三日月望

脚本、小説、感想

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記事一覧

「設定温度、浮かぶきみ。」(戯曲)

ぬるま湯の日、たくさん話したね。 うだるような熱い日、不安定に波に乗っていたきみは、

三日月望
1年前
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「雑透」(戯曲)

等しく濁っている雑踏の人々はみな透明人間

三日月望
1年前

「グラデーション」(戯曲)

にしなさんのアルバム「1999」収録曲”青藍遊泳”にインスピレーションを受けた戯曲を書きました

三日月望
1年前
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Every night comes to end

三日月望
2年前
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『夏至〖熱中症〗』(ショートショート)

 夏、暑いよな。アイスも直ぐ溶けるし。でも嫌いじゃない。 高校一年生の夏祭りだった気がする。タンポポとバクと三人で行ってコンビニでアイス食べながら喋った。バクに…

三日月望
2年前
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『冬至〖バク〗』(ショートショート)

「中央機関室」「犬」『会計委員会からの連絡』「無重力下での限界」『買い出しの人手募集』「人間」『持ち物検査』 私は最後の単語が聞こえると顔を上げた。先ほどまで遠…

三日月望
2年前
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『明けない夜はない』(戯曲)

2020年12月に演劇ユニットみんなぼ¬ち名義でyoutubeに映像公開した戯曲(脚本/演出) https://youtu.be/Wd55V81hPEs

三日月望
2年前
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餅月みかの名で演劇創作しており、創作/感想用にアカウント作成しました。
学生時代の創作物には大学生タグをつけていますが現在は既卒です。

三日月望
2年前
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『カップの底。溶けきらずに残った砂糖の甘さにまた驚く。』(ショートショート)

「あのさ、わたし口二つあるんだよね。」 春の昼下がり。久しぶりに会った高校からの友人はいきなり打ち明けた。 「わたし食べるスピード遅いじゃん。それが嫌でさ、二つ…

三日月望
2年前
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『夏至〖熱中症〗』(ショートショート)

『夏至〖熱中症〗』(ショートショート)

 夏、暑いよな。アイスも直ぐ溶けるし。でも嫌いじゃない。
高校一年生の夏祭りだった気がする。タンポポとバクと三人で行ってコンビニでアイス食べながら喋った。バクに話を振っても基本的に相槌しか打たない。なんでだろうな、自分の思ってる事もっと話せばいいのに。でもその日は違った。
「私は冬のほうが好きかな。何枚も着れば寒くないし。それに、夜が長いから。」
四月から一緒にいてバクが自分の意見を言ったのが初め

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『冬至〖バク〗』(ショートショート)

『冬至〖バク〗』(ショートショート)

「中央機関室」「犬」『会計委員会からの連絡』「無重力下での限界」『買い出しの人手募集』「人間」『持ち物検査』
私は最後の単語が聞こえると顔を上げた。先ほどまで遠かったクラスメイトの声が、先生の声がすぐそこまで迫ってくる。
世界から音が無くなる。どうしよう、まさか今日あるとは思ってもみなかった。誰も違反していないのになんで。とぐるぐる考えても目前の薄い学生カバンの中に二本の缶が入っているという事実は

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餅月みかの名で演劇創作しており、創作/感想用にアカウント作成しました。
学生時代の創作物には大学生タグをつけていますが現在は既卒です。

『カップの底。溶けきらずに残った砂糖の甘さにまた驚く。』(ショートショート)

「あのさ、わたし口二つあるんだよね。」

春の昼下がり。久しぶりに会った高校からの友人はいきなり打ち明けた。

「わたし食べるスピード遅いじゃん。それが嫌でさ、二つ目の口作っちゃった。これでスピード二倍。」

突然の告白にぽかんとしていると二ヒヒと笑った友人はマスクを顎の下まで引き下げた。鼻、人中、唇。ここまでは高校時代から何度も見慣れている。そしてさらに下の顎部分にもう一つ、小さめの唇があった。

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