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竜さんの「つぶやき以上○○未満」

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長すぎるつぶやきと……。
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2018年7月の記事一覧

慌てんぼうのハンモック

慌てんぼうのハンモック

今夏、自分で自分を褒めてやりたいのは、家のバルコニーにウッドデッキを増築したことと、ハンモックを買ったことだ。

暑さもすこしなごんだ盛夏の夕暮れに、ウッドデッキに出てハンモックに揺られながら本を読むたびに、竜、よくやったぞ、と心の裡でつぶやいてガッツポーズを握りしめている。金メダルをかけてやるぞ。

理由はいくつかあって、夏好きな僕が部屋の外に出て季節の感触をめいっぱい味わえるというのももちろん

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キャンプとは、迷わない明白な暮らし。

キャンプとは、迷わない明白な暮らし。

キャンプが楽しい理由はいくつもあるのだけれど、ひとつには、選択肢が限られるということがある。

富士山の麓の広大な草原でも、秩父の山奥の川を望む深い森でも、家から最も離れた野営の場において、やることは自ずと限られる。

食うか飲むか、目の前の自然に身を委ねるか、だけ。

逆に言えば、せっかく何日も前から大変な準備をして日常の外側にある自然の中に身を置いたというのに、けっきょくあんまりキャンプを楽し

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村上春樹とカングーと僕の誕生日。

村上春樹とカングーと僕の誕生日。

〈この文章はブログ『茅ヶ崎の竜さん』から転載したものです〉

自分のブログをいじってたら、ひょんな流れで村上春樹さんのことを思い出した。

三年くらい前に、春樹さんが読者の質問に答えてくれる「村上さんのところ」という期間限定サイトがあって、僕がそこに寄せた二つの質問に春樹さんが答えてくれた、という喜びを記した記事を読んだのだった。

それから夕方になって、そういえばここのところずっと村上春樹なんて

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いいときも、わるいときも。

いいときも、わるいときも。

−−−−− この文章はブログから転載したものです −−−−−

二年前の夏に親父が逝ってから、ずっと旅に出ていたような気がする。

不惑のおっさんが自分を見失って、罪悪感と自己否定を拾い集める旅。

道しるべのない旅は思いのほか長引いて、帰ってくるまでに二年もかかってしまったようだ。

親父が格好よすぎて、でも同時にひどくダサくて、親父に憧れすぎて、でも同じくらい嫌いで、親父を超えたくて、でも違う

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怒りの底には哀しみが眠っていて、哀しみの地面には愛が埋まっている。

怒りの底には哀しみが眠っていて、哀しみの地面には愛が埋まっている。

つきあいが長くなると、なかなか夫婦喧嘩もしなくなってくる。

お互いの欠けているところ、苦手なところ、ヘタなところといったマイナスを理解しているし、理解した上で好きで一緒にいるのだし、自分にもそれ以上に欠けているところがあると痛感しているから、ちょっと腹を立てたからといっていちいちそれを相手にぶつけるのが無駄に思えるからだ。

相手を責めず、かといって自分も責めず、まあ、しょうがないよな、育ってき

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脚が動かないだけで。

脚が動かないだけで。

三日くらい前から、左膝に鈍い痛みがあった。

ストレッチをしたり患部を冷やしたりしてお茶を濁していたのだが、昨日の夕方になって鈍痛が激痛に変わり、歩くのもままならなくなったので、さっき整形外科を受診してきた。

年配の医師は原因を探ることもなく、簡単な触診とX線撮影、採血をして、「ひどい炎症を起こして腫れているから安静に」と対症療法だけを施してくれた。

最近は歯科医でも整形外科医でも精神科医でも

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