見出し画像

「the pillows」:“Funny Bunny”|夢が叶ったのは自分が頑張った証拠

キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで走ってきた

「the pillows」の“Funny Bunny”に出会ったのは、中学生のときだった。

「BUMP OF CHICKEN」や「ELLEGARDEN」、「RADWIMPS」などあらゆるロックバンドにハマったのも中学時代。当時は新しいロックバンドと出会うために、友人とよくTSUTAYAに行っては、いろんなロックバンドのCDを視聴していた。

とはいえ、「the pillows」の存在は知らなかった。それもそのはず。ロックバンド被れの僕のもとに、「the pillows」の情報は一切入ってこなかった。活動歴はそれなりに長いけれど、知名度はそこまで高くない。ロック好きなら当たり前のように知られているロックバンド。でも、ロックバンド被れの耳に届くほどの国民的ソングはなかった。

「the pillows」と出会ったのは。「シンクロナイズド・ロッカーズ」というトリビュートアルバムである。「ELLEGARDEN」や「BUMP OF CHICKEN」がカバーしている曲があると聞きつけた僕は、1人でTSUTAYAに足を運び、視聴コーナーでアルバムを視聴した。

ちなみにはじめて聴いたときの感想は、「かっこいい」だけだった。いかにも中学生らしい感想である。「the pillows」に興味を持ったわけではなく、好きなロックバンドがカバーしている。そんな理由で、「シンクロナイズド・ロッカーズ」を借りた。

「シンクロナイズド・ロッカーズ」の楽曲の中で、1番印象に残ったのが、“Funny Bunny”で、「ELLEGARDEN」が歌うこの楽曲は、テンポが速く、原曲よりもサビが1回分多い。他の楽曲もあまりにもかっこよすぎて、「the pillows」自体に興味を持つようになった。そして、TSUTAYAで借りたのが、“Funny Bunny”が収録されている「HAPPY BIVOUAC」だ。

“HAPPY BIVOUAC”から始まり、“カーニバル”や“Funny Bunny”、最後に“Advice”で締めくくられる全11曲で構成されたアルバム。「the pillows」の魅力に完全にやられた。頑張っている人への応援歌とも言えようか。どの楽曲も前向きになるメッセージが多く、部活動を頑張る自身の励みにもなった。

そして、「the pillows」をいち早く仲のいい友人に伝えたくなった僕は、思わず『「the pillows」って知ってる?もう言葉で説明するよりも、彼らの音楽を聴いて、肌で良さを感じて欲しいから明日学校に持っていく』と伝えた。そして、半ば強引に友人に「the pillows」の楽曲を聴かせた。

そして、僕と同じように、友人も「the pillows」の魅力に見事ハマった。その中でも“Funny Bunny”を特に気に入り、「とにかく歌詞がいいよな」って、放課後の教室で盛り上がったあの日をいまでも鮮明に覚えている。

僕は「the pillows」に、そして、“Funny Bunny”に出会えて良かった。部活動の大会で優勝したとき、ヒッチハイクに成功したとき、自分の文章ではじめてお金をもらったとき、そして、文章を仕事にできたとき、夢が叶ったそのときに“Funny Bunny”の「キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ」という歌詞に、救われてきた。

「the pillows」はミスチルやスピッツ、ウルフルズの台頭もあり、存在感は大きくはなかったものの、いまもたくさんの人に愛され、多くのロックバンドの憧れにもなっている。今後も彼らが鳴らす音に魅了され、ときに励まされながら、彼らの背中をずっと追いかけていきたい。

キミの夢が叶うのは、誰かのおかげじゃない。風の強い日を選んで走ってきた自分のおかげだ。そんな願いを込めながら、自身の夢が叶うその日を、風の強い日を選んで、走りながら待っていたい。


この記事が参加している募集

#思い出の曲

11,248件

ありがとうございます٩( 'ω' )و活動資金に充てさせて頂きます!あなたに良いことがありますように!