ベンチャー企業を産み育てる風土🔗
スタートアップ企業の上場が相次いでいる。最近でも「リフト」が上場を果たし話題に。これからも「ピンタレスト」「ウーバー」「エアビーアンドビー」という、“次のGAFA”を狙う予備軍が一本立ちを果たす。日本でも「スマートニュース」「ビズリーチ」といった、日頃から私達になじみのあるコンテンツを提供する企業が予備軍に控えている。
クラウドファンディング
そして今、日本で注目されているが、クラウドファンディングと連携して資金調達を促し、中小企業のスタートップを支援する仕組みである。 製造業において不足がちな企画やデザイン、広報、営業といった力を補って、将来の発展に向けたサポートを継続するスキームにもなってきている。特に販路開拓ではクラウドファンディングは親和性が高い。
常に新しいアイデアや新サービスが誕生する、こうしたサイトを定期的に訪問する層の注目を集める事が出来るかどうかが売れる材料となる。
感度の高い、起業家支援に理解ある人たちのお眼鏡にかなうことで、多くの資金が集まれば、その調達額が金融機関の融資額の参考にもなったり、流通経路の道筋につながったりする例が後を絶たない。
オープンイノベーション
最近では「オープンイノベーション」を導入する企業が増えているのも追い風である。なかなか自社のリソースを活用出来ていない大企業が、積極的に活用し始めていて、そうした眠れる優れた知財技術が、スタートップ企業によって生かされる道が開かれ、結果としてスタートアッパーにもビジネスチャンスを生む好循環になっていると見る。
地方企業であるならば、ローカルならではの課題解決を事業領域として、積極的に自社の事業シナジーに取り入れることも大事な要素だ。
あなぶきグループは地元でも積極的にスタートアップを活用している企業グループのひとつだろう。
最近も「ママスクエア」との提携で生まれた、「クリエ×ママスクエア髙松」を昨年暮れにオープンしていて、ローカルでの女性就業を支援する。これを可能にしたのが昨年6月に設立した、コーポレートベンチャーキャピタルの「あなぶきスタートアップ支援ファンド」。ママスクエアの“キッチンスペース付きオフィス”という事業モデルを、ファンドが活用することで、スピード感を持ってエリア内に展開するお手伝い。
投資が集まる環境を整備
琴平電気鉄道の真鍋社長は“エンジェル投資家”としての側面を持つ。「かもめや」「電脳交通」等の四国地域ならではの課題解決型ベンチャーへの投資の他、先日は髙松人間力大賞の最優秀賞を受賞した、三宅徹氏が学生ベンチャーで興した、太陽光発電パネルの清掃ロボット開発で世界展開する「未来機械」を個人でもって支援している。
平成28年4月に高松市で開催された、「G7香川・髙松情報通信大臣」会合の開催が契機になったようだ。IoTやAIといったICTが世の中に急速に普及・浸透するタイミングでの開催。ICTがもたらすイノベーションや経済成長、情報の自由な流通やサイバー空間のセキュリティ、ICTを使った地球規模の課題解決、その取組を通じての国際連携や国際協力についてを話し合った。
2020年までに世界人口で新たに15億人をインターネット環境に振れることを目指すことを一致。
「G7香川・髙松情報通信大臣」会合の開催
高松からイノベーションを興す動機と、環境整備を行っていくことを先進7カ国で誓った歴史的な会議だ。
舞台となった高松市が世界の先進的な取組をする責任があるのだ。
今、お隣の中国では毎日一万社以上のスタートアップ企業が生まれていると言われる。新陳代謝が進み、ユニコーン企業に成長する。中国政府は「大衆創業」という大胆な政策で、米国に追いつこうと頑張っている。すでに全世界のユニコーン企業売上上位の半分位は中国にあるとも言われる。
ユニコーンという生き物
米国で生まれた新サービスは従来なら中国ですぐに似たようなサービス登場が始まった。ここ一・二年は米国にもなかったような、革新性を持つ企業の登場が見受けられるようになってきている。もはや中国の起業家は米国をそのモデルとしては見なくなっているようでもある。
日本もこれからの世界情勢を見据え、国力の維持を図るためにはツールとして、スタートアップ支援の更なる充実が最も有効な手段となろう。