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毎日が病みあがり

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日々のあれこれを書いています。
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#現代語俳句

寝ていられるか小春日和。

寝ていられるか小春日和。

天気がいい。天気がいいと、気分がいい。なんでもうまくいく気がする。

まず、洗濯物がよく乾く。靴だって何足も洗いたい。明るいから、ものがよく見える。山積みになった家の中のごちゃごちゃがよく見える。片付けたいー。

このひと月あまり、寝たり起きたりしていた。何もかもが山積みだ。家事のあれこれ。仕事のあれこれ。最低限の家事と、自分の世話のみ。仕事に至っては、全く進展していない。

ああ、もう、こうして

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図書館のひときわ静かに風邪をひく

図書館のひときわ静かに風邪をひく

風邪をひいた。昨日の図書館のせいだと思う。目の周りが腫れぼったくて、喉が痛い。熱はないのに節々が痛む。

図書館の学習室は居心地が良かった。机には仕切りがあり、周囲の人と空間を共有しない。自分の手元だけに集中できるのがありがたかった。家にいると、常に何かの物音がする。家の中だけではなく、外からも。目の前が通学路になっているので、歌いながら帰る子、ガラガラとキャリーバッグを引っ張る人、しかも、抜け道

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こんなにも食料残して忽然と

こんなにも食料残して忽然と

【悲報】蜘蛛が姿を消した。

昨夜、ベランダの蜘蛛のこれからを案じたのだが、今朝、窓の外を見ると、そこには何もなかった。蜘蛛だけでなく、巣もなかった。ベランダに躍り出て、よくよく見てみたら、巣の本体はそこになく、ベランダの手すりに蜘蛛の集めた小さな虫たちの亡骸が連なって揺れていた。

これは食べ残しか、それとも貯蔵してあるものなのか。それにしても、忽然と姿を消した蜘蛛はいったい、どこにいるのか。巣

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暖取れないかその静電気

暖取れないかその静電気

静電気がたまりやすい体質、というのがあるのかもしれない。

冬になると、毎日のようにバチバチと痛い目にあう。家の中でも外でも、とにかくバチッとくる。その度にイラっとする。無性に腹がたつ。あの不意打ちの痛みを好意的には受け取れない。

それにしても、わずかなりとも「電気」なのだから、何かに貯めて、有効活用できないだろうか。冬だから、カイロがわりに暖を取れたりするといいのだが。

ガソリンスタンドに行

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十六夜にオレンジジュース飲むのかよ

十六夜にオレンジジュース飲むのかよ

十六夜(いざよい)は、今年、9月14日だったそうだ。中秋の名月、つまり十五夜の翌日である。今年はもうとっくに過ぎてしまった。

なんでもそうだが、大事な日の翌日は、ホッとするものだ。指折り数えて準備を進めてきた嬉しい日も、乗り越えなくてはならない嫌な日も、当日までのプレッシャーはポコンと外れて、肩の荷がスッと軽くなる。

ホッとした時、一息つくために何を飲むか。ビール?コーヒー?緑茶?タピオカミル

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なんだか面白い顔きのこ

なんだか面白い顔きのこ

文章教室の子どもたちが、「きのこの山とたけのこの里、どっちがいいか」という話で盛り上がっていた。

わたしはといえば、たけのこ派なのだが、子どもたちはきのこ派が多かった。わたしはあのクラッカー部分が苦手だ。まず、歯ざわり。硬くてツルツル滑る感じが、プラスチックみたいだし、チョコ部分とクラッカー部分がくっついているけれど、すぐにキレイに別れて「性格の不一致」とか「お互いの幸せを話し合って」とか言い出

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ゆうやけ蜘蛛がメラメラと

ゆうやけ蜘蛛がメラメラと

空が燃えていた。本当に真っ赤で、蜘蛛のシルエットがかっこよかった。それで、カメラを取りに30秒くらい窓際から離れたら、空はもう半分の赤さになっていた。さすが、秋の日はつるべ落とし。

蜘蛛は、あれからずっと、わが家のベランダを拠点にしている。そして、わたしが「ぎゃー、2匹に増えとる!」と大騒ぎしたアレは、脱皮後の抜け殻だということがわかった。その証拠に、日に日にカサカサに乾き、縮み、風にゆらゆら揺

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夜泣きの子を懐かしむ満月の夜

ムスメは夜泣きしない日がなかった。

なぜ泣くのかわけも分からず、わたしは始終イライラしていた。どうしたどうしたとあやしながら、抱っこの腕も疲れ、自分は足元から崩れ落ちそうになりながら、ゆらゆらと揺れながら立っていた。

おとなしくなったな、と思って布団に下ろすと、背中が着いたとたんに泣く。赤ちゃんの背中にはきっとセンサーがついていて、それが作動するんだろうと本気で思っていた。それでまた抱き上げる

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クモの糸 細く強く苦しい

クモの糸 細く強く苦しい

台風19号。被害に遭われた方にお悔やみとお見舞いを申しあげます。きっと大丈夫じゃない状況がしばらく続くと思います。悪夢のような時間を過ごされた(今も過ごされている)みなさんが早く日常に戻られるようお祈りします。そして、直接行ってお手伝いできなくても、微力ながら支援します。

                ・・・

一方。こちらは風の威力がすごかったけれど、わが家では車が砂埃で真っ白になってしまっ

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大金に慣れず数える台風の朝

大金に慣れず数える台風の朝

ムスメの部活動に保護者会がある。わたしは今月から会計をやることになった。人生初の会計。お金には縁がないし、算数、数学は弱点なので、わたしは常に会計係を避けてきた。それがどういうわけか、会計になった。人生、わからないものだ。

今日は引き継ぎを兼ねて部費の集金を担当。70人の部員が、次々に封筒を持ってくる。中身をあらため、名簿にチェックを入れ、現金を管理する。

千円札が何百枚も集まる。それを3人が

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台風が来ると知らぬかクモの糸

台風が来ると知らぬかクモの糸

中空にクモがいた。

1週間くらい前のことである。最初は2〜3本の糸が軒先からベランダの手すりに張ってあった。そこに細い足の、枯れ葉のかけらみたいな蜘蛛が1匹ぶらさがっていた。

こんなところに餌になるような虫が飛んで来るのだろうか。そもそも、お前はどこから来たのか。なぜここに巣を張ったのか。聞いてみたいことは数々あれども、虫の言葉を知らないので、テレパシー的な何かを送って返事を待った。音沙汰なし

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