介護の学び#11【音楽の素晴らしさ】
介護業界での20年近くの経験をもとに、学んだことについて投稿していきたいと思います。
今回のテーマは【音楽の素晴らしさ】です。
音楽の素晴らしさとは何でしょうか?…答えられますか?
介護の仕事をしていると、音楽の素晴らしさを改めて感じることが多くあります。
現代はインターネットが普及した情報社会ということもあり、昔に比べて音楽はより身近にかつ手軽に触れられるようになっため、手軽に音楽を楽しめるようになりました。
生活の中に音楽があると気分が良くなったり、不安な気持ちが少し軽くなったり、思い出に浸ることが出来たりと、そのような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
人によって好みの音楽は違いますので全ての音楽がというわけではありませんが、音楽には様々な効果があると言われています。
では、実際に音楽にはどのような効果があると言われているのかをご紹介します。
・気分転換
・リラックス効果
・ストレスの軽減
・脳内ホルモンの分泌
・良質な睡眠を促す
・やる気の促進
・記憶への刺激
・幸福度の増進 …etc
これらがすべてではありませんが、非常に多くの効果があり、音楽が私たちの生活に大きな影響を与えているということには違いありません。
脳科学の観点からもその効果が取り上げられており、音楽が人に与える影響を応用した音楽療法(セラピー)もあるんです。
音楽療法は「年齢」や「疾患の有無」などに関係なく、全ての方を対象として有効に作用する可能性が高いと考えられています。
そのため、介護サービスや認知諸ケアの中でも音楽は頻繁に活用されています。
実際に介護現場では不安の強い利用者様に好きな音楽を聴いていただいたり、不安の強くなる時間にどことなく耳に入るように生活スペースで音楽を流すなど、ケアの一つとして取り入れているところもあります。
クリニックや病院内でオルゴールが流れている場所もありますよね。
実際に病院のホームページなどでも音楽が人の体や心、脳に与える影響を掲載しているところも存在します。
このように、音楽は私たちの身体や心、生活や人生に大きな影響を及ぼすものなんです。
しかし、音楽が与える効果は個人に対してのみ作用するものではありません。
集団や組織(チーム)にも大きな影響を与えてくれます。
何かスポーツの応援をしている際に、サポーター同士で肩を組みながら歌っているシーンを見たことはありませんか?
TV番組で長年歌われている曲を出演者や観客が一緒に歌っているところなども見たことがあるのではないでしょうか?
このように音楽は個人的に作用するだけでなく、人と人とを結んだり、繋がりを強化する機会も与えてくれるんです。
介護の現場で学んだ【音楽の素晴らしさ】
音楽の素晴らしさについて感じた、介護現場での実場面の出来事をご紹介いたします。
その前に、話しは少し変わりますが…
介護サービスは職員から利用者様に対して一方的にサービスやケアを行い生活の質を担保していく存在というイメージを持たれている方が大半ではないでしょうか。
しかし、実際には介護者から利用者様だけでなく、利用者様同士かま互いにサポートし合うというパターンもあります。
介護事業所が「場と機会」を提供する仲介役となり、利用者様同士で関わったり交流や互助を促すきっかけをつくる【互助】の役割も担っています。
互助を簡単にご説明すると、利用者様同士で交流や繋がりを作り、互いに支え合ったり助け合うというイメージです。
※互助の詳細は厚生労働省が示している下記資料をご参照ください
リンク1-3)地域包括ケアシステムの5つの要素 (mhlw.go.jp)
この【互助】というのは理屈はわかるのですが、簡単に作り出せるものではありません。
しかし、互助が生まれると、介護者からのケアやサービスによって生まれるものとは違う「共に助け合う」という独特の温かい雰囲気というか空間が作り出されるものです。
色々な互助の形はありますが、私は音楽を通して【互助】→利用者様同士が繫がり、互いに支え合う瞬間を目の当たりにしました。
とあるデイケア(通いのサービス)での出来事です。
そのデイケアでは普段からラジオが流していたのですが、その日は利用者様の大半が好まれる歌手のCDが流れており、いつもの雰囲気とは大きく異なっていました。
音楽に合わせて口ずさんだりリズムをとったり、音楽を聴いて懐かしいと利用者様同士で談笑されたりと、そこにはとても穏やかで温かみのある空気が流れていました。
すると、一人の男性利用者様が…
「皆さん音楽はやっぱりお好きですよね。今日はとても楽しそうです。実は私、長いことピアノをしていたんです。リハビリが順調に進んで、身体が動くようになってきたら皆さんの前でピアノが出来たら嬉しいなと思います…自分勝手なお願いですが頼めませんか?私も目標があるとリハビリを頑張れますから」
というお話をいただきました。
リハビリは順調に進み、利用者様のピアノの練習が始まりました。
練習はいらないのではないかと思うほど、その方のピアノは美しく、練習の段階から多くの職員と利用者様が聞き入っていました。
そして利用者様の準備も整い、事業所内での一日コンサートを計画しました。
他の利用者様もコンサートの詳細を聞きつけて、コンサートの張り紙や当日使用する装飾などを作り始めました。
2週間かけて準備を行い、いよいよ当日、そこには一人の利用者様がきっかけとなって利用者様と職員が共同で作った素晴らしい空間が出来上がっていました。
当日参加される方の人数分、打楽器なども準備されており、参加型のコンサートが開催。
利用者様からの要望をもとに選出した5曲が演奏されました。
それはとても綺麗で温かいコンサートでした。
参加している利用者様、そして職員まで一緒になって夢中に歌っていました。
数名の利用者様は感極まったのか、涙を流しておられました。
無事コンサートを終えて当日の営業を終えた時、職員の一人が「今日はなんか私らがケアしてもらった気がするわ。本当に楽しかった」と話していました。
音楽には伝えきれないほどの多くの魅力があります。
音楽によって、そして利用者様によって、私たちは様々な素晴らしい経験をしました。
私はこの時【音楽の素晴らしさ】について、介護の仕事を通じて改めて感じることができました。
音楽が人にもたらすもの、心、身体、人とひとの繫がり…それは計り知れないほど大きなものです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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