実行する前に再度報告する
相談した後に実行する案が固まったら、実行する前に改めて実行することを報告しましょう。
「先日ご相談させていただいた内容で○○をしてみようと思います」というような報告です。
この報告があることで、上司や先輩はあなたに対して事実上の許可をした状態になり、行う業務の責任を互いに持つことになります。
➃結果を報告する
実行し終えたら、結果を報告しに行きましょう。
良い結果でも悪い結果であっても、指示や提案としてもらったものを報告することであなたに対する信頼は向上します。
もし結果が良くなかった場合は、指示を出した上司や先輩も自分事として受け止めて「なんとかうまくいかせないと」と、より具体的な指示や提案に変わったり、上司や先輩が自ら実行に関わってくるようになります。
この4つの工程を実践して様々なシーンで繰り返すことにより、上司や先輩によって指示される内容が違いがあったとしてもうまく対処できるだけでなく、自分自身を成長させることが出来ます。
その結果、上司や先輩のあなたに対する見方が変わり「適当な指示は出せない」という思いを持たれるようになって上司や先輩も指示や提案だけでなく積極的にサポートしてくれるようになります。
考え方や受け止め方を変えて自分が変わる
人によって意見や考え方が違い、行動や指示する内容が違うというのは医療福祉業界では多くの場面であり得ることです。
そのことがストレスになってしまったり、イライラしてしまう原因になったりももしますが、当然のこととして受け止めて考え方や受け止め方を変えることで自分が変わっていきます。
そのことを受け入れて、自分を柔らかくして自分自身が変わることができれば、専門職としてより大きく成長することができると思います。
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