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疎雨(そう)
2022年6月9日 19:59
雨音消えた町痛み伴う日差し忍び寄る足音あなたが好きだと言っていたあの季節はきっと悪魔何時までも心音加速させるあなたもきっと悪魔だ温い風に肌を触れられて記憶は何処かへ飛び立つ待つ人のない場所へと降ってもいない雨を避けるように進みながら飛び立った記憶を追いかける温い風は強く腕を掴む振り解き歩みを進める私のほうが強いのだと言い聞かせて砕けて散らばった景色
2022年6月8日 20:34
重くベタついた室内の空気割れるような終わり見えない頭痛ドアノブに手を掛けた早朝踏み出した足は軽いはずもなく首を上げれば涙溜め込んだような不穏な色が広がっていた臆病者はよたよたとそれでも前を向き無心で歩く助けは要らないもう一人でも問題はないただ話す相手はほしいけれど精神のリハビリ肉体の痛みスクラップ寸前目的は何だっけ?息が上がる意気が揚がる上がる精神のリ
2021年10月31日 18:16
金木犀が記憶を引っ張り出した押し入れのずっと奥見慣れぬ封筒ひとつ忘れた頃に嫌味のように番いの一羽は旅立ったのに開封、黙読罫線を幸せそうに踊る文字あなたに似合いの色出逢いの色紙の色遠く消えた約束の数を数える叶わなくて本当に良かった誰も傷つかないものこの約束は他の誰かと叶えてくれていたらいいな
2021年9月18日 13:31
丈長い上着の裾緩い風が揺らしていく頑固な夏と軽快な秋が少し喧嘩をする季節の変わり目大人の帰り道右手に有料袋慣れ親しんだ風景に半透明の画像が重なるあの日の帰り道心は少し時間を戻したあの時の右手は君の左手を掴んでた幻のスカートが揺れる
2021年9月14日 20:03
不意に現れて心に吹いて乱すのにとても心地が好い季節外れの春風のようです隔てられた世界で向こう側覗き込んでいたけど隠れて秘密の暗号風は吹き飛ばし飛ばされてあなたがいる世界わたしのいる世界季節外れの春風愛を知らないわたしに愛を連れてきてくれた騒がしくなった心ふわり触れた心遠く遠い近い距離で名前浮かべたら涙が溢れ出したんだ
2021年8月5日 22:11
窓の外がちゃんと暗くなるとそこから始まる私の時間ワクワクのおもちゃ箱開けて覗き込んでその時がくるのを待つ世界はお部屋なんかじゃなく広大な宇宙にでもなったようで今夜は開催されるだろうか夢見る前に夢の時間予定時間はなく目の前に広がる眩しい光響く音は今夜も私を誘い遠く存在しない何処かへと跳ね回る心急ぐ指先永遠に続かないことは知っているのに今があればいいや
2021年7月18日 19:04
いつの間にか好きな想いが重くなって足取りが覚束ないあっちへふらふらこっちへふらふら気も漫ろいっそ色つきハートにリボン巻き贈ろうかどんなに頑張っても広大な砂地の砂のひと粒で言葉交わすこともないのに心は愚かで純粋でその手に掬われた砂の中のひと粒でありたいと願ってしまう
2021年7月16日 21:34
行き場失くし退屈持て余す若い炎グレーの景色もカラフルに見えているのか笑い声剥き出しの口元彼等を退屈そうに窮屈な場所から眺めているのもまた若い炎現実のようで現実ではないかといってこれは夢ではない頭も身体も追いつかない何を信じていいかわからないボロい智能手机の深いところ変わらぬようでまるで違うどっちの僕等も存在してた
2021年7月15日 20:18
私が放った絡繰の文手元返ってきたのは更に難解でした人の言葉に拐かされ躊躇いなく覗き見るほど私には勇気が備わっていないああ、少しだけ存在を近く感じるのにただ抱きしめては月日は流れゆくのだろう間違った解釈で失いたくはないしそれでもいいやと思ってしまうのが怖いもう少しあと少しでいいから美しい色に浸らせて
2021年7月14日 20:19
空気や風は熱を帯び空は瞳に痛く嫌いな夏また君がいない夏だ好きが過ぎるほど顔も姿も声も脳内再生できないのは何故?嫌いな夏次も君がいない夏だ写真を削除した後悔はなかっただから君を再生できない記録に頼ることができない曖昧な君を夏空にぼんやりと映そうにもできそうもない
2021年7月13日 18:07
なんの為かなんて理由を考えて実は要らないんじゃないかと思い始めている理由がほしい為の何か理由がない故の何か誰の目にも留まらない共通項目はただひとつ言葉だけそれさえも実は要らないんじゃないかと思い始めているなんの為に想いは言葉になるの?それに意味はあるの?
2021年6月6日 16:00
どう受けとってくれても構わないよこれが私の全部だから自分自身でさえ自分を信用できない私だけどあなたのこたえもあなたの言葉もきっと正しいはず昼と夕の合間小さな灯火鞄にぶら下げお守りのように握り歩く混色の空の下どう受けとってくれても構わないよ私は今日も私だけど人は信用していたい私だから
2021年5月26日 21:51
雨続きの合間見上げれば白と青白は花の形に思い出し引っ張りだしたフォルダーの中溜まった花コラージュして数合わせて青を混ぜる赤と青花七つ宛名はない差出人は私気づくだろうか本物は遠くに置いてある
2021年4月15日 22:29
わたしの瞳がまだ黒いうちにわたしの喉がまだ声を出せるうちにわたしはあなたと出会いたいと思ってしまった叶わなくていいよ叶わないほうがいいよその方がきっと幸せでいられるから私は醜いから心も何もかもがわたしは醜いから美しいあなた薄硝子越しに言葉交わすいや交わせていないああ、ねえ今夜もまた夢を見せて生きていたいと思える夢を見せて