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映画と音楽

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「好きなものを好きなだけ」 映画と音楽に纏わるエッセイやコラムを集めたマガジン。」
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#ロック

『それでも世界が続くなら』に人生を救われた話

『それでも世界が続くなら』に人生を救われた話

声を枯らし、命を燃やしながら歌う彼の姿は優しくて狂気的だった。

『それでも世界が続くなら』と出会ったのは、大学生の頃だ。当時家庭環境が原因で、生きることに絶望していた僕は音楽によって救われていた。

誰も知らない新しいアーティストを発掘するのが好きだったため、大学の授業終わりによくタワーレコードに足を運んでいた。女性のイラストのジャケットに目を奪われて、手に取ったのが『彼女の歌は死なない』と書か

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amazarashi“僕が死のうと思ったのは”は絶望の中に見えた微かな希望だった

amazarashi“僕が死のうと思ったのは”は絶望の中に見えた微かな希望だった

20歳になって生きる意味が見つからなかったらもう死んでしまおう。

淡々と流れる日常に意味を感じなくなった僕は、いつもそんなことばかり考えていた。

19歳といえば、モラトリアム期の渦中にいた。それは誰もが通る道なのかもしれない。

簡単に「死にたい」と口走っていた当時をいま振り返ると、「若い」の一言で片付けられる。でも、それは乗り越えたからに過ぎない。

「何者かになりたい」

では、その何者と

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My Hair is Bad:“裸”どれだけ過ちを繰り返そうと、どうせ人は裸に辿り着く

My Hair is Bad:“裸”どれだけ過ちを繰り返そうと、どうせ人は裸に辿り着く

My Hair is Badとの出会いは社会人になってからだ。“恋人ができたんだ”をどこかで耳にし、こんなに真っ直ぐな感情を歌詞に載せる歌手がいたのかと感心したものだ。一言で言えば共感。もっと言うならば、世の男性の恋愛の代弁者。それからいろんな曲を聴いたけれど、印象は「なんだこの女々しい歌詞は」だった。

女性の女々しさよりも男性の女々しさの方が厄介である。男性の女々しさはしつこさがずっと付き纏う

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マカロニえんぴつ“恋人ごっこ”|もう一度やり直したいと願ったあの日々へ

マカロニえんぴつ“恋人ごっこ”|もう一度やり直したいと願ったあの日々へ

終わった恋をもう一度だけやり直したい。そう願った経験は誰もがお持ちなんだろう。失恋したときは後悔に苛まれるくせに、終わってしまうまでその過ちに気付かない。それでもやっぱり人は何度も恋に落ちる。性懲りもなく何度でもまた恋に落ちていくのだ。

2020年2月7日にDigital Singleとしてリリースされた“恋人ごっこ”。2ndフルアルバム“hope”に収録され、MVの再生回数は2000万回を超え

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「the pillows」:“Funny Bunny”|夢が叶ったのは自分が頑張った証拠

「the pillows」:“Funny Bunny”|夢が叶ったのは自分が頑張った証拠

キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで走ってきた

「the pillows」の“Funny Bunny”に出会ったのは、中学生のときだった。

「BUMP OF CHICKEN」や「ELLEGARDEN」、「RADWIMPS」などあらゆるロックバンドにハマったのも中学時代。当時は新しいロックバンドと出会うために、友人とよくTSUTAYAに行っては、いろんなロックバンドのCD

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