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仕事で成長する必要なんてないと思う

ロッシーです。

「成長=善」だとみんな思っていますが、本当にそうなのでしょうか?

私は、「成長が常に善だとは限らない」と思っています。


成長は自然とするもの

植物を見ていると、種から芽が出て若葉になり、そのあと急速に成長していきます。植物が何を考えているのかは分かりませんが、「頑張って成長するぞ!」と考えているようには見えません。

成長するときは、勝手に成長するものです。人間だって、思春期には身長が伸び、体も大きくなります。「成長したくない」と思っても、有無を言わさず成長してしまうのです

成長が止まれば、あとは老化していきます。成長しつづけることはできません。それが自然の摂理です。

人は成長しつづけようとする

人は、成長しつづけようとします。国も企業も成長しつづけようとします。GDPがマイナス成長になると、「なんとかしないと!」といって金融緩和をしてマネーをじゃぶじゃぶと供給します。

でも、そんなことをしたからといって、急激に経済成長することはありません。いくら肥料を与えても、成長期を過ぎた植物が成長することがないのと同じです。

現在、コロナ対策のため、各国の中央銀行が莫大なマネーを供給しています。だからといって急激に経済成長することはないように思います。

株や金などの資産は上昇していますが、これは上昇しているというよりも、莫大なマネーが供給されたせいで現金の価値が下がり、相対的にそれらの資産価格が形式的に上昇しているだけですから、実質的な価値が上がっているとは思えません。

仕事でも成長しつづけようとする

仕事においてもそれは同じです。

ある職業に就いて、その仕事を長年つづけていたら、最初のうちはやればやるほど成長していきますが、どこかで成長度合いは鈍化し、その後フラット化し、あとは徐々に衰退していきます。

それでも成長しつづけるには、今の仕事ではなく別の仕事にチャレンジして、またまっさらの状態からスタートするしかありません。

そうすれば成長することはできるのかもしれませんが、中高年になって新しいことに挑戦するというのは、それなりに大変なことです。

若いときのやる気や体力とは違います。もちろん、中には年齢とまったく関係なくやる気と体力を維持できる人もいるかもしれませんが、多くの人はそうではないでしょう。程度の差はあれど、年齢というのは大きなファクターです。

「カーネルサンダースは65歳でケンタッキー・フライドチキンのビジネスを始めた。だから俺だってできる!」

と思うのは自由ですが、それが美談として語られるくらいに、年をとって何か新しいことを成功させるのは、例外的なことなのだと思います。

「人はいつからでもやりなおせる!」

というのはある部分では当てはまりますし、ある部分では当てはまりません。やりなおせない不可逆的なプロセスがあることを、現実として認めないといけません。

成長しなくなった植物から、新芽が出ることはあります。でもそのような新芽は、もとの植物本体よりも決して大きく育つことはありません。

それと同じです。無理に成長しつづけようとしても、そこにはおのずから限界があるのです。

自然に反することを頑張っても、あまりうまくいくことはありません。

無理に仕事で成長する必要はない

よく、「今の仕事がマンネリだから、もっと成長できる環境でチャレンジしたい」といって転職をする人がいます。

これも同じで、ある程度若い人なら成長余地がありますのでOKだと思いますが、中高年以上だとなかなか難しいです。

思考回路も固定化されていきますし、身体面でも体力は落ちています。いくらジムに行って筋トレをしても、落ちるものは落ちます。

「みんなはそうでも自分だけは違う!」と思ってしまうのは、人が自分中心で考えてしまう典型例です。「自分だけは特殊だ」と「みんな全員が思っている」という風に考えたほうがいいでしょう。

そもそも、マンネリのどこが悪いのでしょうか。慣れた仕事というのは物足りないかもしれませんが、「苦しい」よりも全然いいと思います。

慣れた仕事というのはひとつの資産です。過去の蓄積で得た仕事のノウハウなどが資産というストックになっているわけです。

それらを全て捨てて、新しい仕事に挑戦するのは自由ですが、仕事は「生活の糧を稼ぐ」という経済面に直結している部分もありますから、よほど差し迫った事情がないのであれば、そのまま今の仕事をしていればいいのではと思います。

次世代に自分の仕事を教えて成長の手助けをするなど、自分の資産を若い人に継承していくことだって大事な仕事です。そうすればまた別の楽しさを見出せるのではないでしょうか。

自分の成長だけを考えるなら転職でもするのが合理的だと思いますが、それは捉え方によっては、自分の成長だけにしか興味がないからではないでしょうか?

それを否定するつもりはありませんが、年を取った自分が成長することと、若い他人が成長することと、社会にとってどちらが良いのかという見極めは必要だと思います。

それでも「自分が成長したい!」と思うのであれば、仕事で成長するのではなく、自分の趣味だとか、プライベートで好きなことを始めればいいのではないでしょうか。

新しく趣味を始めれば、初心者は急激に成長しますから、成長している感覚を抱きやすいと思います。

「仕事で成長しないといけない!」と思い込む必要なんてそもそもありません。

成長したい=将来への不安

仕事で成長しつづけたいと思う人は、単純に成長すること自体が好きな人もいると思いますが、その多くは将来に対する不安が理由になっているのではないでしょうか。

「仕事で成長し続けないと、高齢になったときに仕事がなくなってしまう。」

そのような不安を解消するために、成長しつづけないといけないと思っている人が大半だと思います。

でも、成長したからといってその不安が解消されるのでしょうか?おそらくされないでしょう。

多くの人は、「成長したいから成長する」のではなく、「不安だから成長しないといけない」と思っているのだと思います。

だから、大事なことはまず不安にどう対処するかであり、成長するかしないかはあまり関係がないのです。

では、不安にどう対処すればいいのか、それは「遠くを見ない」ことです。

仕事と人生は違う

仕事をしていると、「将来から逆算して考える」という思考が身についています。目標やゴールを未来に設定して、それを達成するためには何をすればいいのか?という思考回路です。

これは、典型的な「遠くを見る」思考回路です。

仕事ではそのような思考回路が必要ですが、人生も同じように考えると苦しくなるだけです。なぜなら、人生には分かりやすい目標やゴールなんていうものはないからです。

仕事では効率的にゴールに達することが必要ですが、人生はそうではありません。非効率な部分が楽しかったりすることもあります。

仕事はいつまでも成長しつづけることが大前提ですが、人生はそうではなくいつかは老化して終わりが来ます。

両者は異なるのです。

多くの人は仕事と同じように人生を考えてしまいます。でも、仕事と同じフレームワークで人生を考えても、うまくいくとは限りません。

人生は、自然の産物なのですから。

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